Always Look on the Bright Side of Life
すいむはね
一回やろかなと思ったら、けっこう衝動的に動いてしまうんです。
今回の件もそう。
すいむのことを前から知ってる人は
そういうとこがあるとこを分かってもらえるのではないでしょうか。
PCからです(どうでもえぇ
追記からひきものります。
暇で暇でしゃあない人だけどぞー
*
見上げると、空があった。故郷と変わらず、それは美しい。
澄んだ大気の青の中を、淡い桃色の花びらがひらりと横切った。
目を奪われた。そこがその、遥か彼方、おとぎの中の世界なのだと、ふとした実感が込み上げた。
少年は目を細める。
――綺麗だ。
1・英雄
1
夜桜の下で、自転車の男が子供をはねた。
『桜公園』という安直な名前で呼ばれるその公園の、大勢の花見客が宴会を楽しむ喧騒の中で、その小さな事故はさして気に留められなかった。頭にネクタイを巻いた中年男が何人か酔いつぶれて寝ている間に、また一人、子供が倒れこんだだけのことである。
自転車の若い男は、あぁまたしくじったと思った。去年のこんな夜にも、ヨレヨレといった様子で歩いていた男をはねてしまったことがあったのだ。だから公園のライトアップが始まってからは、バイトの店からアパートへの近道であるこの公園は、使うまいと決めていたのに。今日に限ってなんだか体調も悪いし、偉い人に小言を言われるしで、早く帰りたいという気持ちが先走ってしまったばっかりに。
ところが今年の場合は、去年のように別の男が赤ら顔を更に真っ赤にして掴みかかってくる、なんてことは起こらなかった。所狭しとまではいかないものの、至るところに陣取っているビニールシートの間からふらふらと現れた十いくつの子供は、それを避けようと慌てて進路を変えた前輪に吸い付くように、そしてどしんとぶつかって倒れた。それなのに、両脇のシートのサラリーマンたちはちらりちらりとこちらを見、何事もなかった顔で酒を煽り始めたのである。運転手の男はひとまず自転車を止めて、ごめん、大丈夫、と声をかけた。すると子供はちらりとこちらを見ると、むくりと起き上がって、いそいそと公園の出口の方へと向かっていくのだ。それも小走りで。
その様子に運転手は、ケガはなかろうと思いながらも自転車を押して子供を追いかけ始めた。
公園のところかしこで桜がひらりひらりと舞い落ち、二人の肩に頭に降りかかった。いくつかの陽気な歌声は複雑に絡み合って、どこかの現代音楽のわめきのように響いた。
出口まで差し掛かり、湿った地面を蹴る音が聞こえるようになって、男がそろそろ自転車に乗ってもいいだろうと思いはじめたとき、ふと子供は立ち止まって振り向いた。暗闇でも浮き立つ、色白で整った綺麗な顔をしている。その目が男を捕らえたとき、若干嬉しそうな表情を滲ませたのに、疲労によって視界さえ淀んできた男は気付かなかった。
「えっと、ケガなかった?」
今更ながらの質問に、子供は少し戸惑った後、わざわざ自分の四肢をくるくる見回してから返事をした。
「……はい」
頼りなくか細い声だったが、男の子のそれである。ふうと息をついた男は、夜八時を回ったこの公園、しかも酔っ払いが多いこの時期に一人ぼっちで子供がいることに、ようやく違和感を覚えた。
「お父さんかお母さんは?」
「……」
優しく接してあげたつもりが、子供は複雑そうな面持ちで黙り込んでしまった。
「えっと……一人で帰れる?」
「……」
沈黙の中で、例の酔っ払いたちの合唱が、いやに耳についた。
だんまりを決め込む子供に男は早くも愛想をつかした。何よりも、一刻も早く家に帰ってベッドにダイブしたいという気持ちが勝り始めた。自転車に跨ると、子供は顔を上げて何か言いたげな顔を見せたけれど、それはやはり男の視力では捉えられなかった。
じゃね、とペダルに足を掛けた男に、子供は拳を握り締めて、やっとこのことで声を出した。
「……ごめんなさい」
「ん? あぁ、いいよ別に。こちらこそ」
それを自転車にぶつかった事を謝ったのだと解釈した男は、ぷらぷらと手を振ってその場を後にしたが、その『ごめんなさい』にはもっと重大な意味も含まれていることに彼は気付かなかったし、その後子供が自転車が自転車置き場に収まるまでこっそりついてきていたのにも、当然気付かなかった。
*
今日はここまで。空行いれたほうがよみやすいかな?
自転車男。
彼の旧ひきで突然思いついて使ってたあだなですが、
なんかしら気にいってたので新ひきでもつかってみました。
パソコンって旧ひきって一発変換してくれないんですね(
一回やろかなと思ったら、けっこう衝動的に動いてしまうんです。
今回の件もそう。
すいむのことを前から知ってる人は
そういうとこがあるとこを分かってもらえるのではないでしょうか。
PCからです(どうでもえぇ
追記からひきものります。
暇で暇でしゃあない人だけどぞー
*
見上げると、空があった。故郷と変わらず、それは美しい。
澄んだ大気の青の中を、淡い桃色の花びらがひらりと横切った。
目を奪われた。そこがその、遥か彼方、おとぎの中の世界なのだと、ふとした実感が込み上げた。
少年は目を細める。
――綺麗だ。
1・英雄
1
夜桜の下で、自転車の男が子供をはねた。
『桜公園』という安直な名前で呼ばれるその公園の、大勢の花見客が宴会を楽しむ喧騒の中で、その小さな事故はさして気に留められなかった。頭にネクタイを巻いた中年男が何人か酔いつぶれて寝ている間に、また一人、子供が倒れこんだだけのことである。
自転車の若い男は、あぁまたしくじったと思った。去年のこんな夜にも、ヨレヨレといった様子で歩いていた男をはねてしまったことがあったのだ。だから公園のライトアップが始まってからは、バイトの店からアパートへの近道であるこの公園は、使うまいと決めていたのに。今日に限ってなんだか体調も悪いし、偉い人に小言を言われるしで、早く帰りたいという気持ちが先走ってしまったばっかりに。
ところが今年の場合は、去年のように別の男が赤ら顔を更に真っ赤にして掴みかかってくる、なんてことは起こらなかった。所狭しとまではいかないものの、至るところに陣取っているビニールシートの間からふらふらと現れた十いくつの子供は、それを避けようと慌てて進路を変えた前輪に吸い付くように、そしてどしんとぶつかって倒れた。それなのに、両脇のシートのサラリーマンたちはちらりちらりとこちらを見、何事もなかった顔で酒を煽り始めたのである。運転手の男はひとまず自転車を止めて、ごめん、大丈夫、と声をかけた。すると子供はちらりとこちらを見ると、むくりと起き上がって、いそいそと公園の出口の方へと向かっていくのだ。それも小走りで。
その様子に運転手は、ケガはなかろうと思いながらも自転車を押して子供を追いかけ始めた。
公園のところかしこで桜がひらりひらりと舞い落ち、二人の肩に頭に降りかかった。いくつかの陽気な歌声は複雑に絡み合って、どこかの現代音楽のわめきのように響いた。
出口まで差し掛かり、湿った地面を蹴る音が聞こえるようになって、男がそろそろ自転車に乗ってもいいだろうと思いはじめたとき、ふと子供は立ち止まって振り向いた。暗闇でも浮き立つ、色白で整った綺麗な顔をしている。その目が男を捕らえたとき、若干嬉しそうな表情を滲ませたのに、疲労によって視界さえ淀んできた男は気付かなかった。
「えっと、ケガなかった?」
今更ながらの質問に、子供は少し戸惑った後、わざわざ自分の四肢をくるくる見回してから返事をした。
「……はい」
頼りなくか細い声だったが、男の子のそれである。ふうと息をついた男は、夜八時を回ったこの公園、しかも酔っ払いが多いこの時期に一人ぼっちで子供がいることに、ようやく違和感を覚えた。
「お父さんかお母さんは?」
「……」
優しく接してあげたつもりが、子供は複雑そうな面持ちで黙り込んでしまった。
「えっと……一人で帰れる?」
「……」
沈黙の中で、例の酔っ払いたちの合唱が、いやに耳についた。
だんまりを決め込む子供に男は早くも愛想をつかした。何よりも、一刻も早く家に帰ってベッドにダイブしたいという気持ちが勝り始めた。自転車に跨ると、子供は顔を上げて何か言いたげな顔を見せたけれど、それはやはり男の視力では捉えられなかった。
じゃね、とペダルに足を掛けた男に、子供は拳を握り締めて、やっとこのことで声を出した。
「……ごめんなさい」
「ん? あぁ、いいよ別に。こちらこそ」
それを自転車にぶつかった事を謝ったのだと解釈した男は、ぷらぷらと手を振ってその場を後にしたが、その『ごめんなさい』にはもっと重大な意味も含まれていることに彼は気付かなかったし、その後子供が自転車が自転車置き場に収まるまでこっそりついてきていたのにも、当然気付かなかった。
*
今日はここまで。空行いれたほうがよみやすいかな?
自転車男。
彼の旧ひきで突然思いついて使ってたあだなですが、
なんかしら気にいってたので新ひきでもつかってみました。
パソコンって旧ひきって一発変換してくれないんですね(
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