忍者ブログ
Always Look on the Bright Side of Life
2024/04月
≪03月  1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30   05月≫
[1344] [1343] [1342] [1341] [1340] [1339] [1338] [1337] [1336] [1335] [1334
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。



してません


けど追記から七年前番外のつづきです~なにそれって人しかいない気がしますが!







5→ http://kogu.blog.shinobi.jp/Entry/1326/

Q.七年前番外とは
A.月蝕5章ハシリイ編の過去話的なやつです

Q.誰が出
A.15歳のトウヤとサボネアのハリとか何も変わってないグレンさん

Q.なぜクオリティ低
A.10割スマホ執筆

Q.なにが面白
A.知らん

思い出していただけましたか?いいえ!

私もどこまでアップしてたのか全然覚えてませんでしたというかここ上げてたんだと思ってました ずっと前に書いたから……でも執筆できてない時期だったのでこのへんが2013年書きおさめだったのかもしれない


~あらすじ~
水陣祭を見にハシリイにやってきたとうや(15)とサボハリは一緒に来てたグレン兄ちゃんに逃げられてしまった末コミュ障極めて森で野宿しようとしたらどうやらツチニンに追い返された模様





 ハリは危険を予知したのではなく、あの親切なツチニンに、これから何が起こるのかを聞き出していたのだろう。
 けれども当時は勿論腑に落ちず、まぁでも多分ツチニンにここは我々のテリトリーだから荒らすでないみたいなことを言われたんだろうな、くらいに思いながら、ハリの先導によって僕は森を抜けてしまった。さて、どうしよう。途方に暮れて空合いを仰げば、もう昼よりも夜の部分が、多めの幅を占めていた。
 僕たちが流れ着いたのは、街の北側の一角、噴水のある広々とした公園だった。翌日件の祭りの会場と化す公園内部は、人やらマリルやら出店やらで、それまでの僕の見てきたものとは一番と言える位に混沌としている。そういえばこの街は種族の偏りがやたらと激しい。街中は水鼠の数が圧倒的に多いのだ。誰しも彼しも、こぞってマリルをリードに繋ぎ、飼い主気分を満喫している。
 普通の状態で見るならば微笑ましい光景なのだろうし、僕だって微笑ましいと思いたかったのだけれど、けれど結構それどころでもなかった。笑顔と大声を惜しみなく放出する腹立たしいほど陽気な人々の間を、リードなんかに繋がれて無駄にうろちょろするマリルの間を、迷子のように僕は抜けていった。いや、確かに迷子ではあったのだ。でも認められやしない。
 数分もしないうちに賑やかさに完全に酔って、鈍い頭痛を堪えながら公園の隅へと退散した。
 僕は、グレンを探していたのだ。あの人混みの中で。敢えて苦手な人波に突っ込んでいった自分の愚かさと情けなさに、ほとほと嫌気が差す。あれがいなくては何もできないのか。公園の外れのベンチへとようよう腰掛けて、額を擦る。隣へとハリが飛び上がってきて無表情にこちらを見てきた。僕は心の中でそれに問う。ハリよ。情けないか。これがお前の飼い主だ。
 前夜祭なのだろうか、ただ単に浮かれているのか、公園の方から楽しげな音楽が聞こえてくる。それに乗る乱雑な歌声。無機質な電球を晒す出店の明かりと、向こうの木組みの塔のような小高い建物に並べて吊られた穏やかな橙色の提灯が、暮れなずむ雑踏に滲んでいる。
「惨めだな、僕達」
 ぼそりと吐いた声には、自分でも引くほど活気がない。ハリはまたこちらを一瞥した。
 これからどうするかなんて考える気力も失せつつある僕の前を、マリルがよたよたと横切っていく。僕達のほうをちらりと見て、小馬鹿にするような笑みを浮かべて。元からああいう口なのは知っているけれど、少し傷ついた。
 ああ。どうしよう。どうしたらいい。溜め息を堪えようとしたら代わりに欠伸が出た。眠気。いよいよ疲れも出てきた。肉体的にもそうだし、精神的にも十二分に。もういいだろ。馬鹿笑いをして指さしながら、とっとと僕の前に現われろ、性悪男め。いつになったら俺の腰巾着を卒業するんだ、なんて言えばいい……。結局大きな溜め息をついて、またハリに呆れ気味の目を向けられながら、僕は前かがみになって目を閉じた。本当に眠い。意識は急激に泥沼に落ちる。
 ――途端に引き戻されるに充分な違和感が耳を突くまでには、それから十秒の隙もなかった。
 最初は重低音。けれども注意を向ければ交じる甲高さを聞き分けるのは容易である。雑踏の品のない賑わいに紛れて、豊かな倍音を響かせる。テッカニンだ。ココウの周囲でも頻繁に見かけるから、その音をよく知っていた。しかし、何かおかしい。……見れば、今しがた通り過ぎようとしていた小憎たらしい口元のマリルが、酷い形相に成り変わってぴくぴくと耳を揺らしている。探せば、向こうでリードに繋がれているマリルも、その向こうでリードに繋がれているマリルも。もう人間に連れられて泰然と歩いているマリルは一匹もいなかった。引っ張られても動こうとせず、一様に険しい怒りの様相を浮かべて聞き耳を立てている。気づいていないのは人間ばかりだ。
 ハリが目を瞬かせながら僕を見る。その顔に連鎖的に蘇るのは、つい先ほどの森の中でのツチニンとの邂逅。黒々とした複眼は、幾百とも数えるくらいに、異様な多さで僕らを捉えていた。――違和感の正体に気付いて、ハリと目を合わせた。そうだ。一匹ではないのだ。ココウとは違う。
 つんざくような誰かの悲鳴が轟いてから、その大群が祭り前夜の会場を駆け抜けるまでは、本当に一瞬の出来事だった。
 例えるならば、雲か、煙か。物質を携える黒い突風、ぴんと背筋を緊張させて座ったままだった僕らの視界を、左から右へ、猛烈な速度で横切る。何かいると見えただけ遅い方だ。ココウには姿さえ視認できないようなレベルの高い野良もいる。あの時のツチニン達が成り立てた姿なのかもと一瞬考えた。が、そんなことはどうだってよくて、その大群が過ぎていった、その後の惨事が面白かった。
 人の多くは咄嗟に伏せていたから被害はないように見えたが、千切れ吹き飛んだ提灯や、煽られ引き倒されたほったての屋台や、地面に液体を撒き散らした宴途中の酒便の類。突風の後、あの煩わしかった賑やかしは完全に夢と化していた。それだけでない。例えようもない奇声が発される。人ではない。マリルだ。
 僕とハリとは目を丸めた。マリル達が――その公園に遊んでいた、殆ど全てのマリル達が、その愛らしい口からはちょっと想像もつかない咆哮を発して、空に水砲を打ち上げたのだ。
 虚空に向けて放たれ、入り乱れる水鉄砲の応酬。夕暮れの名残日を橙に弾いて細い水柱が幾重にも立つ。何事か。呆然とそれを見ているのは僕とハリだけではなくて、実は、その公園に突っ立っている多くの若者もそうだった。
 後から聞いたのだけど、この年は実に二十年ぶりの『当たり年』だったのだそうだ。だからこの『恒例行事』を実際に目にするのは初めてという人も多かった。それどころか、僕とハリは、過ぎし日のハシリイにおけるマリルとテッカニンの抗争なんて何も知らなかったから、ただポカンと目を合わせて――また羽音が来る。背後だ。素早く振り向いた時には目前だった。思わず声を上げた。
 黒い群れは仰け反った僕の頭の遥か上をすっ飛んで行く。もっと動体視力が良ければ数を数えられたかもしれないが、群れをなして飛んでいる、それだけ把握するのでいっぱいだった。大群が公園へと侵攻。マリルが絶え間なく打ち上げる水鉄砲の槍の中を、物凄いスピートで、的確に華麗に躱して、またあっという間に公園から去っていく。一匹たりとて撃ち落とされなかった。見事だ。テッカニンの勝ち、なんとなくそう思った。
 テッカニンの群れが去ったのは市街地の方向だった。マリルたちはリードを握る人間共を振り払うような勢いでそちらに向かい始める。僕とハリとはベンチに腰掛けたままそれをひとまず見送った。それから、公園で右往左往している人間たちが面白そうでもなかったから、ハリを見下ろす。こちらを見とめるハリの目はいつになく感情を示していた。うきうきしている。そんな感じだ。
「行ってみよう」
 問うと、ハリは右手を上げて肯定を示した。






*****
ちょっと長めでした 本編の進行度とリンクしてる!(どっちも更新しなかった言い訳
あんまり書いた時の事覚えてませんがトウヤが眠くなるところで私も眠くなってわけわからなくなってた事は覚えています 眠い眠いって書きすぎてて後で消しました
すっげー文章乱れてて今ちゃっと直したんですが今も眠くてアレなのでまた直しますといって直した試しはあんまりないんですが)^^( 続き書けるかな~本編先かな~なんかでもちょっとアップしてみてもいいなと思ってアップしました このアップが私の執筆意欲をアップさせてくれることを願います
なんか私の中でいちいちサボハリがかわいい あざとい

拍手

PR
この記事にコメントする
name
title
color
mail
URL
comment  Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
pass
secret (チェックを入れると管理人だけに表示できます)
カレンダー
03 2024/04 05
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30
アンケート
最新コメント
[06/03 きたのとら]
[06/03 浮線綾]
[03/08 すなば]
[11/12 もの]
[07/20 Brandonmub]
最新トラックバック
プロフィール
HN:
北埜すいむ
HP:
性別:
非公開
自己紹介:
神谷さんが好き。それ以外に説明はいらない。
バーコード
ブログ内検索
アクセス解析

Powered by Ninja Blog
template by Temp* factory    phot by FOG.
cat of model by Cat Cafeねころび

忍者ブログ [PR]