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Always Look on the Bright Side of Life
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年に一回恒例行事のブログ先行公開です


その前に!!!!その前にですね!!!!!サイトトップを変更したので!!!!!よかったらご覧になってください!!!!!
http://nekoanizya.hishaku.com/ ここです
いつもと同じ!?リロードしてみてください
重い!?ごめんなさい勘弁してください修正する暇……が……!




では追記からどーうぞっ!



←表紙絵も変えました









 振り向くと。――そこで空色の瞳と視線を合わせた瞳は、それもまた、青い空の色を湛えていた。
 ……ミソラは静かに目を細める。そこで突っ立っていた向き合うミソラの方も、すっと目を細め、不敵に笑んだ。
 それからぬるっと形を変えたかと思うと、次の瞬間にはもう、元のメグミの姿に戻っていた。
 これだけでいいんじゃないですかね、とミソラはちょっと心の中で思った。それから元に向き直ると、トウヤもまた、元のように机にごつんと突っ伏してしまった。
「あーやる気出ねぇ」
「まぁまぁそう言わずに」
「だーでもさあお前出るか? やる気」
「出ないですけど」
「出る訳ねぇじゃん前の更新二月九日とかだよ? 一か月とほとんど三週間ぶりの更新がエイプリルフールとか。ねぇだろ。やる気もねぇだろ」
 最早なぜ突然メグミがボールから飛び出したのかとかはどうでもよくて、気が付けばメグミはいなくなっていたし、テラもいなくなっていたし、その空間に取り残されたのはミソラとトウヤと哀れな机と椅子である、あとトウヤの手持ちの案山子草。トウヤはそこで三回連続くらいでため息をついた。ミソラはひとまず頬杖をついた。
「やる気出ねぇ」
「ていうか今年は先にネタバレするんですね、エイプリルフール更新だって」
「だってよぉネタばらしも何もどうせあれだろ、こんだけ毎年毎年毎年毎年おんなじようなことやってりゃあれだろ、読者様の方もさぁ、あのどうせさぁ、あれだろ、今年もあれだろ、とか冷めた気持ちで読まれるに決まってんじゃん、そもそも誰か見てるかも怪しい」
 トウヤは呪詛のようにぶつぶつと言った。
「こっちも冷めるわ」
「そんなん読んでる方にしたら知ったこっちゃねぇてめぇが勝手にやってんだろって話ですけどね」
「正直さぁミソラ、正直今面白いことしようと思う余裕とかないわけよ、あるけど、あるからやってんだけどこう頭がさぁ緩くならないっていうか余裕がないっていうかまさに余裕がないんだけどさ、何を隠そう求職中だからさ、今」
「求職してたんですか」
「してたよォそりゃあ働きたくはない、当然働きたくはないよ? でもさぁやっぱりホラあるじゃん世間体とか、肩書とかさぁ。ニートて。二十二歳のニートて。リアルすぎるわ」
「どうでもいいですけどキャラぶれてることはスルーですか」
「しかも今年はさぁハードル高いし」
「スルーですか」
「ハードルがさぁエイプリルフールの。僕の中で。去年色々やりすぎて」
「なんでしたっけ去年」
「お前あんまり出番なかったから覚えてないのな」
「……」
「あれじゃん、ほら、こう、デュエリストになってさ、カードがさ、グサッ! ジュワアアア! ってやつ」
「記憶にございません」
「あとタケヒロがCDデビューするやつとか」
「あー」
「ゼブライカのおっさんフィギュアとか、ヴェルの尻尾ストラップ応募者全員プレゼントとか」
「ありましたね……ヴェルの尻尾はちょっと欲しかったですね……」
「誰か作ってくんねぇかな……」
「一昨年のは覚えてますよ」
「さよなライオン出てきた年か」
「お師匠様キュウべぇっぽくなってました」
「色々やってんな」
「その前の年覚えてます?」
「いや……」
「プリキュアですよお師匠様がプリキュアに」
「あーあー(耳を塞ぐ)」
「毎年憑依芸ですね、憑依芸大好きですよね」
「好きだねぇ憑依芸」
「それで今年は作者の憑依芸ですか……」
「作者じゃねぇよ求職者だよ」
「求職者に対するイメージがよく分からないんですけど」
「はー職が欲しい……」
「はい……」
「都内で週休三日で九時出勤十七時退社残業無しで手取り二十万以上のホワイト事務職が欲しい」
「無理だろ」
「無理かな」
「というかあれですよね、こんだけ会話文並べるんだったらもうト書き的なあれにしたらどうですかね」
トウヤ「こう?」
ミソラ「そうです」
トウヤ「うーんでもこういうのってさぁ、こう、こういう形式ってだけで敬遠しちゃったりするような読者様も中にはいらっしゃったりいらっしゃらなかったりするって話を風の噂で聞いたり聞かなかったり」
ミソ゚-゚)ラ「じゃあ顔文字は?」
( ´_ゝ`)「いや俺お前みたいに自分の顔文字持ってないから」
ミソ゚-゚)ラ「一人称変わってますよ」
( ´_ゝ`)「今更だろ……」
(´<_` )「別に私は流石兄弟でもいいんですけど」
( ´_ゝ`)「見分けつかねぇ」
(´<_` )「ほんとですね……」
「てか顔文字小説とかト書き以下だろ流石に」
「素人のネット小説に上も下もありません!」
「はー職が欲しい」
「またそこですか」
「職が欲しいでござる」
「そんなに職が欲しいならおばさんの酒場継げばいいのではござらんか?」
「やはりお主もそう思うでござるか」
「はい」
「はい」
「はい」
「僕もちょっと思ってたんだよね……あれさ、おばさんってさ……」
「ゴクリ」
「独身……じゃんかよ……」
「……」
「永久就職……」
「そ、そこまでは言ってないです……」
「なんかでもエイプリルフールだったらそんくらいまではやらないと既に面白みがないかもしれないな……」
「毎度体張りますね……」
「僕とおばさんの……初夜……みたいな」
「お師匠様、アウトー」
「デデーン」
「追放されますよ」
「いや! 今年! は! 真面目に考えてたんだよ! まじで!」
「その結果がこれ」
「ちがうの! 間に合いそうにもないからこういうしょうもない形に」
「しょうもないですよね」
「僕とお前が喋ってるだけの光景になんの面白みが発生しようか」
「それで何やろうとしてたんですか」
「え、聞きたい?」
「やっぱりいいです」
「聞く? 聞く? ねぇ」
「結構です」
「僕たちがさぁなんかさぁこう、なんつうか、演劇……ドラマ撮影……撮影でさ、こう、中の人がいて……つまり役者……みたいな……感じで……そういう妄想ってよくするじゃん?」
「しないですね」
「僕は売れない新人俳優の仮面をかぶったフリーライターで」
「もうやめてください」
「A○B48の研究生であるレンジャー役の女の子と」
「……」
「……」
「……と?」
「ニヤァ……」
「それ口に出して言う効果音じゃないので、そもそも音じゃないので」
「みたいな糞みたいに長いのを書きたかったのよ駆け引きと没落のラブストーリーをさ」
「私の出番少なそうだからボツですね!」
「それでオチがさ」
「またスルーですか」
「ハリの背中にファスナーがあって、開けたらその中からおじ……」

 そこで二人はハリの方へと視線を移して――気付いてしまった。
 その背中に、一筋のファスナーが歪みなく迸っていることに。

「……」
「……」
「……」
「……」(椅子から立ち上がりハリの背後へ回っていくミソラ)
「お、おい……やめろ……」
「……」(そっと金具に手を掛けるミソラ)
「だめだ! 君はまだ知らないかもしれないけれど、世の中には決して見てはいけないもの知ってはいけないもの触れてはいけないものというのが沢山あるんだぞ!」
「お師匠様――」
 ミソラはカッと目を開き、叫んだ。
「目の前にファスナーがあるのに、それを下ろさない男がいますかッ!」
「……ッ!」


「……い、いや、よく分からない」
「えーいっ(じじじじじじ)」
 思い切りよくファスナーを下ろすと、そのノクタスの厚皮を脱いで中から勢いよく飛び出してきたのは、紛れもなく人間であった。
「……!」
「……!!」
「よっ」
「……」
「……」
「よっ、て」
「……?」
「……」
「よっ」
 そう言って三回片手を上げたのは、よく日焼けした浅黒い肌の色をした、タケヒロとかいう、ココウ在住の少年であった。
「よっ」(四回目)
ミソラ「お師匠様、まずは冷静になって台本形式を再導入しましょう」
トウヤ「あ? あ、ああ……そう……ああ……」
タケヒロ「おう」
トウヤ「ど、どう……一体……どう……どういうことだ」
ミソラ「何故ハリの中からタケヒロが……はっ、まさか」
タケヒロ「ふっ……ついに気付いたようだな」
トウヤ「まさか……まさか本当に……」
ミソラ「ハリ=着ぐるみを被ったタケヒロだったっていうの……?」
タケヒロ「よく考えてみろ、一度でも俺とハリが同時に描写されていたことがあったか!?」
トウヤ「な……!」
ミソラ「そ、そう言われてみれば……」
トウヤ「……」
ミソラ「……」
タケヒロ「……」
トウヤ「あったな」
ミソラ「2-5とか」
タケヒロ「うむ。つまりそういうことだ」
トウヤ「……」
ミソラ「……」
タケヒロ「うむ」
トウヤ「おいどうするんだよこの空気」
ミソラ「どうにかしてよタケヒロ……」
タケヒロ「うむ……こういうときは、レンジャーの姉ちゃんが落としてくれる!」

 タケヒロはそう言うと、舞台セットの袖で暇そうにお菓子を貪っていたレンジャーをびしっと指さした。

レンジャー「……へ?」
タケヒロ「落としてくれる!」
レンジャー「いやいやいやいや」
トウヤ「よかったな、出番だぞレンジャー」
ミソラ「レンジャーさん、おいしいところですよ!」
レンジャー「え、え……いや……私こういうの苦手だって知ってんでしょ……」
トウヤ「でもお前が落とさないと収拾つかないぞ」
レンジャー「ううう」
タケヒロ「じゃあ、じゃあお色気オチは!?」
レンジャー「何お色気オチって聞いたことないんだけど」
タケヒロ「バニーガールの格好で! セクシーダァァンス!」
レンジャー「は」
ミソラ「いいですね! セクシーダンス! 紅一点の存在感を活かすチャンス!」
レンジャー「存在感とか別にいらないから」
トウヤ「まぁセクシーダンスっつっても胸が残念だから残念セクシーだろうけどな」
レンジャー(高速でチリーンを投球)
トウヤ(素早い身のこなしで躱す)
タケヒロ「セクシーダンスが嫌ならセ○シーゾーンダンスでもいいぞ」
トウヤ「いいなそれ」
タケヒロ「シー! ハー! ハー! シッハッハッシー! ハー! ハー!」
トウヤ「ほら早く踊れよレンジャー」
タケヒロ「シー! ハー! ハー! シッハッハッシー! ハー! ハー!」
ミソラ「そろそろ僕らも帰らなきゃいけないので……(元の世界に)」
タケヒロ「キスをしよおおおおおおお」
レンジャー「無理……絶対無理……死んでも嫌……」
タケヒロ「アッ……アッ……」
トウヤ「別にセク○ーゾーンダンスじゃなくてもいいから」
レンジャー「私に無茶ぶりすんなって」
ミソラ「何か一発芸とか持ってないんですか?」
レンジャー「い、一発芸……?」
トウヤ「ほら早くやってみろよ」
レンジャー「……ッ、……」

レンジャー「……だ……だ、伊達眼鏡!」(さっと眼鏡を取り出す)












レンジャー「……」
トウヤ「……」
ミソラ「……」
タケヒロ「……」


トウヤ「……あ、ああ! 伊達! 嘘の日だけに!」
ミソラ「なるほどー!」
レンジャー「……(死相)」
トウヤ「あーっ、あーっ、ほら、あれだ、笑いは、笑いは連鎖だぞ」
ミソラ「そうですよもうひと押し!」
レンジャー「……伊達眼鏡!」(さっと眼鏡を取り出す)
トウヤ「もっと声を張って!」
レンジャー「伊達眼鏡!」(さっと眼鏡を取り出す)
ミソラ「もっと良い発音で!」
レンジャー「伊達眼鏡!」(さっと眼鏡を取り出す)
タケヒロ「シー! ハー! ハー! シッハッハッシー! ハー! ハー!」
レンジャー「伊達眼鏡!」(さっと眼鏡を取り出す)

 その時、ぱん、とトウヤが手を叩いた。
トウヤ「よし。解散」
レンジャー「え」
ミソラ「お疲れ様でしたー」
タケヒロ「ハシリイ出張遠かったな……」


(去っていく面々)


(取り残されるレンジャー)


「あ、あれ……私ってこんなキャラだっけ……」
 虚空の空間で、いつになく弱々しい声色は時を切なく震わせた。
 そっと眼鏡を取り出す。描写は省かれていたが、ピンク縁のハート形で明らかに伊達と分かる眼鏡を用意していた。そもそも視力は悪くない。レンジャーは黙ってその伊達眼鏡を掛けた。小さな顔に大きめのフレームは少し余った。
「――本当にまんまと踊ってくれるよ、奴らは」
 その背に響くは、低く、不可解な抑揚の、聞き慣れない男の声。
 口角が上がるのを女は抑えられなかった。そうね、と三音紡ぐ唇に、普段以上、年齢以上の妖艶な余裕が薄く香った。声の主が、すっ、とレンジャーの横に音もなく躍り出る。それは紛れもなくチリーンであった。
「その舞台が、我々の掌の上であるとも知らずに……」
 クックック、と体を揺らして笑うと、その様相から相反する涼やかな音色が滲み出る。
「実に滑稽だ」
「ええ。阿呆面で笑っていられるのも今のうち……そう思えば、どんなに不快な振る舞いも可愛いペットの粗相のように見えるわね」
 遠くへ焦点を結ぶ女の瞳を、チリーンの瞳が写し込む。
「世界を手にするのは我々だ。こんな場所はただの足掛かりでしかない」
「私達の、愚かな世界……」
 その時、あれらに、全ての報いを。
 想像はまさに愉快そのもの。目を細め口を開き高らかに笑う声は、終焉の序曲となって天空へと伸びていった。



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