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北海道に調査旅行に行ってきた時の写真をまとめて記事にしようと思ってるんですがなかなか。
カメラ下手自覚のある私にしては上手に撮れてるような気がするのが結構あるんで載せたい……んですが


それはさておき
どこまで公開したかちょっとわからなくなるくらいのげっしょく番外です
追記から~




















2→ http://kogu.blog.shinobi.jp/Entry/1309/
3→ http://kogu.blog.shinobi.jp/Entry/1314/









 跡形もなく消えたのは、どちらかというと、グレンだった。
 別れた場所で従順に待っていられたのは、かれこれ二、三時間くらいだったろうか。あれの言っていた意味を正しく認識するに至るまで、サボネアだったハリを傍に出して、僕はひたすら待っていた。こういう家を当たれ、と特徴を教えてくれたのは、つまり、そういう家を自分で探せという事だ。次はあの家に行ってこい、なんて、いちいち教えてくれる訳などなかったのだ。――ぼんやりそういう思考に至りながら見上げた空は、赤らんでいた。気付けば日が傾いている。
 こんな街中で、野宿は、ごめんだ。行こう、と落とした自分の声が自分でも驚くくらい低く沈んでいて、見上げたハリの目もきょとんとしていた。
 とぼとぼと坂を下っていく。暮れはじめの虚しさを孕んだ風が腹のあたりをじわりと冷やす。時折の鳥の鳴き声よりも、自分の重苦しい足音の方が、嫌に耳についた。
 そもそも、別れて宿を探したところで、その後どうやって合流するつもりだったのか。そんなことさえ決めていなかったことに気付くと、あの身勝手で奔放な男の実害の出る適当さに腹が立ったし、同時に「やっぱり合流する気なんてなかったんだ」ということを思い知った。端から僕を試そうとしていたのだ。持ち上げるなら、僕の特性を承知したうえで、克服と成長の機会を与えてくれた、と言うべきか。尚の事腹が立つ。
 教えてもらいはしたけれど話半分に聞き流していた『宿にしやすい家の特徴』を思い出せもせず、丘の麓の住宅地の、ぽつぽつと灯り始めた家明かりの中を、サボネアと二人、十五歳の僕はただふらふらと浮浪した。とある家の前で立ち止まっては、野宿、と心に唱えながら勇気を振り絞ってみるも、げっそりとしていたあの子の顔が矢庭に蘇れば、忙しかったら迷惑だしな、とその場を立ち去る、を繰り返す。そんなことをしていると、気持ちが野宿の方に振れるまでは、けっこうあっという間だった。





******

短い 腹が立つつってからうんにゃらかんにゃらうんにゃらかんにゃら言って結局「尚の事腹が立つ」で〆るとうやくんが割と好きです
このへんが本格的に書けない書けない言い始めた頃の文章になってくるのではないかと思います

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