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2024/04月
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バレンタイン前日ですーひきもの(※オフ小説でだれにもわかんないから君が知らなくても問題ない)で高ひきですー誰得ですー徹夜ですーふらふらですー
月蝕無理かなー^p^ついきからどうぞ
正直後半寝ながら書いたのでわやくそですいません 気が向いたら修正します
先に言っときますが読みづらいです あと気持ち悪いです








・高校一年冬
・笠原燈月、新木孝作、鈴鹿賢一、河合啓志の四人組は同じクラスでなんだかよくわからない友達
・新木は田舎から単身上京して一人暮らししている、そんな高校生
・燈月は甘いもんが好き
・鈴鹿の髪は黒い
・河合は背が高い
・今徹夜してたのがふいに目覚めた母親にばれてやばい(私が)




 新木孝作が追いかけてくる。
 燈月が逃げる。逃げる逃げる。ホームルーム終了直後の人通りの多い南校舎四階廊下を、ものすごい速さで駆けていく。足には自信があった。でも体力に自信がない。この二人の追いかけっこ、実は校舎二週目であった。ホームルームが終わって、河合啓志が嬉しそうに肩つっついてきて、ねぇ明日バレンタインじゃん、靴箱も机も綺麗にして帰らなきゃ、なんてばかげたことを、本当にお前馬鹿じゃん俺らならまだしも河合には絶対ないから安心しろなんて口が裂けてつい言っちゃった矢先に、ずかずか近づいてきて、がしと燈月の肩掴んだその男が、あんまりにも、例えば「俺お前のこと好きだ」とか言い出しそうなくらい気迫に満ちた切り詰めた表情だったから――まぁそれが新木だった訳だけど、それで燈月は自分でも訳も分からず逃げ出した。ホームルーム中にまとめておいたのを反射的にひっつかんできた通学用のサイドバッグが、背中の方でぼんぼん揺れる。邪魔だ。そんなこと思う間に、運動神経もそれほどよくないはずの新木が、ゼェゼェ言いながら必死の形相で迫ってくる。どうなってる。燈月は酸欠の頭で心当たりを探り続ける。何にも突き当らない。どんどん足が重くなる。あぁ憎むべき持久力のなさ。廊下に広がってしゃべくってる女子の間を左右かき分けながら抜けていく。新木の息遣いが迫ってくる。もう今日コイツどうなってんの!
 ついに伸びた腕が燈月の肩を掴んで、二人はそのまま取っ組みあった状態で廊下の上にひっくり返った。
 燈月はちょっと状況が理解できなかった。仰向けに転がった燈月に跨る格好で、新木がその両手首を制圧している。マウントポジション。いろんな意味で心臓があらぶっている、廊下を行き交う人の視線が、ああ視線が痛いよう……脳内イメージの世界ではほとんど涙を流しながら、燈月は眼前の男から顔を背けた。新木が近づいてくるよう。眼鏡の奥の瞳が異様な光彩を放っているよう。乱れた呼吸が顔にかかるよう……。なんだこれ。今日なんだこれ。新木は走ってのぼせたのか、それとも別の理由か、真っ赤な顔をして言った。
「燈月……実は俺」
「ちょ、何してんの」
 二人はばっと顔を上げた。そこにヒクッと笑っている河合と、明らかに不潔なものを見る目をしている鈴鹿がいる。まさに救世主。その時に限って、燈月には二人がゼウスに見えた。
「助けて!」
「へ?」
「ほっとけ。帰るぞ」
 黒いボサボサ頭のそいつが冷たく言い放って、でくのぼうの背中を押す。
 河合はにへらと笑った。あ、じゃねー、とぷらぷら手を振って河合が、そしてこちらを見もしない鈴鹿の背中が去っていく。そう、真の地獄に神など存在しないのである。
「ちょっと待てそりゃねぇよ俺ら友達だろ友達の危機だろー!」
 叫び声虚しく、新木は力無い燈月を無理やり引きずり起こすと、そのまま腕を掴んで男子トイレへ連れ込んだ。
 下校前に用を足していた男たちが、どうにも雰囲気のおかしい二人連れが揃ってひとつの個室の中に消えていくのを見届けて、青い顔をして、いそいそとその場を離れていった。
 ドアが閉まった。暗がりの個室の中で出口の向かいに追いやられた燈月は、なんとか距離を取ろうと便器の横の空間に体をねじり込んだ。がちゃり。新木が後ろ手に鍵を閉めた。
「い……いやいや、いやいやいやいや、あああ新木? 新木くん?」
 自身が錯乱しているのは燈月もよく分かっている。でもそれよりも目の前の男の頭の中が心配だった。逆光で黒ずんで見える新木の顔が、その中の二つの光が、獣のようにぎらついている。なんだこれ。なにこの状況。ヤダ、貞操の危機? ケータイ小説のワンシーン? 俺これでも男の子なんですけどねハハ、新木がずいと迫る、ハハッいやだから男だっつうのお前も男だろうがしっかりしろ気を確かに持て!――驚きのあまり言葉が全く声にならない燈月の前に差し出されたのは、彼の携帯電話であった。
「は」
「見て」
 見た。液晶の中にあるのは、可愛らしい小箱に収まった綺麗な焼け色のガトーショコラだ。
 燈月はそれから新木を見た。己より少し背の高い彼は、てんで真剣そのものである。
「……、が?」
 彼の反応を待っていたかのように新木は携帯を戻し、ぽちぽちいくつか操作すると、もう一度燈月の方へと差し出した。それを覗きこむ。それは一通のメールであった。
 
    差出人:小町
    件名 :Re2:
    本文 :
         バレンタインのチョコ
         送ったょ
         14日にわとどくと思う
         超がんばったけど
         あんまり期待しないでね
         東京でがんばってる
         こちゃん
         こまちの愛とどけ
 
「……よ、よかったね……?」
 そんなものを見せつけられてどうしていいのか分からない燈月が適当な言葉を返すと、新木は大げさに溜め息をつき、ぱたんと携帯を閉じて肩を落とした。
「なぁ、俺、これにどう返信したらいいと思う?」
「……え、え?」
「いやさ、これってさ、彼女14日にケーキ届くもんだと思ってるよね? 俺の手元にはもう手作りケーキがあるんだよ。これってもう届いたよありがとうおいしかったって返したらがっかりするよね? でも嘘つきたくないんだ、俺」
「……あ、あぁ……なるほど……」
「分かってるんだ、幸せな悩みだって……日本には河合みたいにチョコが貰えなくて苦しんでる人もたくさんいるっていうのに」
「お前……」
「でも俺さ、真剣に悩んでるんだ、こんなに。14日まで待って返したらいいのかな? でもなんていうか、俺流ルールというかさ、半日以上メール返信滞らせないって決めちゃってるから、不安にさせちゃうかも……どう思う?」
「お前……いや、俺か……俺……俺バカだわ……」
 そう言ってへなりと便座の上に座り込んだ燈月の肩を、新木はすがりつくようにもう一度掴んだ。
「なぁ頼むよ、どう返したらいいかな俺」
「なんで俺に聞くのそれ」
「えーだって、あの三人の中で言ったら燈月が一番こういうの分かってそうだし」
 そりゃそうだ、と燈月は残りの二人の顔を並べた。鈴鹿がお勉強以外にほとんど興味を示さないのは今に始まったことではないし、河合はおよそゲームの中の彼女としかお付き合い経験がない。
「あー……」
「それに、こういうこと相談できるの燈月だけなんだよ」
 燈月は懇願する彼を一瞥すると、しぶしぶと再び携帯の画面を覗きこんだ――その相談をなぜ便所の個室でやる必要があるのかはちっとも分からなかったが、そんなことこのノロケ男に問いただす方がどうにもくだらない気がした。うーんといささか唸ったフリをして、燈月は用意していた答えを返す。
「楽しみにしてるーって送って、14日になったら届いたよーありがとーだいすきーってすればいいんじゃない?」
「でも、俺、地元にカノジョ残してきたじゃん。遠距離って、なんっていうか、会えない分、あんまり嘘ついちゃいけないような気がするんだよね」
「でもいる嘘もあるよ」
「そうかな……」
「あるある。他人のこと好きでいるにはさ、良い嘘が時には必要なんだって」
 言ってから自分の台詞から漂うアレやコレに辱しめられつつ、どう、と燈月は顔を上げる。うん、と新木は頷いた。そうしてぽちぽち返事を打ち始めた。まだ個室から出してくれる気はないらしい。
 電波の向こうの彼女を思って文面をつくる恋する新木の顔を眺めながら、燈月は先程自分が吐いた言葉について考えていた。良い嘘。常日頃嘘ばかりついている。鈴鹿にも河合にも、もちろん新木にだって、そうだ。付き合いの長いミーナや『オバサン』『兄弟』にだってそう。そんでも、その嘘は良いとか悪いとかじゃなく、ただ単に保身のためのそれであって。
 送信、と呟いて送信ボタンを押した新木は、満足気に微笑んで、助かりました、と小首を傾げた。燈月はその手から携帯電話を奪い取った。新木が覗きこむ前で、燈月は慣れない手つきで、新規メール作成画面を呼び起こした。
 
 
 
 
「――ウワッ、妹からパシリメールきた。板チョコ買ってこいだってさ」
 下駄箱の前で念のため自分のの埃を落としつつ携帯を見やる河合の横で、心底どうでもよさそうに、あっそ、と返事をする鈴鹿は、トントンと靴を履きながら呟いた。
「あいつらあそこで何してたんだ?」
「えっ、いや、今更?」
「ヤバイ関係なのか」
「ないない、ってかあるとすげぇ困る!」
 笑いながら送った目線の先で、鈴鹿は上履きを下駄箱に戻して、そのまま立ち去ろうとしている。
「鈴鹿」
「何」
「下駄箱掃除しないの?」
「どうして」
「どうしてって、ホラ明日……」
 その時ポケットで鳴りだしたバイブに、河合はうんざりした顔で再び携帯を取り出した。
 ぱかと開いて見た画面に、あれ、と声を上げる。鈴鹿は怪訝そうな視線を送った。
「新木だ」
「なんだって?」
「あ、いや、燈月だ」
「燈月?」
 二人で小さな画面を覗きこむ。差出人は新木孝作、しかし件名欄に「ひつき」と書かれたメールの白と黒だけの本文には、「さっきはああ言ったけど、明日は大きい袋もってきたほうがいいよ!」とだけ綴られていた。
 どういうことだ、と首を傾げる鈴鹿の隣で、河合は笑い声を上げた――その時、鈴鹿はふと鞄に手を突っ込んで、すぐに引き出した。その手に握られた携帯の画面が光っている。
「こっちも燈月からだ」
「えっ、何何」
 河合が覗きこむ前に、鈴鹿がその文面をつらつらと読み上げる。
「明日はバレンタインだね、言い忘れてたけどお前明日大きい袋もってこいよ、一応俺も持っていくけど、お前多分今までのバレンタインと比べ物にならないくらい山のような甘いもの貰えるから、鈴鹿甘いもん嫌いだよね、大丈夫俺が貰ってあげるから、一対三くらいで山分けしよう、じゃあね明日楽しみにしとくね――なんだこれ」
 理解に苦しむと言わんばかりの鈴鹿に見えない位置で、こいつ鈴鹿にだけマジじゃねぇかよ、と河合はこっそり呟いていた。
 





お付き合いありがとうございました。まじで私も読み返してません。起きてから後悔します
なんだったんかっていうと高校生の燈月は携帯を持ってないんだって言う話でした。

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