Always Look on the Bright Side of Life
タイトルの通りです。
8月9月連載サボってなにしてたかって、ポケモンストーリーテラーフェス http://storyfes.php.xdomain.jp/novels/ さんに二作品投稿させていただいていました。書いたのはもう結構前になるので語りたいこともだいたい忘れてしまった感はあるのですが、ざっくりと感想&反省会を残しておきます。追記から~~~
ちなみにこれを書いているのは結果発表日のお昼で、まだ結果を知らないドキドキ状態なのですが、結果出て感想いただきすぎてからだと多分ちゃんと書けないと思うので今のうちに書いておきます
■A部門
SNEAK in the Shadows!!!!!
http://storyfes.php.xdomain.jp/novels/
四年振りっすよ、四年振りに短編を書きました。企画参加は5年ぶりです。
これはねえ制作過程に関しては正直本当にいい思い出がないです!!!難産難産アンド難産でした 呻き苦しみながら書きました こんなハイテンションの文章を呻きながら書いている地獄のような光景よ
心底楽しかったのは投稿直前に場面区切りの
・ ● ■ ■ ■ ■ ● ・
(小ゴース、大ゴース、リモコン、スニーク、ミタナァ、アッチッチ、大ゴース、小ゴース)
を考えた後、最後アリスが合流したあと
・ ● ■ ■ □ ■ ■ ● ・
こう変化するのを書いたときくらいじゃないでしょうか でも誰も突っ込んでくれない(憤怒
・元ネタ
影もまた真なり/神谷浩史
http://sp.uta-net.com/song/213372/
リンク先歌詞です 音源を聞いていただけないのが残念!
今回の作品は私の中で結構特殊で、話を考える前に先に脳内PVが出来上がるという謎の制作過程を辿りました。この曲と出会ったのは多分今年の春くらいで、原型はその頃からいつか書こうと思って温存してたものです。
歌詞そのまんまやんけっていうくらい曲から生まれた作品です、特に二番。リスペクトを込めてタイトルをそのまま使わせてもらいたかったんですが、タイトル検索されたら歌手名で一発で身バレするので断念しました(結果タイトルは今のが良かったかなと思っている)。代わりに出来るだけ歌詞を詰め込むことに腐心しました。
曲調もちょっとレトロなかっこよさとダサカワイさが共存してて大好きです。キャラや文章のポップな雰囲気は曲調から生まれました。曲が好きすぎて、ちゃんとした歌手の方にカバーしていただきたいなと思っている事は秘密。
ということで、温存してたネタだったんですよ。ここ数年持ってた短編ネタでは圧倒的に一番お気に入りの、秘蔵っ子のような大事なネタでした。スーツを着ている顔のない影が、スキップを見られるところからの出会い。二度と会えないかもしれない的な、ずっと足元に控えている影だ的な。ちゃんとあっためて、いつかきっちり満足のいくオチが思い浮かんだときに、形にしよ~って思ってたんです。
実はっていうかお察しかもしれませんが、5万字超える中編くらいになるかな~と思ってたんですよ。
今回大会には別のネタで行こう思ってたんですが、どうもそれが形にならなかったんですよ。でも何か出したいっていうことで悩んだ末、一番書きたいもの・書けそうなものを書こうってことで、まだ固まり切ってないこのネタを投入することにしたのです。
場面を削って飛ばして、キャラも削ったりしました(そもそも主人公はカクレオンでした。でもゴーストの中にカクレオンがいる点についてから話し始めたら完全に字数足りないので退場してもらいました、ゴメンナ)。最初はスニーク、ミタナァ、リモコン(ラジオのくだりを入れるため新規投入)の三人組で行こうと思ってたんですが、アッチッチという名前を思いついた瞬間にアッチッチが削れなくなってしまいました。
ってことで色々と変更がありゴタついて、ゴタついたのを整理する間もなく書きだしたので、充分に煮詰め切れなかった、半煮え。物語が加速するまで字数を要しすぎてることや、アリスのサビエルに対する思いの布石をほとんど撒けず終盤にどどっと説明せざるをえなくなったこと、光と影は別の世界で生きるしかないでやんすみたいな話だったのにアリス幽霊オチでは何も解決してない気がするとか(これに関して言えば前向きな解釈もできるけれど)、結局色々と後悔が残ってます。『PV』は作れていても『プロット作成』に費やせる時間があんまりなかったので自分の中でシミュレーションが足りず、筆が乗らなかったんだろうなあと思う。展開のまずさを文章の勢いでぶっ飛ばすような書き味でした。お気に入りの温存ネタだったこともあり、時間を置いて読み返して尚、結構悔しさが残ります。
大事に大事に温めたかったネタを、企画用にリサイズしたけど、100%の精度でリサイズできなかった、っていう後悔、ですかね。ううんやりきれなかった。悔しい。
でも、このネタでなければ今回出せなかったことも多分事実なんだ。仕方ない。ひとまず、数年ぶりに短編を仕上げられたことに関しては、自分を評価してやりたいところ。
しかし『きらきら』に似てますよね。私もプロット段階できらきらに似てると思いました。ポケモンが集まって皆で力を合わせてラストシーン走って向かっていく感じとか完全にきらきら。あまりにもきらきらすぎるのでちょっと書くのを躊躇ったレベルです。
ジャンルとしては、私の持ち球では直球よね。剛速球ですよ。ストレートで勝負しました。
まあジャンルはね。文章は完全に魔球でしたけどね!!!
・その他の元ネタ
ポケモン名→僕はポケモンにアホみたいな名前をつけるのが好きなんだ。ミタナァとアッチッチがめっちゃお気に入りです。スニークは上記歌詞から頂きました。
サビエル→それっぽいファミリーネームが思いつかねえな~まあ書いてから考えるとして仮名をどっかから取ってくるか、ってことで、某カープ選手から取ってきました(あまりフルネームでコールされる選手じゃないのでバレると思ってなかった)実はこの選手のサビエルはファーストネームなんですが、あの偉人のザビエルってラストネームじゃないですか。だからいいかなって思ったんです。基準ガバガバです。仮名のはずだったんですが書いてるうちにしっくりきてしまいました。
ライムライト→歌詞から。この歌詞のライムライト、おそらく映画のライムライトだと思うんですよ、チャップリンだっけ。そんで映画を見て参考資料にしよ思うてたんですが、諸事情あって見られませんでした。替わりに動画検索して出てきたのが
Limelight / Terry's theme ライムライト / テリーのテーマ https://youtu.be/A9H3EdB85Ps
これなんですけどね、1分50秒くらいにバレエダンスのシーンがあるんですよ。それを見てあまりにもうっとりして、アリスがバレエダンサーになりました。
ウェットティッシュ→それっぽい町の名前が思いつかねえな~まあ書いてから考えるとして仮名をどっかから取ってくるか、ってことでテーブルの上を見渡した私の目に飛び込んできたものは……あっ(察し)
・文章
企画ページ自作コメ欄にも書いたんですが、内省的で美しい厚みのある作品では絶対敵わねえなと思ったんですよ。それは文章もまた然りなんですよ、表現力で真っ向勝負したら太刀打ちできない人が多すぎる。よって変化球を投げました。いやまあ嘘なんですけどね。
実は、最初は全編普通に書いてたんです。が、推敲段階で
>足は、ちょっと短いけれど……顔立ちはハッキリしているし。腹も、ちょっとだけ、出ているけれど……包容力が、もう、すごいのだ!
ここを一旦こうしてみた瞬間に、色々と止まらなくなりました(実話)。海外児童書みたいと仰ってくださってる方がいらして大変恐縮なのですが、「メインキャラだったカクレオンを削っちゃったのが申し訳ないから、カクレオンに語らせてる設定で行こう!」というノリで生まれたのがこの文章です。
自分としても、あんまり書いたことのない文体です、挑戦でした。こういうノリの文章が(特にポケノベルじゃない出身の方々に)受け入れられるのかどうか結構心配してました。思ったよりも多くの方に好感触頂いているようで、ほっとしてます、今のところは(開票前)。
いやまあ書くのは超大変だったんですが、「……」とか「――」とかを思う存分散りばめられたり、エクスクラメーションをいっぱい重ねられたり、改行や空行を惜しみなく使いまくったりと、普段連載で出来ないような文章表現をしまくれたのは、結構楽しかったです。普段抑圧されてる鬱憤が晴れてスッキリした的な。お陰様で連載の文章に戻るのに苦戦しました。
・総括
とにかくね、ミタナァが新しいスーツを渡すところと、一番最後アリスがパパに手を振るところが、書きたかったんですよ!!!!!私はね!!!!!!!!そこが書けたから満足なんですよ!!!!!!!!!!!!!!好きなシーンは本当に多いなあ!パーティーシーンはもちろん、アリスが飛び降りてきて一緒に踊るとこ、スニークに対するミタナァの叫び、「そうでやんす、毎日楽しいでやんす!」、あとラジオで誘拐予告のシーンとアリスの反応、そして弟子たちを片手で制する何もかも分かってるサビエルパパが大好きだ~~~~!!!!あと何回も言いますが普段やれないようなネットっぽい文章表現をいっぱいできたのは本当にそれなりに楽しかった……そして書くのに苦戦しました
いっやあもう本当に難産でしたねコイツはね 生みの苦しみですわ お気に入りネタだけあってキャラにも物語にも愛着が深いし、苦しんで産んだ分だけ愛してるんやろって言われるとそれもそうなんですが、個人的に『きらきら』を越えられなかったと思ってるのがやっぱ悔いが残ります。でも読み返してみて、後半は我ながら面白くできてたかな。
なんかねえ、ツイッターで知ってる人や知らない人が「泣いた」って仰ってくださってるのを見て、私も普通に泣きました。いっぱい名前を呼んでもらったり、ファンアート書きたいとか朗読したいとか仰っていただけ、作者冥利に尽きます、キャラも浮かばれます(浮かばれていいのだろうか)。書いてよかったです、ホントに。大会の中ではかなり長めの作品になりましたが、読んでくださってありがとうございました。
*
そんな『SNEAK in the Shadows!!!!!』を7割くらい書き終えた頃、運営のめめさんがツイキャスをされていたんですが、そこでとんでもないことを耳にしたんです
「Aは制限3万字、Bは1万字やで」
な、な、な、なんだって……!? 人の話を聞かないことに定評のある私くん、実はそれまでBも三万字書けると思っていました
というのも、私Bに大作が集まるものとてっきり思っていたんです。Aは三題噺で温存ネタを使いやすいとはいえ、お題にまあまあクセがあるので、Aの方がネタ作品、Bの方が真面目作品って感じになるかなあ思うてたんですよ(まあ結果は……)。そんでAの方が順位狙えるやろ思うてたんです。でもBの方が字数少ないんだったらAに大作がバカスカ投稿されている事は分かり切ってることですよね。まあ私その瞬間まで分かってなかったんですけどね。スニーク(初稿7割)の難産っぷりに自信を失っていた私はこれから起こる悲劇を確信した。そして思ったんです――じゃあBも書こう、ってね。
というのが半分、めめさんがそんときのツイキャスで「30作は欲しいなあ」と仰ってたのが半分。作数に協力したろという気持ちも結構あったんですが、結果42作も集まったんだから凄いよね。
ってことで書いたのが
■B部門
ふじのしま
http://storyfes.php.xdomain.jp/novels/27.html
え~これは最高に楽しく書けました!!! 楽しかった思い出しかない
企画ページの感想欄に書いたことが全てなんであんまり書くこともないんですが……じつは制作過程もよく覚えていません一瞬の出来事すぎて……スニーク書き上げてなんか絵とか描いてその後「じゃあB書くか~!」つってひゃっはあたのしいいいいwwwwwwwwwwつって気付いたら書き終わってました(実話)
作者ハピエン厨です。バッドエンドを書いたことがないってことはないんですが、もう長らくないのは事実なので、考えるだけで結構楽しかった。バッドエンドたのしいっすね。かわいい子を沈めるのはちょっと良心が痛んで胸糞な後味になりそうですが、こういう無能モブ少年だったらお前が悪いんやで……って思いながら沈められるので気持ちいいですね。この楽しさは癖になりそうです。
テーマ「ふじ」を作品の真ん中にもってくるのが難しくて、最初は「不時着」を中心にしようと思ってたんですがうまくいかず、「じゃあいっぱい突っ込んでテーマの薄さを誤魔化したれ!」とたくさんたくさん突っ込みました。この過程も楽しかった~。
この作品は特に文章が気に入ってます。スニークは「いつもやらない文章表現」にかなり特化していたんですが、こっちは逆に「いつも通りに自分が好きな文章で書く」という感じで書いたので、連載読んでる方にはリズム感とかでバレるかなあ思うてたんですが意外とバレなかったですね。月蝕も書きたい放題やってる訳じゃないからかな。
今作品の冒頭シーンとラストシーンの文章のリズム感は本当に性癖でお気に入りだし、頭から終わりまで筆が躍るわ躍るわって感じでした。躍るわ躍るわって感じの上に、(字数制限にひっかかって)字数の割に推敲・言葉の選抜をじっくり行う事ができたので、個人的にはかなり隙の無い仕上がった文章になってます。伏線・回収の流れも我ながら綺麗に敷けたかなあと。かなり理想に近い短編が作れました。自画自賛自画自賛。
書くのは一瞬だったんですが、こういう話にしようと決めてから、マップを調べたりマボロシじまに関するウワサとか集めたりするのにはそこそこ時間使いました。取材って意味では3万字近いスニークと同じくらいは時間取れたのかもしれません。ゲームのマップを利用してお話を書いた経験が多くないので(ゼロではない)、新鮮で楽しかったです。
なんだろう、一発屋ネタ芸人みたいな作品、って企画コメ欄に書いたんですが、まさにその通りと思っていて、こういう企画でストーリー性や訴えるものの薄い作品が高評価得られるのか?というのは結構疑問なんですが、まあこっちに関してはね、自分が満足しまくってるから完全にオッケーです。皆がそーなのそーなの言ってるの見てソーナノばりにニコニコしてました、ありがとう。テーマ「ふじ」に特化しすぎてよそに投げづらいのだけがネックです。
*
以上!
ひっさびさに短編が書けて、本当に嬉しかった~。また企画があったら参加したいなあと思います。お疲れ様でした!開票が楽しみだぜ(開票日13時現在)。
*
開票後(http://storyfes.php.xdomain.jp/result.html)
ええええええええええええ……(動揺)
とんでもなく身に余る結果を頂いてしまいました……これは……夢なのか……そうなのか……まだ長い夢を見ているのか
今回、まああの、正直、どっちも本気で上位を取りに行こうとは思っていました。ただ凄くレベルの高い大会で、負けたわと思った作品も何作もあり、周りの評価を見ても疑心暗鬼というか、どっちか3位以内くらいに入れれば御の字やなあと思っていたんです。えええええ……。
頂いた感想を拝読したり、ツイッタでおめでとうと言っていただけたりして、ちょっと実感が湧いてきました。そしてこんな色々全力で台無しにするような反省会をアップしてええんやろうかと真剣に悩み始めました。でも投げます。これが真の姿だからだ スニークは、もっと、私好みに、出来たはずなんえす!!! まあ私好みに出来た結果票がどうなってたのかは分かりませんけどね!!
いやほんとに夢じゃないんですかね 夢なら醒めてって感じなんですけど 私明日からカープとか刀とか女装とかBLの話で普通にTLを荒らしてええんやろうか まあ荒らしますけど(断言
凄いなあ。なんか……いや……ほんまに……夢みたいな出来事ですわ
感謝感謝です。読んでくれた全ての方に、投票してくれた全ての方に。運営のめめさん、灰戸さんにも!
本当にありがたい結果を頂きました。何書いていいのか分からなくてあんまり呟けてませんがめっちゃ喜んですます。嬉しい。ありえん。こんなことがあっていいのか。
でも、ちっとも満足したくないです。
いや、本当に。ぼかぁ絶対にもっと良い作品を作ってやりますよ。とらとまだ面白い作品出せるのかよって言わせてやりますよ。精進します。ほのぼのもキャラ小説ももっと極めたいし、今度はもっと、別のジャンルでも、上を目指してやるぜ(一位とは言わないけど!w)!
*
とりあえず明日からは連載マンに戻りますけどね!できれば連載も読んでくれよな!!!!
また企画があって、上手く連載の流れの隙間に嵌めることができたら、チャレンジしてみたいなと思います。一緒に楽しんでくれたすべての人、本当にありがとう!!!めっちゃタグ騒がしてすいませんでした!!!wwwあ~~~~~ったのしかった~~~~~!!!!!!
8月9月連載サボってなにしてたかって、ポケモンストーリーテラーフェス http://storyfes.php.xdomain.jp/novels/ さんに二作品投稿させていただいていました。書いたのはもう結構前になるので語りたいこともだいたい忘れてしまった感はあるのですが、ざっくりと感想&反省会を残しておきます。追記から~~~
ちなみにこれを書いているのは結果発表日のお昼で、まだ結果を知らないドキドキ状態なのですが、結果出て感想いただきすぎてからだと多分ちゃんと書けないと思うので今のうちに書いておきます
■A部門
SNEAK in the Shadows!!!!!
http://storyfes.php.xdomain.jp/novels/
四年振りっすよ、四年振りに短編を書きました。企画参加は5年ぶりです。
これはねえ制作過程に関しては正直本当にいい思い出がないです!!!難産難産アンド難産でした 呻き苦しみながら書きました こんなハイテンションの文章を呻きながら書いている地獄のような光景よ
心底楽しかったのは投稿直前に場面区切りの
・ ● ■ ■ ■ ■ ● ・
(小ゴース、大ゴース、リモコン、スニーク、ミタナァ、アッチッチ、大ゴース、小ゴース)
を考えた後、最後アリスが合流したあと
・ ● ■ ■ □ ■ ■ ● ・
こう変化するのを書いたときくらいじゃないでしょうか でも誰も突っ込んでくれない(憤怒
・元ネタ
影もまた真なり/神谷浩史
http://sp.uta-net.com/song/213372/
リンク先歌詞です 音源を聞いていただけないのが残念!
今回の作品は私の中で結構特殊で、話を考える前に先に脳内PVが出来上がるという謎の制作過程を辿りました。この曲と出会ったのは多分今年の春くらいで、原型はその頃からいつか書こうと思って温存してたものです。
歌詞そのまんまやんけっていうくらい曲から生まれた作品です、特に二番。リスペクトを込めてタイトルをそのまま使わせてもらいたかったんですが、タイトル検索されたら歌手名で一発で身バレするので断念しました(結果タイトルは今のが良かったかなと思っている)。代わりに出来るだけ歌詞を詰め込むことに腐心しました。
曲調もちょっとレトロなかっこよさとダサカワイさが共存してて大好きです。キャラや文章のポップな雰囲気は曲調から生まれました。曲が好きすぎて、ちゃんとした歌手の方にカバーしていただきたいなと思っている事は秘密。
ということで、温存してたネタだったんですよ。ここ数年持ってた短編ネタでは圧倒的に一番お気に入りの、秘蔵っ子のような大事なネタでした。スーツを着ている顔のない影が、スキップを見られるところからの出会い。二度と会えないかもしれない的な、ずっと足元に控えている影だ的な。ちゃんとあっためて、いつかきっちり満足のいくオチが思い浮かんだときに、形にしよ~って思ってたんです。
実はっていうかお察しかもしれませんが、5万字超える中編くらいになるかな~と思ってたんですよ。
今回大会には別のネタで行こう思ってたんですが、どうもそれが形にならなかったんですよ。でも何か出したいっていうことで悩んだ末、一番書きたいもの・書けそうなものを書こうってことで、まだ固まり切ってないこのネタを投入することにしたのです。
場面を削って飛ばして、キャラも削ったりしました(そもそも主人公はカクレオンでした。でもゴーストの中にカクレオンがいる点についてから話し始めたら完全に字数足りないので退場してもらいました、ゴメンナ)。最初はスニーク、ミタナァ、リモコン(ラジオのくだりを入れるため新規投入)の三人組で行こうと思ってたんですが、アッチッチという名前を思いついた瞬間にアッチッチが削れなくなってしまいました。
ってことで色々と変更がありゴタついて、ゴタついたのを整理する間もなく書きだしたので、充分に煮詰め切れなかった、半煮え。物語が加速するまで字数を要しすぎてることや、アリスのサビエルに対する思いの布石をほとんど撒けず終盤にどどっと説明せざるをえなくなったこと、光と影は別の世界で生きるしかないでやんすみたいな話だったのにアリス幽霊オチでは何も解決してない気がするとか(これに関して言えば前向きな解釈もできるけれど)、結局色々と後悔が残ってます。『PV』は作れていても『プロット作成』に費やせる時間があんまりなかったので自分の中でシミュレーションが足りず、筆が乗らなかったんだろうなあと思う。展開のまずさを文章の勢いでぶっ飛ばすような書き味でした。お気に入りの温存ネタだったこともあり、時間を置いて読み返して尚、結構悔しさが残ります。
大事に大事に温めたかったネタを、企画用にリサイズしたけど、100%の精度でリサイズできなかった、っていう後悔、ですかね。ううんやりきれなかった。悔しい。
でも、このネタでなければ今回出せなかったことも多分事実なんだ。仕方ない。ひとまず、数年ぶりに短編を仕上げられたことに関しては、自分を評価してやりたいところ。
しかし『きらきら』に似てますよね。私もプロット段階できらきらに似てると思いました。ポケモンが集まって皆で力を合わせてラストシーン走って向かっていく感じとか完全にきらきら。あまりにもきらきらすぎるのでちょっと書くのを躊躇ったレベルです。
ジャンルとしては、私の持ち球では直球よね。剛速球ですよ。ストレートで勝負しました。
まあジャンルはね。文章は完全に魔球でしたけどね!!!
・その他の元ネタ
ポケモン名→僕はポケモンにアホみたいな名前をつけるのが好きなんだ。ミタナァとアッチッチがめっちゃお気に入りです。スニークは上記歌詞から頂きました。
サビエル→それっぽいファミリーネームが思いつかねえな~まあ書いてから考えるとして仮名をどっかから取ってくるか、ってことで、某カープ選手から取ってきました(あまりフルネームでコールされる選手じゃないのでバレると思ってなかった)実はこの選手のサビエルはファーストネームなんですが、あの偉人のザビエルってラストネームじゃないですか。だからいいかなって思ったんです。基準ガバガバです。仮名のはずだったんですが書いてるうちにしっくりきてしまいました。
ライムライト→歌詞から。この歌詞のライムライト、おそらく映画のライムライトだと思うんですよ、チャップリンだっけ。そんで映画を見て参考資料にしよ思うてたんですが、諸事情あって見られませんでした。替わりに動画検索して出てきたのが
Limelight / Terry's theme ライムライト / テリーのテーマ https://youtu.be/A9H3EdB85Ps
これなんですけどね、1分50秒くらいにバレエダンスのシーンがあるんですよ。それを見てあまりにもうっとりして、アリスがバレエダンサーになりました。
ウェットティッシュ→それっぽい町の名前が思いつかねえな~まあ書いてから考えるとして仮名をどっかから取ってくるか、ってことでテーブルの上を見渡した私の目に飛び込んできたものは……あっ(察し)
・文章
企画ページ自作コメ欄にも書いたんですが、内省的で美しい厚みのある作品では絶対敵わねえなと思ったんですよ。それは文章もまた然りなんですよ、表現力で真っ向勝負したら太刀打ちできない人が多すぎる。よって変化球を投げました。いやまあ嘘なんですけどね。
実は、最初は全編普通に書いてたんです。が、推敲段階で
>足は、ちょっと短いけれど……顔立ちはハッキリしているし。腹も、ちょっとだけ、出ているけれど……包容力が、もう、すごいのだ!
ここを一旦こうしてみた瞬間に、色々と止まらなくなりました(実話)。海外児童書みたいと仰ってくださってる方がいらして大変恐縮なのですが、「メインキャラだったカクレオンを削っちゃったのが申し訳ないから、カクレオンに語らせてる設定で行こう!」というノリで生まれたのがこの文章です。
自分としても、あんまり書いたことのない文体です、挑戦でした。こういうノリの文章が(特にポケノベルじゃない出身の方々に)受け入れられるのかどうか結構心配してました。思ったよりも多くの方に好感触頂いているようで、ほっとしてます、今のところは(開票前)。
いやまあ書くのは超大変だったんですが、「……」とか「――」とかを思う存分散りばめられたり、エクスクラメーションをいっぱい重ねられたり、改行や空行を惜しみなく使いまくったりと、普段連載で出来ないような文章表現をしまくれたのは、結構楽しかったです。普段抑圧されてる鬱憤が晴れてスッキリした的な。お陰様で連載の文章に戻るのに苦戦しました。
・総括
とにかくね、ミタナァが新しいスーツを渡すところと、一番最後アリスがパパに手を振るところが、書きたかったんですよ!!!!!私はね!!!!!!!!そこが書けたから満足なんですよ!!!!!!!!!!!!!!好きなシーンは本当に多いなあ!パーティーシーンはもちろん、アリスが飛び降りてきて一緒に踊るとこ、スニークに対するミタナァの叫び、「そうでやんす、毎日楽しいでやんす!」、あとラジオで誘拐予告のシーンとアリスの反応、そして弟子たちを片手で制する何もかも分かってるサビエルパパが大好きだ~~~~!!!!あと何回も言いますが普段やれないようなネットっぽい文章表現をいっぱいできたのは本当にそれなりに楽しかった……そして書くのに苦戦しました
いっやあもう本当に難産でしたねコイツはね 生みの苦しみですわ お気に入りネタだけあってキャラにも物語にも愛着が深いし、苦しんで産んだ分だけ愛してるんやろって言われるとそれもそうなんですが、個人的に『きらきら』を越えられなかったと思ってるのがやっぱ悔いが残ります。でも読み返してみて、後半は我ながら面白くできてたかな。
なんかねえ、ツイッターで知ってる人や知らない人が「泣いた」って仰ってくださってるのを見て、私も普通に泣きました。いっぱい名前を呼んでもらったり、ファンアート書きたいとか朗読したいとか仰っていただけ、作者冥利に尽きます、キャラも浮かばれます(浮かばれていいのだろうか)。書いてよかったです、ホントに。大会の中ではかなり長めの作品になりましたが、読んでくださってありがとうございました。
*
そんな『SNEAK in the Shadows!!!!!』を7割くらい書き終えた頃、運営のめめさんがツイキャスをされていたんですが、そこでとんでもないことを耳にしたんです
「Aは制限3万字、Bは1万字やで」
な、な、な、なんだって……!? 人の話を聞かないことに定評のある私くん、実はそれまでBも三万字書けると思っていました
というのも、私Bに大作が集まるものとてっきり思っていたんです。Aは三題噺で温存ネタを使いやすいとはいえ、お題にまあまあクセがあるので、Aの方がネタ作品、Bの方が真面目作品って感じになるかなあ思うてたんですよ(まあ結果は……)。そんでAの方が順位狙えるやろ思うてたんです。でもBの方が字数少ないんだったらAに大作がバカスカ投稿されている事は分かり切ってることですよね。まあ私その瞬間まで分かってなかったんですけどね。スニーク(初稿7割)の難産っぷりに自信を失っていた私はこれから起こる悲劇を確信した。そして思ったんです――じゃあBも書こう、ってね。
というのが半分、めめさんがそんときのツイキャスで「30作は欲しいなあ」と仰ってたのが半分。作数に協力したろという気持ちも結構あったんですが、結果42作も集まったんだから凄いよね。
ってことで書いたのが
■B部門
ふじのしま
http://storyfes.php.xdomain.jp/novels/27.html
え~これは最高に楽しく書けました!!! 楽しかった思い出しかない
企画ページの感想欄に書いたことが全てなんであんまり書くこともないんですが……じつは制作過程もよく覚えていません一瞬の出来事すぎて……スニーク書き上げてなんか絵とか描いてその後「じゃあB書くか~!」つってひゃっはあたのしいいいいwwwwwwwwwwつって気付いたら書き終わってました(実話)
作者ハピエン厨です。バッドエンドを書いたことがないってことはないんですが、もう長らくないのは事実なので、考えるだけで結構楽しかった。バッドエンドたのしいっすね。かわいい子を沈めるのはちょっと良心が痛んで胸糞な後味になりそうですが、こういう無能モブ少年だったらお前が悪いんやで……って思いながら沈められるので気持ちいいですね。この楽しさは癖になりそうです。
テーマ「ふじ」を作品の真ん中にもってくるのが難しくて、最初は「不時着」を中心にしようと思ってたんですがうまくいかず、「じゃあいっぱい突っ込んでテーマの薄さを誤魔化したれ!」とたくさんたくさん突っ込みました。この過程も楽しかった~。
この作品は特に文章が気に入ってます。スニークは「いつもやらない文章表現」にかなり特化していたんですが、こっちは逆に「いつも通りに自分が好きな文章で書く」という感じで書いたので、連載読んでる方にはリズム感とかでバレるかなあ思うてたんですが意外とバレなかったですね。月蝕も書きたい放題やってる訳じゃないからかな。
今作品の冒頭シーンとラストシーンの文章のリズム感は本当に性癖でお気に入りだし、頭から終わりまで筆が躍るわ躍るわって感じでした。躍るわ躍るわって感じの上に、(字数制限にひっかかって)字数の割に推敲・言葉の選抜をじっくり行う事ができたので、個人的にはかなり隙の無い仕上がった文章になってます。伏線・回収の流れも我ながら綺麗に敷けたかなあと。かなり理想に近い短編が作れました。自画自賛自画自賛。
書くのは一瞬だったんですが、こういう話にしようと決めてから、マップを調べたりマボロシじまに関するウワサとか集めたりするのにはそこそこ時間使いました。取材って意味では3万字近いスニークと同じくらいは時間取れたのかもしれません。ゲームのマップを利用してお話を書いた経験が多くないので(ゼロではない)、新鮮で楽しかったです。
なんだろう、一発屋ネタ芸人みたいな作品、って企画コメ欄に書いたんですが、まさにその通りと思っていて、こういう企画でストーリー性や訴えるものの薄い作品が高評価得られるのか?というのは結構疑問なんですが、まあこっちに関してはね、自分が満足しまくってるから完全にオッケーです。皆がそーなのそーなの言ってるの見てソーナノばりにニコニコしてました、ありがとう。テーマ「ふじ」に特化しすぎてよそに投げづらいのだけがネックです。
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以上!
ひっさびさに短編が書けて、本当に嬉しかった~。また企画があったら参加したいなあと思います。お疲れ様でした!開票が楽しみだぜ(開票日13時現在)。
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開票後(http://storyfes.php.xdomain.jp/result.html)
ええええええええええええ……(動揺)
とんでもなく身に余る結果を頂いてしまいました……これは……夢なのか……そうなのか……まだ長い夢を見ているのか
今回、まああの、正直、どっちも本気で上位を取りに行こうとは思っていました。ただ凄くレベルの高い大会で、負けたわと思った作品も何作もあり、周りの評価を見ても疑心暗鬼というか、どっちか3位以内くらいに入れれば御の字やなあと思っていたんです。えええええ……。
頂いた感想を拝読したり、ツイッタでおめでとうと言っていただけたりして、ちょっと実感が湧いてきました。そしてこんな色々全力で台無しにするような反省会をアップしてええんやろうかと真剣に悩み始めました。でも投げます。これが真の姿だからだ スニークは、もっと、私好みに、出来たはずなんえす!!! まあ私好みに出来た結果票がどうなってたのかは分かりませんけどね!!
いやほんとに夢じゃないんですかね 夢なら醒めてって感じなんですけど 私明日からカープとか刀とか女装とかBLの話で普通にTLを荒らしてええんやろうか まあ荒らしますけど(断言
凄いなあ。なんか……いや……ほんまに……夢みたいな出来事ですわ
感謝感謝です。読んでくれた全ての方に、投票してくれた全ての方に。運営のめめさん、灰戸さんにも!
本当にありがたい結果を頂きました。何書いていいのか分からなくてあんまり呟けてませんがめっちゃ喜んですます。嬉しい。ありえん。こんなことがあっていいのか。
でも、ちっとも満足したくないです。
いや、本当に。ぼかぁ絶対にもっと良い作品を作ってやりますよ。とらとまだ面白い作品出せるのかよって言わせてやりますよ。精進します。ほのぼのもキャラ小説ももっと極めたいし、今度はもっと、別のジャンルでも、上を目指してやるぜ(一位とは言わないけど!w)!
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とりあえず明日からは連載マンに戻りますけどね!できれば連載も読んでくれよな!!!!
また企画があって、上手く連載の流れの隙間に嵌めることができたら、チャレンジしてみたいなと思います。一緒に楽しんでくれたすべての人、本当にありがとう!!!めっちゃタグ騒がしてすいませんでした!!!wwwあ~~~~~ったのしかった~~~~~!!!!!!
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です 反省会じゃないので他のことは喋りません
Q どうして10-1以降ブログに更新報告記事作らなかったんですか?
A 存在を忘れていたからです。
追記から~ 10-5までのありとあらゆるネタバレ注意
グレンというのはですね、構想当初名前付きのモブだったという話は何度もしたんですけれど、
構想当初というのは~1-8までなんですよ(と1-9の間に結構間が開いている)。グレンが出てきたのは1-10なんです。よって登場時点では既に色々と固まっていました。
月蝕は後付け設定の多さでは他に類を見ないレベル(笑うところ)なんですけれども、実はこのグレンっていう人は、ほぼ登場時点の設定のまま存在しています。そういう意味でとても珍しいキャラ。安定感があるのも頷ける。
という前提のもとで解説を デカイ出来事も細かいのもありますが 次書きたいのでサクサク行きます!
>ハギが一番最初に話したのは『裏路地は危険だから絶対に行ってくれるな』ということだった。
これはグレン絡みじゃないですが一応、ハギの息子のヨシくんが裏路地で死んだというのの絡みの話です(6-4-2)
>あいつには、僕が『良い子』だろうと『悪い子』だろうと関係ない。
これもグレン絡みじゃありませんが、トウヤが『悪い子』であるくだりは結構いっぱいあります(伏線とは呼び難いので確認しなくてもいいです)。2-1-1、からの長い夜の果て-3あたり、そして6-4『僕は、悪い子だから、その子のかわりはできません』このへんです、あとは7-8-2とか、8-7-4とかも。もうちょっとあるかも。自分が悪い子だから~だという暗示をかけているトウヤ。が、悪い子でも大丈夫かも、と思ってしまった相手がグレン。トウヤをココウに繋ぎ止めた一番の要因になりました。
>「別に隠してた訳じゃないぞ? 聞かれなかったから言わなかっただけ……、」
ひょうきんに茶化そうとしたグレンも、トウヤの表情を見た瞬間に、道化を演じるのを諦めた。
「……いや、隠してたな。すまんかった」
グレンはこう言ってますが、実はトウヤは、グレンがどんな仕事をしているのか聞いたことがあると発言しています(8-8-2、スタジアムでトウミソタケヒロがグレンの仕事について触れるシーン)。グレンはトウヤに聞かれて誤魔化したことさえ忘れている。
>「ホウガで開発中のポケモン強化剤のこと、その中の特定成分にアレルギー反応を起こすお前の体質のこと、それと、バンギラスの爆破実験の候補地としてココウ周辺が挙げられていることを聞いて、納得がいったな」
伝わってるだろうか 多分落ち着いて考えたら分かります ちょっと今説明していいのか分からない 多分そのうちトウヤが優しく解説してくれると思う、ミソラとかに
ちなみにリューエルの中でヨーギラスを使った研究をしていたのはホウガ(トウヤの実家があった町)だけ、という旨は既に出ています(2-1-3、1章の爆発後についてレンジャーさんと話し合う場面)。
>「第一、お前が綺麗さっぱり忘れちまうから、こんなことになったんだろうが」
ここはどっちかっていうとこれからです 分かっていただけたかな?
>「今年ハシリイに行った時に、リューエルを狙った盗人に出くわしたんだ。『煙草の匂い』を嗅ぎ分ける訓練をされたチラーミィを連れていて、僕はそいつに目を付けられた。丁度、君に貰った煙草を吸った後のことだよ。その煙草、リューエルの団内でしか出回っていないものだそうだな」
5-10~5-11です、エトとトウヤが一緒に歩いててチラーミィが襲いかかってくるシーンがありました。トウヤがチラーミィを蹴り飛ばしてガキをナイフで脅す回です。今はミソラの手に渡っている果物ナイフ活躍回(ちなみに果物ナイフ初登場は5-5、ミソラがリナのリードを買うシーンでタグを切るのに使用)。
>父が狂ったように煙草を吸っていた
3-4-2 ……くらいかな?もう一回ほど書いた気もする……いつも煙草の匂いがするとしか書いてない ちょっと甘かったですね まあ伏線と呼べるほどのものではありませんがね
>グレンに貰う煙草の煙を吸うとなんとなく父の顔を蘇らせていた
3-4-2、5-10-1 かな? まだあるかも
煙草のくだりはできれば気付いてほしくなかったので、煙草は書きつつもあんまり伏線らしくしませんでした、がまだ説明できない大きな伏線がひとつあります 後日
>「ハシリイから帰った後、僕に『帰ってきてから妙にさっぱりした』みたいなことを言っただろ。その後、『キブツで何かあったのか』と聞いてきた。確かに僕は、ハシリイから帰った後すぐにキブツに飛んで、リューエルと交戦した。……
トウヤがキブツに行っているのは6章、交戦しているのは6-5、グレンの発言は7-8-4(トウヤとグレンが二人でカミサマの話をしてるとこ)
>今朝の酒場で宿の名を不自然に尋ねてきたことも、怪我をしていることを言い当てたのも、『ガバイトを連れたトレーナーがヒガメの宿で負傷した』という情報を持っていたなら、辻褄が合う。
10-2ですね
ちなみに、トウヤは『“ガバイトを連れたトレーナーが”、という漠然とした情報で、トウヤが犯人じゃないかと個人的に疑ったグレンが鎌を掛けてきた』と考えていますが、9-6-2の時点でミヅキがトウヤと特定できる情報まで推察している(あくまで推察の域は出ない)ので、グレンの個人的な行動なのか上からの命令なのかは疑問です。
>「春先くらいに、レンジャーの家の前で君のヨノワールに襲われろう」
>「ターゲットの家と間違って襲ったって言ったんだ」
>「本当なのかと聞いたら、お前の女に手を出すようなことはしない、と答えた
2-1-ラストから2-2-1と2-2-3です 懐かしい~~ ここのグレンの言いくるめの強引さに気付いてたら8章の仕事のくだり待たんでもグレンが胡散臭いことは分かってたろうと思ってます
グレンはうっかり失言が多い 「グレンがうっかりやさんであることが物語的に重要」みたいな話をしてたのはこのあたりでした
> ホウガを出た頃から、身を預けられるものを、ずっと欲していた。そういう顔をして近づいてくるものに、だから、気を許してしまえた。だけど、その優しさの裏側を、いつか目にしてしまうとしたら。信頼の方向が、一方通行かもしれないと、気付いてしまうとしたら。
伏線じゃないんですが、ちなみにこれは6-5のポエムをそのまま引用しています エテボースと対戦するシーンです お気に入りなので横流ししました
5章のチラーミィ騒動で、グレンがリューエル団員であることをトウヤはほぼ確信しています。6章のこのシーン、そして『騙すならもっと上手に騙してくれよ』という台詞は、『両親が事故死したと知らされていたと嘘をつかれていたこと』にかかっているように見せかけて、実はグレンのことにも掛かっていました。嘘を吐かれていたと確信する出来事がトウヤに立て続けに重なったんです。
ちなみにちなみに、6-2でトウヤがアズサに「君のことを信用してもいいのか」と問いかけるシーンがありますが、これは5章を経たトウヤが周囲に対して疑り深くなっているという描写でした。テラをグレンに返却したのも、トウヤの中には「盗聴器とか仕掛けてあるかもしれないから」みたいな理由が半分くらいはあったんですが、テラには何も仕掛けてありませんでした。迷惑千万なヤツですね。
こんなもんかな?
そういえば、8章で、トウヤがカナミから結婚妊娠の報告を受けた後、グレンの家で飲んで潰れるシーンがあったじゃないですか、8-6なんですけど。8-6の最後の塊の一個手前、潰れて寝てるトウヤに対してグレンの独白的な場面があるんですが
ここまで来て読み返してもらったらもしかしたら意味が分かるかもしれません。まだ分からないかもしれません。
以下引用
> ……大きな溜め息を、煙と共に吐き出して、男はどっと背もたれに寄りかかった。我の強いところは、トウヤのポケモンの大きな魅力だ。その一体目の手持ちにつけては、今更聞きわけの良いお人形のふりなんか、できる性分じゃなかったはずだ。彼女に敢えてそれをさせる元凶を除くことは、きっと自分では叶わないのだろう。トウヤとハリとは距離が近すぎて、自分とは、酷く遠すぎる。
何もできない。十二年掛けて紡ぎあげた『友人』なんて繋がりは、堪らないほど、無力だった。
「どうして、俺を頼れないんだ」
あてのない言葉が机に落ちる。トウヤが散々零したビールの跡が、まだ染みになって残っている。
「俺は、何のために……」
――消えいりかけた本音が、口から洩れたのだと気付いたのは。はっと顔を上げた瞬間に、やっとこちらを見た月色の瞳と、視線がばっちりと合致したからだった。
グレンは笑った。闇夜に美しく輝く目が、その誤魔化しを見抜いていた。何本目かの煙草殻を灰皿の上に揉みつけて、思い出したように、その燃えかすでハリを指す。
「ハリ。お前、俺のこと嫌いだろう」
鈍重な一拍のあと、こくりと上下に、頭が動く。弟分の手持ちの非礼さに、呆れて男は頬杖を付いた。だろうなあ。興味を失くしたように主へ戻っていく黄色の視線を、追いかけて、グレンは続ける。
「俺も、今の俺は嫌いだよ」
まるで自分ではないようで。……ニコチンのもたらす陶酔感は、遅れて現れてきたようだ。寝返りを打つトウヤの呑気な顔を目に入れても、殴りたいなんて強い気持ちは、もう米一粒さえ湧かなかった。
やっぱりうっかりやさんなんですよね。
反省会をやります
やるやる言っといてやらないって言った後結局やるんかいみたいな
やらないと次に進めない病なんですがいっぺんにできない病も罹患してるのでちょっとずつやろうかと思います、まあ文字を打つ練習もかねて あまりにもパソコンを開かない日々が続けていました!何をしていたんだろう!?コイキングを育てていたんだ!!
あと某鯉の球団を応援したりしています、にじゅううんさいにして初めてやきうに嵌りました。広島は楽しいところです。
*
いままでのような頭から一話ずつ萌え語りしていくパターンも後日やろうと思ってるんですが、今日は少し趣向を変えてポイントを絞って解説をしていく感じの反省会をします
以前めめさんに詞を頂いた(ブログを書かなさすぎてブログで紹介するという概念が消失していた、後日あらためて紹介させていただきますありがたや……!)ときに『8章反省会も参考して書いた』と言っていただいて反省会役に立ってるじゃん!!!というとんだ誤解をしているので 少しは役に立つ反省会にしようと思ってます!はい!いきます!どうぞ!!
追記から~
■開いた瞬間から9章末までのネタバレをくらうくらいの勢いでお願いします
■ちょっとだけ長い
ではでは!
月蝕9章反省会 ①ポケットの中の戦争
『ポケットの中の戦争』。がiんiだiむで検索されて飛んでこられた方がもしいらしたらすいません、全くがiんiだiむの話しません。それどころか私は当該作品を見たことがありません、どんな話なのかも知りません(どーん
この、ポケットの中の戦争、という、この言葉が堪らなく好きなんですよ。
以前どこだかで、多分がiんiだiむだと思うんですが、宇宙規模の戦争をしているのに、その中心にあるものはただの痴話喧嘩なのだ、というような話を、聞いたことがありました。例えば世界の存亡を賭けて冒険したりさ、悪の組織と対峙したり、背後に巨大な陰謀が蠢いていたり、そんな規模のデカいものってカッコイイ。ただ、月蝕はそういう話じゃなかったんです。クスリとか依存性とか、リューエルとかユニオンとかレンジャーとか、主人公たちを取り巻く中に大きな要素っていうのは多少出てくるんですけれど、物語を突き詰めていった時に、根幹にあるのはある家族の不和なんです。もっと言えば、『きょうだいげんか』なんですよ。
若宮という家族に何かが起こって、トウヤとミヅキが生き別れて、両親は死んで、そしてミソラが出てきて、二人の間に挟まれる。たったそれだけの、スケールの小さな小さな話なんです。
ただただ、私は、こんなにも小さくまとまった話が、書きたくて書きたくて、仕方なかったんですよ!!
ミソラにとって、トウヤにとって、そしてミヅキにとって、この月蝕と言う物語のなかで彼らが直面した運命は、あんまりにもドラマチックで、彼らの目を借りて見ていればきっと衝撃的なんですけど、『戦争』と銘打ったって構わないくらいの大イベント。けれども、少しでも離れて他人の目で見てみれば、世界になんの影響も及ぼさない、ちっさなちっさな、ポケットの中に納まっちゃうような出来事なんだ。取るに足らない戦争なんだ。そういう話がね~、書きたかったんですよ、私は。スケールの小さなお話がしたかったんです。世界と戦わない、小さなものと向き合って、それでも必死に必死に足掻いている一個人たちの話がしたかったんだ。ほんとに。って、早く言いたかったんです。やっと言えました。言ったことあったかも。
月蝕は、12年越しのきょうだいげんかと、
それに巻き込まれた少年の、笑えるくらいうんめいてきな物語です!!
*
まあそれはともかくです
でかい(前も同じこといった)
章題『9・トウヤとミソラ』。
前たぶん章題を迷いに迷った話しました。
案が色々あったので後で話しますみたいな話もしたんじゃないかなと思うんですが、結構忘れてしまったな
〇〇と〇〇 っていうタイトルにしたかったんですよ。8章『愛情と日常』にかけて。間に『雨の行方』が挟まったのがちょっとアレだったんですけどね。
まあ案としては
・開く扉の向こう
これが原案です。原案って言うのは、この小説を書き始めたときから存在しているタイトルです。
9-4でミソラがミヅキのことを思い出すことを示唆したタイトル。タイトルがネタバレ回になる予定でした。
このタイトルにすることを意識して、ミソラの記憶の話をする時に今までも『扉を叩く』という表現を何度も使っていたり。
思い入れがあったんだけど、プロット段階で、ちょっと違うなと思い始めた。扉が開く前のこともこの章では重要だったからさ。
それで〇〇と〇〇の形にしたいなと思い始めたんですが、別案としては
・朝と夜(セカオワの『白昼の夢』という曲から
↑まあ色々あるんですがどっちかって言うと『夜と朝』なのでやめた
あとなんか3つくらいあったんですが『〇〇と月』とか『夢と現』とかそんな奴です でも『トウヤとミソラ』を思いついたときに、ああこれだなあと思いました。キャラの、少なくともトウヤとミソラという主人公たちの名前を章題に使うなら、そりゃあここだろうなあと思いました。
トウヤとミソラがこんなことになるのに、表紙絵はいかにもほのぼの感が出てるところがとても好きです。もうちょい真面目に描けばよかったな。
*
まあそれはともかくです(二回目
メグミの話をして第一回終了にしようかと思ったんですが、ポケットの中の戦争の話をしたのでトウヤとミソラの話をした方がいいかなと思います
9-3(入浴沙汰)までの話は萌え語りの時にします。
9-4。8年掛かったんですけど、やっとこさミソラとトウヤの関係性の真相を示すことができました。
……と言うのは、実はちょっと全然違うのですが……この話はまだ出来ない……とりあえずそういうことにしといてください!
何度も何度も何度も何度も言ってるし9章末の作者コメントにも書いたんですが、
ミソラの殺したい人がトウヤなのだと、私、読者様に気付いてて欲しかったんですよ!!!
気付いててくれましたか!?気付いてたなら気付いてたって言って下さい!!お願いします!!参考になりますから!!お願いします!!!
伏線らしい伏線のことは、今後の本編中の要素にもなってくるので一応まだ内緒にしておきますが(ポケノベのコメ欄の方で某様が色々と考察してくださいました、私が解説するよりそれを読んでもらった方が早いかもしれない!笑!アッパレ!!
『ミソラがトウヤに入れ込んでいくこと・心酔していくこと』自体がフラグになっていました。それを露骨に露骨に(特に8章)書いていくことで、きっと伏線に気付かれなくても、読者様はみんな察してくれるんじゃないかな?と思って書いていました。そうじゃなくても、『一番近い身内が犯人』ってスッゴイありがちで王道だし、一番最初に疑われたのってきっとトウヤだったと思うんです。違う?どうだったのかな~。
えっと、『何故予想していて欲しかったか』。コレ多分話したことないんじゃないかな、『そうでなければ、7章以降のトウヤの行動や心理描写の多くがまるで理解してもらえなかったはずだから』。
7-1で、何故トウヤが泣き出したのか。何故トウヤが夜眠れなくなったり、身辺整理を始めたり、飯を食わなくなったりしたのか。何故トウヤがミソラの『殺しの修行』に加担できたのか、などなど。そういうトウヤの不可解さは、もしかしたら上記のことに気付いていても不可解だったかもしれないとも思うんですけど、『マジで意味分からん』というのと、『不気味だな、気持ち悪いな』と思うのは、違うじゃないですか。不気味だなと思って貰えれば、それはまだ成功だったんです、そうでなければ本当にトウヤは意味が分からない人だったろうし、そうだったら失敗だったんだと思う。んだよな。
私はこう予想してる、とか、予想当たってたとかこう予想してたけど違ったとか、そういうコメントいただけるのホント嬉しい方なので、なんか予想していただいていたんだったら色々教えて欲しいです。マジで!
*
ところでですよ
・ミソラの殺したい人がトウヤだったこと
これは気付いて貰ってたとしてですよ
・トウヤが殺したのが両親だったこと
これは気付いて貰ってたんだろうか。微妙だったかなあと思います、ここに関しては予想してて欲しかったポイントではないんですけど(キャラの言動に特に疑いを持たず、素直に月蝕を読んでくださってた方だったら、ここが九章の衝撃ポイントだったんだろうかと思っている。もしくは『このタイミングでバラすのかよ!』って方かな?)。ちょっと考えれば予想はついたと思いますが、すーっと流してたら予想つかなかったかも。なんせトウヤは9-5まで両親はミヅキが殺したと思い込んでましたから。
ミヅキが両親を殺したという話が出てきたのが、6-4~6-5なんですけれど
>「あの悲惨な死に方をした研究者か」
その言葉も、その次のアヤノの言葉も、すぐには理解ができなかった。
「あいつもまさか、実の子供に殺されるとは夢にも思っていなかったろうな」
6-4末、これが、アヤノさんとイチジョウさんの会話、これをトウヤが盗み聞きしていて、次話6-5で
>『あいつもまさか、実の子供に殺されるとは夢にも思っていなかったろうな』
――本当にそうなのか。
また一層に深い闇が、トウヤの眼前を覆い始める。
(……おねえちゃん)
思い出す。あの白い手を。泣きながら笑う彼女を。無情に遠ざかっていく、あの軽快な足音を。
どうして。
どうして、どうして……。
この部分でトウヤは明らかに『実の子供に殺された=自分じゃない=だとすればおねえちゃんしかいない』という結論を出している。
ただ、アヤノは『実の子供』としか言っていなくて、『実の娘』とは言っていないんですよね。ここで怪しんだ人もいたかもしれない。いたとしたらすごいな!一文字一文字読み込んでくれてありがとう!!
他に怪しいポイントに気付いて貰えたとすれば、例えば7-3のとうみその会話なんかで『ココウに引き取られて以降両親からほとんど連絡がなかった』とかから怪しんでもらえたかもしれません。ただ、4-7の最終シーンでトウヤの養育費がホウガ(トウヤの実家)から送られてきていた話をしていて、これは『十九で親が死ぬまで養育費が送られてきていた』旨書かれてあります、十九という年齢は、トウヤが両親の死亡を知らされる年齢を受けた歳と一致しています。
あとは、これはちょっと無理あるけど、同じ6-4内、トウヤが両親が死んだ報告を電話で受けた時の記憶に関して
> スグルさんとキョウコさんがお亡くなりになりました、なんて、事務的な声で。電話の向こうを恨むことも許さないような、心無い声で。大好きだった人たちが。いつか会える日を、そのときを、心待ちにしていた人たちが。もう三か月も前に、知らないうちに死んでたなんて、僕がどれだけ悔しくて、寂しくて、冷たい気持ちに襲われて、それを誰にぶつけていいかも分からなくて、泣くこともできずに孤独に震えていたことを、叫び出したかったことを、死んでしまいたかったことを。忘れることなんてできないのに。
変だろ。思い出せないんだ。不慮の、なんて聞かされた、父さんと母さんを殺した事故の内容。あんなに憎かったはずなのに。あんなに、どうしようもなく、恨めしかったはずなのに。どうしよう。どうして思い出せないんだ。どうして忘れてしまえるのだろう。
違う。そうだ。僕は、聞こうともしなかった。
だって、その事故の中身が全部『嘘』だと、すぐに気付いてしまったから。
っていうところもありました。重箱の隅をつついたら色々出てくるかもしれない。出てこないかもしれません。
ミヅキはミソラに対して、『弟が両親を殺した』という風に語ったようですが、6-5でトウヤは『ミヅキは両親を殺していない』という確信を得たというだけで、『じゃあ僕が殺した』という思考にはなっていない、という風に理解してもらえれば。ミヅキが知っているらしいトウヤのことに関して、トウヤ自身には自覚がない。
一応反省もしときますが、トウヤが『ミヅキが両親を殺したと思っている』ということをあまり書いてこなかったのはちょっと反省点ですね。この設定を読者様が忘れていたとしたら、9-4で「そうなんだ!」と思った後9-5で「トウヤは何を言っているんだ」ってなったはずですからね。正直私もちょっと忘れてました。
**
いつかに続きます 年表いりますか?いらない?
メグミの話等はまた次回に!
やるやる言っといてやらないって言った後結局やるんかいみたいな
やらないと次に進めない病なんですがいっぺんにできない病も罹患してるのでちょっとずつやろうかと思います、まあ文字を打つ練習もかねて あまりにもパソコンを開かない日々が続けていました!何をしていたんだろう!?コイキングを育てていたんだ!!
あと某鯉の球団を応援したりしています、にじゅううんさいにして初めてやきうに嵌りました。広島は楽しいところです。
*
いままでのような頭から一話ずつ萌え語りしていくパターンも後日やろうと思ってるんですが、今日は少し趣向を変えてポイントを絞って解説をしていく感じの反省会をします
以前めめさんに詞を頂いた(ブログを書かなさすぎてブログで紹介するという概念が消失していた、後日あらためて紹介させていただきますありがたや……!)ときに『8章反省会も参考して書いた』と言っていただいて反省会役に立ってるじゃん!!!というとんだ誤解をしているので 少しは役に立つ反省会にしようと思ってます!はい!いきます!どうぞ!!
追記から~
■開いた瞬間から9章末までのネタバレをくらうくらいの勢いでお願いします
■ちょっとだけ長い
ではでは!
月蝕9章反省会 ①ポケットの中の戦争
『ポケットの中の戦争』。がiんiだiむで検索されて飛んでこられた方がもしいらしたらすいません、全くがiんiだiむの話しません。それどころか私は当該作品を見たことがありません、どんな話なのかも知りません(どーん
この、ポケットの中の戦争、という、この言葉が堪らなく好きなんですよ。
以前どこだかで、多分がiんiだiむだと思うんですが、宇宙規模の戦争をしているのに、その中心にあるものはただの痴話喧嘩なのだ、というような話を、聞いたことがありました。例えば世界の存亡を賭けて冒険したりさ、悪の組織と対峙したり、背後に巨大な陰謀が蠢いていたり、そんな規模のデカいものってカッコイイ。ただ、月蝕はそういう話じゃなかったんです。クスリとか依存性とか、リューエルとかユニオンとかレンジャーとか、主人公たちを取り巻く中に大きな要素っていうのは多少出てくるんですけれど、物語を突き詰めていった時に、根幹にあるのはある家族の不和なんです。もっと言えば、『きょうだいげんか』なんですよ。
若宮という家族に何かが起こって、トウヤとミヅキが生き別れて、両親は死んで、そしてミソラが出てきて、二人の間に挟まれる。たったそれだけの、スケールの小さな小さな話なんです。
ただただ、私は、こんなにも小さくまとまった話が、書きたくて書きたくて、仕方なかったんですよ!!
ミソラにとって、トウヤにとって、そしてミヅキにとって、この月蝕と言う物語のなかで彼らが直面した運命は、あんまりにもドラマチックで、彼らの目を借りて見ていればきっと衝撃的なんですけど、『戦争』と銘打ったって構わないくらいの大イベント。けれども、少しでも離れて他人の目で見てみれば、世界になんの影響も及ぼさない、ちっさなちっさな、ポケットの中に納まっちゃうような出来事なんだ。取るに足らない戦争なんだ。そういう話がね~、書きたかったんですよ、私は。スケールの小さなお話がしたかったんです。世界と戦わない、小さなものと向き合って、それでも必死に必死に足掻いている一個人たちの話がしたかったんだ。ほんとに。って、早く言いたかったんです。やっと言えました。言ったことあったかも。
月蝕は、12年越しのきょうだいげんかと、
それに巻き込まれた少年の、笑えるくらいうんめいてきな物語です!!
*
まあそれはともかくです
でかい(前も同じこといった)
章題『9・トウヤとミソラ』。
前たぶん章題を迷いに迷った話しました。
案が色々あったので後で話しますみたいな話もしたんじゃないかなと思うんですが、結構忘れてしまったな
〇〇と〇〇 っていうタイトルにしたかったんですよ。8章『愛情と日常』にかけて。間に『雨の行方』が挟まったのがちょっとアレだったんですけどね。
まあ案としては
・開く扉の向こう
これが原案です。原案って言うのは、この小説を書き始めたときから存在しているタイトルです。
9-4でミソラがミヅキのことを思い出すことを示唆したタイトル。タイトルがネタバレ回になる予定でした。
このタイトルにすることを意識して、ミソラの記憶の話をする時に今までも『扉を叩く』という表現を何度も使っていたり。
思い入れがあったんだけど、プロット段階で、ちょっと違うなと思い始めた。扉が開く前のこともこの章では重要だったからさ。
それで〇〇と〇〇の形にしたいなと思い始めたんですが、別案としては
・朝と夜(セカオワの『白昼の夢』という曲から
↑まあ色々あるんですがどっちかって言うと『夜と朝』なのでやめた
あとなんか3つくらいあったんですが『〇〇と月』とか『夢と現』とかそんな奴です でも『トウヤとミソラ』を思いついたときに、ああこれだなあと思いました。キャラの、少なくともトウヤとミソラという主人公たちの名前を章題に使うなら、そりゃあここだろうなあと思いました。
トウヤとミソラがこんなことになるのに、表紙絵はいかにもほのぼの感が出てるところがとても好きです。もうちょい真面目に描けばよかったな。
*
まあそれはともかくです(二回目
メグミの話をして第一回終了にしようかと思ったんですが、ポケットの中の戦争の話をしたのでトウヤとミソラの話をした方がいいかなと思います
9-3(入浴沙汰)までの話は萌え語りの時にします。
9-4。8年掛かったんですけど、やっとこさミソラとトウヤの関係性の真相を示すことができました。
……と言うのは、実はちょっと全然違うのですが……この話はまだ出来ない……とりあえずそういうことにしといてください!
何度も何度も何度も何度も言ってるし9章末の作者コメントにも書いたんですが、
ミソラの殺したい人がトウヤなのだと、私、読者様に気付いてて欲しかったんですよ!!!
気付いててくれましたか!?気付いてたなら気付いてたって言って下さい!!お願いします!!参考になりますから!!お願いします!!!
伏線らしい伏線のことは、今後の本編中の要素にもなってくるので一応まだ内緒にしておきますが(ポケノベのコメ欄の方で某様が色々と考察してくださいました、私が解説するよりそれを読んでもらった方が早いかもしれない!笑!アッパレ!!
『ミソラがトウヤに入れ込んでいくこと・心酔していくこと』自体がフラグになっていました。それを露骨に露骨に(特に8章)書いていくことで、きっと伏線に気付かれなくても、読者様はみんな察してくれるんじゃないかな?と思って書いていました。そうじゃなくても、『一番近い身内が犯人』ってスッゴイありがちで王道だし、一番最初に疑われたのってきっとトウヤだったと思うんです。違う?どうだったのかな~。
えっと、『何故予想していて欲しかったか』。コレ多分話したことないんじゃないかな、『そうでなければ、7章以降のトウヤの行動や心理描写の多くがまるで理解してもらえなかったはずだから』。
7-1で、何故トウヤが泣き出したのか。何故トウヤが夜眠れなくなったり、身辺整理を始めたり、飯を食わなくなったりしたのか。何故トウヤがミソラの『殺しの修行』に加担できたのか、などなど。そういうトウヤの不可解さは、もしかしたら上記のことに気付いていても不可解だったかもしれないとも思うんですけど、『マジで意味分からん』というのと、『不気味だな、気持ち悪いな』と思うのは、違うじゃないですか。不気味だなと思って貰えれば、それはまだ成功だったんです、そうでなければ本当にトウヤは意味が分からない人だったろうし、そうだったら失敗だったんだと思う。んだよな。
私はこう予想してる、とか、予想当たってたとかこう予想してたけど違ったとか、そういうコメントいただけるのホント嬉しい方なので、なんか予想していただいていたんだったら色々教えて欲しいです。マジで!
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ところでですよ
・ミソラの殺したい人がトウヤだったこと
これは気付いて貰ってたとしてですよ
・トウヤが殺したのが両親だったこと
これは気付いて貰ってたんだろうか。微妙だったかなあと思います、ここに関しては予想してて欲しかったポイントではないんですけど(キャラの言動に特に疑いを持たず、素直に月蝕を読んでくださってた方だったら、ここが九章の衝撃ポイントだったんだろうかと思っている。もしくは『このタイミングでバラすのかよ!』って方かな?)。ちょっと考えれば予想はついたと思いますが、すーっと流してたら予想つかなかったかも。なんせトウヤは9-5まで両親はミヅキが殺したと思い込んでましたから。
ミヅキが両親を殺したという話が出てきたのが、6-4~6-5なんですけれど
>「あの悲惨な死に方をした研究者か」
その言葉も、その次のアヤノの言葉も、すぐには理解ができなかった。
「あいつもまさか、実の子供に殺されるとは夢にも思っていなかったろうな」
6-4末、これが、アヤノさんとイチジョウさんの会話、これをトウヤが盗み聞きしていて、次話6-5で
>『あいつもまさか、実の子供に殺されるとは夢にも思っていなかったろうな』
――本当にそうなのか。
また一層に深い闇が、トウヤの眼前を覆い始める。
(……おねえちゃん)
思い出す。あの白い手を。泣きながら笑う彼女を。無情に遠ざかっていく、あの軽快な足音を。
どうして。
どうして、どうして……。
この部分でトウヤは明らかに『実の子供に殺された=自分じゃない=だとすればおねえちゃんしかいない』という結論を出している。
ただ、アヤノは『実の子供』としか言っていなくて、『実の娘』とは言っていないんですよね。ここで怪しんだ人もいたかもしれない。いたとしたらすごいな!一文字一文字読み込んでくれてありがとう!!
他に怪しいポイントに気付いて貰えたとすれば、例えば7-3のとうみその会話なんかで『ココウに引き取られて以降両親からほとんど連絡がなかった』とかから怪しんでもらえたかもしれません。ただ、4-7の最終シーンでトウヤの養育費がホウガ(トウヤの実家)から送られてきていた話をしていて、これは『十九で親が死ぬまで養育費が送られてきていた』旨書かれてあります、十九という年齢は、トウヤが両親の死亡を知らされる年齢を受けた歳と一致しています。
あとは、これはちょっと無理あるけど、同じ6-4内、トウヤが両親が死んだ報告を電話で受けた時の記憶に関して
> スグルさんとキョウコさんがお亡くなりになりました、なんて、事務的な声で。電話の向こうを恨むことも許さないような、心無い声で。大好きだった人たちが。いつか会える日を、そのときを、心待ちにしていた人たちが。もう三か月も前に、知らないうちに死んでたなんて、僕がどれだけ悔しくて、寂しくて、冷たい気持ちに襲われて、それを誰にぶつけていいかも分からなくて、泣くこともできずに孤独に震えていたことを、叫び出したかったことを、死んでしまいたかったことを。忘れることなんてできないのに。
変だろ。思い出せないんだ。不慮の、なんて聞かされた、父さんと母さんを殺した事故の内容。あんなに憎かったはずなのに。あんなに、どうしようもなく、恨めしかったはずなのに。どうしよう。どうして思い出せないんだ。どうして忘れてしまえるのだろう。
違う。そうだ。僕は、聞こうともしなかった。
だって、その事故の中身が全部『嘘』だと、すぐに気付いてしまったから。
っていうところもありました。重箱の隅をつついたら色々出てくるかもしれない。出てこないかもしれません。
ミヅキはミソラに対して、『弟が両親を殺した』という風に語ったようですが、6-5でトウヤは『ミヅキは両親を殺していない』という確信を得たというだけで、『じゃあ僕が殺した』という思考にはなっていない、という風に理解してもらえれば。ミヅキが知っているらしいトウヤのことに関して、トウヤ自身には自覚がない。
一応反省もしときますが、トウヤが『ミヅキが両親を殺したと思っている』ということをあまり書いてこなかったのはちょっと反省点ですね。この設定を読者様が忘れていたとしたら、9-4で「そうなんだ!」と思った後9-5で「トウヤは何を言っているんだ」ってなったはずですからね。正直私もちょっと忘れてました。
**
いつかに続きます 年表いりますか?いらない?
メグミの話等はまた次回に!
http://kogu.blog.shinobi.jp/Entry/1399/
↑その1
8章反省会その2……続きです……長いです……逃げて……
追記から~
■8-8
7333字。http://kogu.blog.shinobi.jp/Entry/1392/ブログですがあんまり話してません
ちょっと本気で疲れたのでサクッと行きますね
>珍品を見つけた。丸首のプリントティーシャツだ。何が珍かって、これがとんでもなくダサいのである。白地の中心に不細工な水鼠が飛んでいる。何か言葉を叫んでいる。奇抜さばかり重視した趣味の悪いデザインだ、きっと注目を引くだろう。その『怒髪衝天』――文字の読めないタケヒロに、意味はさっぱり分からないが――ティーシャツを、洗濯物の山から引き摺り出す。ばさりと広げてみた。
5-6参照です!
着てやりたいグレンがとっても優しいなと思います
>スタジアムの外を困り顔でうろついていたタケヒロを拾ったのはトウヤで、字の書けないタケヒロの代わりに選手登録台帳へ記帳したのもトウヤだ。ピエロとして名が通っているタケヒロは女番とも顔馴染みだったが、その台帳を確認するや「お前苗字があったのか」と目を丸くされたのには驚いた。何と書いたのか散々問い質したがトウヤは答えなかった。一昨日の晩や、昨日こてっと潰れた姿へ湧きかけていた親しみは、ものの一瞬で掻き消えた。
そのうち拾うので覚えておいてほしい トウヤはタケヒロの苗字を知っているんです
>「今の間にか? それは凄いな。僕の弟子とは」一瞬、言葉に詰まったトウヤは、へらと口の端を歪めて従者と目を合わせた。「……とても思えない。なあ、ハリ」
>「将来はポケモンマスターだな」
3-4です。トウヤの回想の中の父親の『俺の子供とはとても思えない』『将来はポケモンマスターだな』という台詞がトウヤの口からも勝手に出てきている、っていう描写でした
グレンとトウヤの友人観の話。82から始まって、86でグレン側からの綻びが垣間見え、87冒頭、88冒頭、と続けてきて、ここで彼らの綻びがいよいよ形になって現れてくる。何の仕事をしているかさえ話せないグレン、自分の痣の話をずっとしてこなかったトウヤ。
>「ミソラに話せないことなんか、ひとつもないぜ。俺は」
タケヒロとミソラは、こうなんですよね。この二組の友人の間に流れる空気って言うのは同じ友人のはずなのに全然違うものなんですよね。何でも言い合えるのがタケヒロにとっての友人、ミソラにとってもそう。話せないことがあるなんて、お前らホントに友達なのかよ。
>「干渉されるの嫌いなんだ、分かるだろ。深入りしてこない人の方が、楽に付き合えるものを」言いながら思い至ったのだろう、矢継ぎ早に続けた。「グレンなんかは、そうだな。……タケヒロの考える『友達』とは少し違うかもしれないが」
でもトウヤはそういうグレンとの付き合いを居心地がいいと思っている。
タケヒロの心理描写って凄く楽しいし筆が乗りますね。
■8-9
10153文字
88の続きですね。
・8-9-1
>タケヒロの知っているグレンというのは、そんな汚いことをする男ではなかったはずだ。
「なんで?」
「だから……」
自分が口走ったこと、それを追及されることに、僅か焦りさえ見え隠れする。座り込んだまま、半ば唖然としてタケヒロは見上げていた。知らない誰かと対峙しているのではないか。今の様子は、それくらい身に馴染んでいない。
視線も合わせなくなった。目を泳がせながら、彼は言った。
「……あいつ、真っ向勝負より、逃げるが勝ちの野良試合が得意だろ。それが、逃げんと言うのは……」
頭を掻く。ナナナオーレを飲んだ時より、ずっと苦汁を飲まされたような。
「……下手すれば、妨害されるぞ。お前」
>「俺は忠告したからな」
「いや待てって、なんでだよ、ミソラが『誰か』を殺すのをやめたら、あいつは都合が悪いってことか?」
「だっておかしいだろ、ありゃあまるで」
>まるで、ミソラに殺させようとしているみたいだ――
このトウヤの友人であるグレンのこの言いぶりですよね そんなんタケヒロも怒りますよね
82だか83だかの雰囲気でなんとなく察していただけたのではないかと思ってたんですけど、タケヒロってトウヤのことを心底嫌ってる訳ではないんですよね。逆なんですよね。タケヒロはトウヤを信じたい、本当は。
でもトウヤを一番信じるべき(とタケヒロは思っている)友人であるところのグレンはトウヤのことを全然信用してない、ってタケヒロは思ったんですよね。ね。
>タケヒロが怒っているのは、トウヤにもそうだし、グレンにも、そしてミソラにもそうだ。けれど今朝から薄々気づいてしまったのは、それぞれに芯から怒りきれない、同情まがいの気持ちもあるということだった。俺の方が何倍かあいつを信用してるじゃねえかと、グレンがいなくなった後、タケヒロは一人で憤慨したのだ。誰かを『殺させようとしている』? ミソラに? あいつが? 馬鹿言え。んな胸糞悪い事があるか、どうせ何も考えてないに決まってるんだ。今からそれを証明してやる。
タケヒロはホント普通に良い奴だよね。なんかね。
この章はタケヒロの章だったんですけど、タケヒロっていう人はもう全力でいろんなことに首を突っ込んで、全力で振り回されていく方なんですね。彼は振り回す側みたいな賑やかさを携えているけどかなり常識人なポジションで、作中では振り回される側なんですよね。良い奴、正義、愛。なんか、正しさの塊であろうとしてるみたいな。そういうイメージなんですよ。正義のヒーロー。でも正義のヒーローって、悪を倒すでしょ。悪がないと正義のヒーローってなりたたないよね。なんかね、タケヒロって、そういう存在なんですよ。自分を成り立たせる為に悪を探しに行くみたいな。分かる?
こっからのトウヤとタケヒロのやり取りは本当に苦しみました、書くのが。トウヤをどこまで気味悪く書くか、どこまで狂ってるように書くか、っていうのが凄く悩んで、結果初稿よりかなりマイルドなとうやになりました。月蝕に劇的な瞬間はいらねえんだ、そういうことなんだ。でも読み返すと充分気持ち悪いですね。
ここでヤミカラスを倒してミソラが喜んでる戦闘描写のえげつなさは結構好きです。うまくいってますね。そうこうしている間にミソラはタケヒロにとってどんどん遠い存在になりつつある。
>「雛鳥は、親に死ねと言われれば、黙って死んでくれるのか?」
トウヤのこの捨て台詞が5-10あたりの彼らしくって凄く好きです
ちなみに刷り込みの話は2-5でもタケヒロが話していますね。正直あのときはここで拾う事になるとはおもってませんでした。(拾えてない
>「人とポケモンは、何が違うんだ?」
1-16ですね。
>「何が違うんでしょうか……」
「え?」
「人とポケモンは、何が違うのですか?」
このミソラの台詞ですね。気付いてくれたかな?
この時トウヤはミソラに答えを出せなかったんだよね。「変なことばかり気にしているようだが、お前が知らなければいけないのは、もっと実用的なことだろう?」って結論付けて投げるんですよね。ね。
・8-9-2
時間が巻き戻って、6章でミソラが「殺さなければいけないこと」を思い出し、トウヤがキブツから戻ってきた、その夕方の出来事です。
このシーンで、例えば8-7の写真をゴミに出していたトウヤが何を考えていっぱいいっぱいになっていたのか、なんとなく察して欲しかった。どうですか?ダメですか?ダメかあ~!!!!(
>十二年分の、色鮮やかな夢の砂漠に、少年は蹲っている。
> トウヤは俯いて、瞼を閉じた。きつく閉じて、ぎゅうと閉ざして、震える唇を噛みしめて、何度も何度も、誰かに祈った。信じちゃいない神に祈った。夢であれ、夢なら醒めて、そうでないなら全部巻き戻して、頼むから、お願いだから。瞼の裏の少年が振り向く。怖々と目を開ける。陽の色。少女のように揃えられた爪先。上げた視線の真ん中で、滑らかな蜜の光を浴びながら、金髪と、濡れた睫毛をきらめかせて、ミソラはまだ、微笑んでいた。心許なげに、消え入りそうに、微笑んでいた。
トウヤは、力無く、眉尻を下げて。笑い返して、頷いた。
『分かった』
この辺が印象に残ってくれたら嬉しかった。どうだろう。
このパートで反省してるのがトウヤの「後悔しないか」をかぎかっこで入れなかったことです。このセリフはちょっと大事だったからかぎかっこつけた方がよかった。でも流れとしてかぎかっこつけずにつづけた方が綺麗なんですよね。参ったな。ちょっと考えてみよう。
> ああ、僕はまた、大切なものを壊してしまった。
だそうです。「また」だそうです。だいたい分かってもらえたかな。どうだろうな。
・8-9-3
あずにゃんの帰還
ここでアズサに「7章では色々とご迷惑をかけました」と言わせたくて、それを言わせるタイミングを8章中ずっと窺ってたんですが、ついに言わせられませんでした(幕間では言わせた)。
トウヤとアズサが二人でいる間のアズサが月蝕らしからぬ不審さ(?)なんですがまあなんかご都合的なところもあって……そのうちに。タケヒロと話してた時はああなのに女の子が出てくるだけでヘラヘラしだすトウヤが糞現金で糞野郎だなと思いますよね。分かります。私も思いました。好感度がさがる音がする~!!
■8-10
12679文字
ここどうだったんですか!?ねえ!!!!!!!!ねえ!!!!!!!!!!!!1教えてくださいよ!!!!!!!!!!!!!!!ねえ!!!!!!!!!!!どうだったんですか!!!!!!!!!!!!!1(叫
いやとうれん回でしたね!!!って言っていただけたんでアリガトウー!!!!って感じだったんですがちゃんと笑ってもらえましたか!?それが本当に気になります!!!滑り倒してなかったですか!?ハァ~!!
このシーンっていうのもまたずっと書きたかった部分で、でもどこに入れるかっていうのが凄く難しくてここの半ば無理矢理いれた(ので話の進行が上下上下のジェットコースターすぎてマジで)んですよ!!いやもうさっきも言いましたがトウヤのテンションの乱高下具合がうんこすぎてテメエ100000回死ね!!!!って思いませんか!?私は思いました!!!!!!!!
いやでも先にぐれんととうやね!
8章通してやってきたぐれんととうやの話の総決算は811なんですが、このシーンっていうのはその前フリとしてめっっっちゃくちゃ重要だったと思います。なんか、とうやは糞野郎なんですが、ぐれんも結構大概糞なんですよね。大人って言うのは汚いよね。タケヒロの前では散々不信感丸出しにしてたのにさ!
>昼飯の惣菜パンへばくりと食いついて、そのまま会話を続けようとする。
「はいひふあうあー」
「……何?」
喉がのんびり上下する。ごくり。
「さ、み、し、く、な、る、か?」
どうでもいいんですけど私この「口に物が入ってて喋れないのに無理矢理喋ろうとする」っていうシチュエーションがすごくかわいいなと思っています。二次元限定。
グレンが仕事の遠征にトウヤを誘う。
> ミソラを置いて、ココウを離れる。
退路を示されたのだ。半分ほどの重さが残る缶を揺らしながらトウヤは視線を落とした。今の自分は一体、どんな顔をしているのだろう。
トウヤは状況を受け入れられていないし、まだ理解できていない。グレンの仕事に自分がついていく事なんてのはタブーだし有り得ないと思っている。けれどそれを彼から持ちかけてきたこと、『退路』を示されたことに、……811に続く。
>「ここは兄貴に任せとけ」
アホか。やめろ。この期に及んで余計な事を――全ての制止が放たれる前に男は立ち上がり。
そこからあっという間の出来事だった。
「お菓子を買ってやろう!」
そう言って、子供たちの襟首を掴んだ。
ぽかんとするタケヒロ、わーいおかし、と妙にニコニコしているミソラがずるずる引き摺られ、扉の外へ放り出される。主たちが出ていくので、ポッポとニドリーナがそれに追従していく。次にグレンの手招きで、渋々とノクタスが歩き出した。緩慢な動きで戸口を抜けていく瞬間、矢庭に、ギョロッと横滑りする眼光が、ぐさり。トウヤに鋭く突き刺さった。
「健闘を祈る!」
最後に下手なウインクをばちこんと飛ばして、グレンが戸を、素早く閉めた。
この後のアズサも可愛いんですけどグレンが最高にかわいくないですか。凄いかわいいと思います。友達を完全にオモチャにしててオモチャにしてることも全部ばれてるのに全部強行して安全な場所でゲラゲラ笑った末に最後の方のシーンでその調子に乗った友人にとどめを刺してるぐれんがマジで最高にカワイイしこのやりとりが成立するトウヤとグレンはやっぱり友達なんだなと思うんですけどどうですかね。私はそう思いますね。でも彼ら自身がどう思ってるかは
正直に言いますがここからのトウヤの心理描写は読み返すたびに今でも死にそうになります私が 笑ってもらえましたか!?笑ってもらえましたよね!?そうだと言って!!!!!!!!!!
>実際のところ、トウヤはあの、彼女と別れた晩に調子づいて口走ったことを、顔を見るまですっかり忘れていた訳である。
糞野郎すぎるだろ!!!!!!!あずにゃんはあんなに悩んでたのに!!でも状況が状況だったんです!!ごめんなさい!!私が代わりに謝ります!!
駄目です 解説しようと思ってたんですが笑いが止まらなさすぎて無理です 私無理です 各自読んでください できれば笑ってください なんでシリアス続きの中にこんな回が挟まったの????
>「まさか本気にしたのか?」
このセリフが糞すぎて本当に最高に好きです いやトウヤくんは良い人なんですよ本当は。本当は良い人なんですよ。ちょっと頭の回転が遅すぎてちょっとプレッシャーに弱すぎてちょっと口が滑りすぎるだけなんです。
>まっすぐ鼻の頭に突き刺さって、卒倒した腹に転げて、そのまま床に転がり落ちたチリーンが、竜巻に煽られたような激しい笑い声を立てている。りんりんりん。りんりんりんりん。それを見た事の発端の張本人が崩れ落ちて腹を抱えて床を叩きながら爆笑している。どん。どん。
この床を叩いて爆笑しているグレンが凄い好き
>見事な投球フォームからどしんと両脚を踏ん張ったアズサが、真っ赤な顔で、涙目で、聞いたこともない凄まじい声で、吠えた。
「――死ね!!!」
このね
「死ね」っていう
2文字をね
言わせるためだけに
トウヤとアズサのあれこれ
それこそ1章2章3章からのずっとのあれこれが
存在してたんですよ!!!!!!!!!!!!!!
やっと言わせられました!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
誰かが彼に死ねって言わなければならなかったじゃないですか!そうでしょ!!アズサの仕事だったんです……!!!そうなんです……!!誰も悪くないんです……!!(???
・8-10-2
ここのトウヤとアズサのやりあいも凄く好きです。アズサが1章2章くらいの雰囲気に戻ってほしいなと思いながら書いていた。
なんかね、私は男女間の友情って凄く難しい問題だと思ってるから、トウヤとアズサはこうやって一悶着起こさないと、フラットな関係で話をさせられないなと思ってたんです。一回意識させて、一回終わらせる必要があった。この後どうなるかについてはまだ言いませんが、そういう関係性でこの先の展開に挑んでほしいなあと思ってるんです。
このシーンでハリがブチギレてるのが私の中で凄くカワイイなと思ってます。ハリかわいいよ。よく我慢してるよね。
急に不穏になって811へ。ジェットコースターですいません。
■8-11
13068文字
■8-12
6028字。
http://kogu.blog.shinobi.jp/Entry/1396/この記事に反省文書いてるので軽く。
・ミソラとタケヒロ
については上の記事でけっこうちゃんと書いてる気がするので
・グレンとトウヤ
810で遠征に誘われたトウヤの反応の話の続きなんですが
>ちりちりと線香花火が焦れるように、胸の奥に光が散って、先程の言葉が蘇る。なんならお前も来るか。だから、俺の遠征に――そうだとして。一体、何が、変わるのだろう。
トウヤにとってグレンの誘いっていうのは『光』だったんですよね。分かりますか。でも、『一体、何が、変わるのだろう。』、そうなんですよ。
> リナは。勝つだろう。グレンが何をしようが、ミソラが何をすまいが、タケヒロが何を足掻こうが。散々試合を見せられてきたトウヤなら分かる。ミソラが一言も口を出さなくったって、リナが絶不調だったとして、どんな大番狂わせの先にも、この組み合わせなら、リナが勝つ以外の結末はない。
何も変わらない。考えるだけ無駄だ。
> 期待するだけ無駄なら、無駄に期待させるものをいっそ切り捨ててしまいたい。そう思う程、自分でも知らぬ間に、何かに追い詰められていた。
トウヤはもうこの時点で完全に思考停止しているんだ。
手を差し伸べられたって、それを握れるだけの気力がない。握っていいとも思っていない。そういうことなんです。
このくだり凄く好きなんだよなあ。トウヤとグレンの微妙な関係性が本当~に大好きなんですよ。その微妙~な関係性がここで外殻が剥がれて、今まで避けてきた何かをぶつけあってしまった、最後はお互いに躱したけれど、それがこれからどう出るか。
テラの話はちょっと引っ掛かってる読者様がいらっしゃったのかどうか。トウヤのテラに対する扱いって言うのは結構酷かったんですよね。懐かれて連れて帰ったのに勝手に手放して勝手に一時的に取り戻してベッタリ懐かれてうんざりしている。トウヤのポケモンの扱い方って完全に善人ではない。でもうんざりしながら可愛がるし情を移すじゃないですか。なんかね。
師弟戦。
ミソラはトウヤは本気の時ハリを出すだろうと思っていて、前は本気のトウヤを倒したかった。でも今は、負けたい、トウヤに『倒されたい』。トウヤがハヤテを繰り出したのを『手抜きだ』と考えていた、ハヤテにならリナが勝ってしまうかもしれないと思っていた。トウヤがハヤテを使って負けようとしていると考えた。だから「ハリを出してください」と言った。
対してトウヤは、813の話になりますが、 >力量の差を身体に叩き込んでやることも、きっと大事だった。 ミソラをボコボコにする気でハヤテを出した。ハリではなく。
トウヤの相棒はハヤテなんですよ(8-4)。トウヤのエースはハリなんですけど、相棒はハヤテなんですよ。
なんかね、そういうことなんです。
リューエルのシーンについてもちょっとだけ
ゼンはトウヤの何なの?って思いません?いや~なんなんでしょうね。気になりますよね(棒読み
> どっちもまだガキだろが。そう小さく吐き捨てる。いい歳の大人? 大人が『ファイヤぁー』だなんて言うものか。
私の創作モチーフの中で最も大きいと言えるかもしれないものが、
「大人びてる子供と子供っぽい大人」
っていう組み合わせなんですよね。
トウヤは子供っぽい大人、大人になりきれていない大人、っていうキャラクターの中では、すいむさん史上最も象徴的なキャラクターになってる。トウヤの中には10歳のトウヤ、砂漠で蹲る少年が、まだ生きている。だから、トウヤのことを『子供』だと言わせた、このシーンと、8-11のアズサの台詞もそうなんですけど、それは感慨深かったな。
■813
11707字。
ここねえ。(語彙力
8章はね、ほのぼの回だったんですよ。何度でも言いますが、8章はほのぼの回だったんです。
この8-13を書くためにいろんなことがあって、この8-13を超えた先に、この先の物語があるんですよ。この回っていうのは雨降って地固まるではない(実際固まったかどうかは……)けれど、場所や心がバラバラになりかけていた4人が、少しずつ合流して、元のところに集まって、当たり前の日常を取り戻した回なんだよ。
ミソラはちょっと病みを引き摺っていたけれど、トウヤが結構けろっとしてるのに違和感を覚えられた方がいらっしゃったかもしれない。どうだろう。トウヤのパーソナリティってのは基本がこうで、年少者の前ではしっかりしようとするんだけれども、それよりも、トウヤは『ミソラを倒した』、つまり『ミソラを止めた』ことによって一歩通常モードに戻ったんですよね。だから心の中に覚束ないモノや『砂漠の中で蹲る少年』や不安な気持ちって言うのは残っているんだけど、それを外に見せないでも歩けるくらいにはメンタルが回復している。なんでそれが出来たかって、タケヒロのお陰なんですよ、ね。ね。ね、タケヒロ。タケヒロが頑張ったからさ。無駄じゃなかったよ。頑張ったね。
ボールマーカーの話、タケヒロとの会話、虹を見つける、そんなことを通して、だんだん元気を取り戻していくミソラがカワイイなあと思うし子供だなあとも思う。虹のシーンってミス〇ルの『口笛』のパロだったんでいらないっちゃいらなかったんですけど、結果トウヤとタケヒロを二人きりにさせて、二人にグータッチさせることができたからよかったかな。タケヒロがトウヤと和解する。描写がちょっと流れ気味なのが心残りなんだけど、ここは大切にしたいシーンだなあ。
えーっとおっぱいの話もしたほうがいいですか?ここ以外に入れる場所なかったんです。察してください。こんだけらくがきまんがで弄ってきたのに本編で弄らない訳にはいかないでしょう!!(?
本編でタケヒロがふともも派であることは明記してるんですが、実はトウヤが巨乳派ではないこともそれとなく書いてあるシーンがあったりします。へっ。トウヤが言い訳しながらアズサを諦めようとする直後にかなやんの『見た覚えもない豊満な胸へ思いを馳せて真顔に戻る』ところが凄く好きです 最初触った覚えもないって書いてたけどさすがにゲスいのでやめました。でもこの描写一応意味があるんです。
話が動き始める。クスリの話を調査しにヒガメに行く、その上で姉に『話したいことがある』と言って会いに行くことを決めたトウヤ。
トウヤの様子は前よりずっと穏やかで、話も和やかな時間の中にちゃんと成立している。でも何かが変わっていく予感がする。その予感に包まれながら、この一瞬を切り取って保存する為に、トウヤがカメラを構えはじめる。
>温かい。僕の立っている場所は、今、こんなにも温かい。
烏滸がましいなあとも思うんですよ、トウヤって火種だからさ。でもこの人ってそうなんだよね。
この全員で写真を撮るシーンもずーっと書きたかったところで、ここもお気に入りになりました。こういうシーンで終わったから、私の中の8章満足度が高いのかもしれないなあ。トウヤの中の満足度が高いっていうか、なんか、そんな感じなんでしょうね。
・バネブーの話
このバネブーが何の話だかちゃんと分かっていただけたんでしょうか?
2-6の最後、メグミが初めてオニドリルでない姿を披露したのがバネブーなんですよね。アヤノのグレイシアと対峙しています。
このシーンに関して語れることはあんまりないな。でも、ミヅキのこの顔を見て、エトは「姉にも似てる」という印象は撤回しただろうなー。どうかなー。
・最後
ミソラがトウヤに駆け寄って抱き着く
このシーンで
今年を
締められたことを
とても誇らしく思います(????????
トウヤはミソラを倒して楽になったけど、ミソラもやっぱり、トウヤに倒されて楽になっている。
このままがいいんです。このままでいるのが本当はいいんですよ。
そうやって抱きしめて捕まえておくのが、一番いいんです。ハッピーエンドなんです、多分。
> 名残惜しげにしていた夕日が、つうっと細くなって、溶け切れる。しっとりとした暗闇が、順に世界を包んでいく。同じところに帰るのに、ちょっとだけ待ってくれればいいのに、行ってしまう彼の背が、暮れなずみの藍に、曖昧になる。夜に紛れていく。薄らいでいく。ふと感じる。冷たい夜だ。吹き付ける北風が顔を撫でれば、つんと針に刺されたように、鼻の奥が痛くなる。
> たまらなくなって、ミソラは走りはじめる。
> ミソラがちゃんと家の手伝いができるようになるまでは、少なくともココウに居る。彼の言っていたことを、ミソラはちゃんと覚えている。キブツから戻って、彼が部屋を片付け始めた意味に、本当はずっと前から気付いている。
> 写真を撮ろうと言い出した、あなたの真意なんて。本当は、私は知っている。
ここが凄く好きだなあ。ミソラは知っているんだよ。
これから何が起こるかなんてミソラは知っている……つもり、なんだな。
がんばって捕まえておいてほしいなあと思います。がんばれがんばれ。
>「どこにもいかないでください」
8章ミソラの台詞なんばーわんはどうしてもこれになりますよね。はぁ~。(語彙力)
それでね、
>「……逃げも隠れもしないよ」
この台詞が、最後にちょっと不穏だなと、思って欲しかったんです
ミソラじゃなくて、読者様に!
ついったあにも書いたんですけど、これで一旦最終回。そのくらいの気持ちでした。
これにて月蝕前半戦終了となってます。進行度としては6~7割くらいかな?来年どこまでいけるかな。
*
8章 だいたい145964字。
長かったかな~。7章が8万5千で5章が10万7千だったんです。長かったですねすいません。5章裏が42000なので5章よりはちょっと短いですね!(
話数そうでもないのに……1話長くなる傾向が深刻すぎる……
つーわけで来年もがんばっていきまっしょい!9章は力が入るところですがとりあえず番外から頑張ります!
よかったら来年もよろしくお願いしますね~!!!
おまけ
↑その1
8章反省会その2……続きです……長いです……逃げて……
追記から~
■8-8
7333字。http://kogu.blog.shinobi.jp/Entry/1392/ブログですがあんまり話してません
ちょっと本気で疲れたのでサクッと行きますね
>珍品を見つけた。丸首のプリントティーシャツだ。何が珍かって、これがとんでもなくダサいのである。白地の中心に不細工な水鼠が飛んでいる。何か言葉を叫んでいる。奇抜さばかり重視した趣味の悪いデザインだ、きっと注目を引くだろう。その『怒髪衝天』――文字の読めないタケヒロに、意味はさっぱり分からないが――ティーシャツを、洗濯物の山から引き摺り出す。ばさりと広げてみた。
5-6参照です!
着てやりたいグレンがとっても優しいなと思います
>スタジアムの外を困り顔でうろついていたタケヒロを拾ったのはトウヤで、字の書けないタケヒロの代わりに選手登録台帳へ記帳したのもトウヤだ。ピエロとして名が通っているタケヒロは女番とも顔馴染みだったが、その台帳を確認するや「お前苗字があったのか」と目を丸くされたのには驚いた。何と書いたのか散々問い質したがトウヤは答えなかった。一昨日の晩や、昨日こてっと潰れた姿へ湧きかけていた親しみは、ものの一瞬で掻き消えた。
そのうち拾うので覚えておいてほしい トウヤはタケヒロの苗字を知っているんです
>「今の間にか? それは凄いな。僕の弟子とは」一瞬、言葉に詰まったトウヤは、へらと口の端を歪めて従者と目を合わせた。「……とても思えない。なあ、ハリ」
>「将来はポケモンマスターだな」
3-4です。トウヤの回想の中の父親の『俺の子供とはとても思えない』『将来はポケモンマスターだな』という台詞がトウヤの口からも勝手に出てきている、っていう描写でした
グレンとトウヤの友人観の話。82から始まって、86でグレン側からの綻びが垣間見え、87冒頭、88冒頭、と続けてきて、ここで彼らの綻びがいよいよ形になって現れてくる。何の仕事をしているかさえ話せないグレン、自分の痣の話をずっとしてこなかったトウヤ。
>「ミソラに話せないことなんか、ひとつもないぜ。俺は」
タケヒロとミソラは、こうなんですよね。この二組の友人の間に流れる空気って言うのは同じ友人のはずなのに全然違うものなんですよね。何でも言い合えるのがタケヒロにとっての友人、ミソラにとってもそう。話せないことがあるなんて、お前らホントに友達なのかよ。
>「干渉されるの嫌いなんだ、分かるだろ。深入りしてこない人の方が、楽に付き合えるものを」言いながら思い至ったのだろう、矢継ぎ早に続けた。「グレンなんかは、そうだな。……タケヒロの考える『友達』とは少し違うかもしれないが」
でもトウヤはそういうグレンとの付き合いを居心地がいいと思っている。
タケヒロの心理描写って凄く楽しいし筆が乗りますね。
■8-9
10153文字
88の続きですね。
・8-9-1
>タケヒロの知っているグレンというのは、そんな汚いことをする男ではなかったはずだ。
「なんで?」
「だから……」
自分が口走ったこと、それを追及されることに、僅か焦りさえ見え隠れする。座り込んだまま、半ば唖然としてタケヒロは見上げていた。知らない誰かと対峙しているのではないか。今の様子は、それくらい身に馴染んでいない。
視線も合わせなくなった。目を泳がせながら、彼は言った。
「……あいつ、真っ向勝負より、逃げるが勝ちの野良試合が得意だろ。それが、逃げんと言うのは……」
頭を掻く。ナナナオーレを飲んだ時より、ずっと苦汁を飲まされたような。
「……下手すれば、妨害されるぞ。お前」
>「俺は忠告したからな」
「いや待てって、なんでだよ、ミソラが『誰か』を殺すのをやめたら、あいつは都合が悪いってことか?」
「だっておかしいだろ、ありゃあまるで」
>まるで、ミソラに殺させようとしているみたいだ――
このトウヤの友人であるグレンのこの言いぶりですよね そんなんタケヒロも怒りますよね
82だか83だかの雰囲気でなんとなく察していただけたのではないかと思ってたんですけど、タケヒロってトウヤのことを心底嫌ってる訳ではないんですよね。逆なんですよね。タケヒロはトウヤを信じたい、本当は。
でもトウヤを一番信じるべき(とタケヒロは思っている)友人であるところのグレンはトウヤのことを全然信用してない、ってタケヒロは思ったんですよね。ね。
>タケヒロが怒っているのは、トウヤにもそうだし、グレンにも、そしてミソラにもそうだ。けれど今朝から薄々気づいてしまったのは、それぞれに芯から怒りきれない、同情まがいの気持ちもあるということだった。俺の方が何倍かあいつを信用してるじゃねえかと、グレンがいなくなった後、タケヒロは一人で憤慨したのだ。誰かを『殺させようとしている』? ミソラに? あいつが? 馬鹿言え。んな胸糞悪い事があるか、どうせ何も考えてないに決まってるんだ。今からそれを証明してやる。
タケヒロはホント普通に良い奴だよね。なんかね。
この章はタケヒロの章だったんですけど、タケヒロっていう人はもう全力でいろんなことに首を突っ込んで、全力で振り回されていく方なんですね。彼は振り回す側みたいな賑やかさを携えているけどかなり常識人なポジションで、作中では振り回される側なんですよね。良い奴、正義、愛。なんか、正しさの塊であろうとしてるみたいな。そういうイメージなんですよ。正義のヒーロー。でも正義のヒーローって、悪を倒すでしょ。悪がないと正義のヒーローってなりたたないよね。なんかね、タケヒロって、そういう存在なんですよ。自分を成り立たせる為に悪を探しに行くみたいな。分かる?
こっからのトウヤとタケヒロのやり取りは本当に苦しみました、書くのが。トウヤをどこまで気味悪く書くか、どこまで狂ってるように書くか、っていうのが凄く悩んで、結果初稿よりかなりマイルドなとうやになりました。月蝕に劇的な瞬間はいらねえんだ、そういうことなんだ。でも読み返すと充分気持ち悪いですね。
ここでヤミカラスを倒してミソラが喜んでる戦闘描写のえげつなさは結構好きです。うまくいってますね。そうこうしている間にミソラはタケヒロにとってどんどん遠い存在になりつつある。
>「雛鳥は、親に死ねと言われれば、黙って死んでくれるのか?」
トウヤのこの捨て台詞が5-10あたりの彼らしくって凄く好きです
ちなみに刷り込みの話は2-5でもタケヒロが話していますね。正直あのときはここで拾う事になるとはおもってませんでした。(拾えてない
>「人とポケモンは、何が違うんだ?」
1-16ですね。
>「何が違うんでしょうか……」
「え?」
「人とポケモンは、何が違うのですか?」
このミソラの台詞ですね。気付いてくれたかな?
この時トウヤはミソラに答えを出せなかったんだよね。「変なことばかり気にしているようだが、お前が知らなければいけないのは、もっと実用的なことだろう?」って結論付けて投げるんですよね。ね。
・8-9-2
時間が巻き戻って、6章でミソラが「殺さなければいけないこと」を思い出し、トウヤがキブツから戻ってきた、その夕方の出来事です。
このシーンで、例えば8-7の写真をゴミに出していたトウヤが何を考えていっぱいいっぱいになっていたのか、なんとなく察して欲しかった。どうですか?ダメですか?ダメかあ~!!!!(
>十二年分の、色鮮やかな夢の砂漠に、少年は蹲っている。
> トウヤは俯いて、瞼を閉じた。きつく閉じて、ぎゅうと閉ざして、震える唇を噛みしめて、何度も何度も、誰かに祈った。信じちゃいない神に祈った。夢であれ、夢なら醒めて、そうでないなら全部巻き戻して、頼むから、お願いだから。瞼の裏の少年が振り向く。怖々と目を開ける。陽の色。少女のように揃えられた爪先。上げた視線の真ん中で、滑らかな蜜の光を浴びながら、金髪と、濡れた睫毛をきらめかせて、ミソラはまだ、微笑んでいた。心許なげに、消え入りそうに、微笑んでいた。
トウヤは、力無く、眉尻を下げて。笑い返して、頷いた。
『分かった』
この辺が印象に残ってくれたら嬉しかった。どうだろう。
このパートで反省してるのがトウヤの「後悔しないか」をかぎかっこで入れなかったことです。このセリフはちょっと大事だったからかぎかっこつけた方がよかった。でも流れとしてかぎかっこつけずにつづけた方が綺麗なんですよね。参ったな。ちょっと考えてみよう。
> ああ、僕はまた、大切なものを壊してしまった。
だそうです。「また」だそうです。だいたい分かってもらえたかな。どうだろうな。
・8-9-3
あずにゃんの帰還
ここでアズサに「7章では色々とご迷惑をかけました」と言わせたくて、それを言わせるタイミングを8章中ずっと窺ってたんですが、ついに言わせられませんでした(幕間では言わせた)。
トウヤとアズサが二人でいる間のアズサが月蝕らしからぬ不審さ(?)なんですがまあなんかご都合的なところもあって……そのうちに。タケヒロと話してた時はああなのに女の子が出てくるだけでヘラヘラしだすトウヤが糞現金で糞野郎だなと思いますよね。分かります。私も思いました。好感度がさがる音がする~!!
■8-10
12679文字
ここどうだったんですか!?ねえ!!!!!!!!ねえ!!!!!!!!!!!!1教えてくださいよ!!!!!!!!!!!!!!!ねえ!!!!!!!!!!!どうだったんですか!!!!!!!!!!!!!1(叫
いやとうれん回でしたね!!!って言っていただけたんでアリガトウー!!!!って感じだったんですがちゃんと笑ってもらえましたか!?それが本当に気になります!!!滑り倒してなかったですか!?ハァ~!!
このシーンっていうのもまたずっと書きたかった部分で、でもどこに入れるかっていうのが凄く難しくてここの半ば無理矢理いれた(ので話の進行が上下上下のジェットコースターすぎてマジで)んですよ!!いやもうさっきも言いましたがトウヤのテンションの乱高下具合がうんこすぎてテメエ100000回死ね!!!!って思いませんか!?私は思いました!!!!!!!!
いやでも先にぐれんととうやね!
8章通してやってきたぐれんととうやの話の総決算は811なんですが、このシーンっていうのはその前フリとしてめっっっちゃくちゃ重要だったと思います。なんか、とうやは糞野郎なんですが、ぐれんも結構大概糞なんですよね。大人って言うのは汚いよね。タケヒロの前では散々不信感丸出しにしてたのにさ!
>昼飯の惣菜パンへばくりと食いついて、そのまま会話を続けようとする。
「はいひふあうあー」
「……何?」
喉がのんびり上下する。ごくり。
「さ、み、し、く、な、る、か?」
どうでもいいんですけど私この「口に物が入ってて喋れないのに無理矢理喋ろうとする」っていうシチュエーションがすごくかわいいなと思っています。二次元限定。
グレンが仕事の遠征にトウヤを誘う。
> ミソラを置いて、ココウを離れる。
退路を示されたのだ。半分ほどの重さが残る缶を揺らしながらトウヤは視線を落とした。今の自分は一体、どんな顔をしているのだろう。
トウヤは状況を受け入れられていないし、まだ理解できていない。グレンの仕事に自分がついていく事なんてのはタブーだし有り得ないと思っている。けれどそれを彼から持ちかけてきたこと、『退路』を示されたことに、……811に続く。
>「ここは兄貴に任せとけ」
アホか。やめろ。この期に及んで余計な事を――全ての制止が放たれる前に男は立ち上がり。
そこからあっという間の出来事だった。
「お菓子を買ってやろう!」
そう言って、子供たちの襟首を掴んだ。
ぽかんとするタケヒロ、わーいおかし、と妙にニコニコしているミソラがずるずる引き摺られ、扉の外へ放り出される。主たちが出ていくので、ポッポとニドリーナがそれに追従していく。次にグレンの手招きで、渋々とノクタスが歩き出した。緩慢な動きで戸口を抜けていく瞬間、矢庭に、ギョロッと横滑りする眼光が、ぐさり。トウヤに鋭く突き刺さった。
「健闘を祈る!」
最後に下手なウインクをばちこんと飛ばして、グレンが戸を、素早く閉めた。
この後のアズサも可愛いんですけどグレンが最高にかわいくないですか。凄いかわいいと思います。友達を完全にオモチャにしててオモチャにしてることも全部ばれてるのに全部強行して安全な場所でゲラゲラ笑った末に最後の方のシーンでその調子に乗った友人にとどめを刺してるぐれんがマジで最高にカワイイしこのやりとりが成立するトウヤとグレンはやっぱり友達なんだなと思うんですけどどうですかね。私はそう思いますね。でも彼ら自身がどう思ってるかは
正直に言いますがここからのトウヤの心理描写は読み返すたびに今でも死にそうになります私が 笑ってもらえましたか!?笑ってもらえましたよね!?そうだと言って!!!!!!!!!!
>実際のところ、トウヤはあの、彼女と別れた晩に調子づいて口走ったことを、顔を見るまですっかり忘れていた訳である。
糞野郎すぎるだろ!!!!!!!あずにゃんはあんなに悩んでたのに!!でも状況が状況だったんです!!ごめんなさい!!私が代わりに謝ります!!
駄目です 解説しようと思ってたんですが笑いが止まらなさすぎて無理です 私無理です 各自読んでください できれば笑ってください なんでシリアス続きの中にこんな回が挟まったの????
>「まさか本気にしたのか?」
このセリフが糞すぎて本当に最高に好きです いやトウヤくんは良い人なんですよ本当は。本当は良い人なんですよ。ちょっと頭の回転が遅すぎてちょっとプレッシャーに弱すぎてちょっと口が滑りすぎるだけなんです。
>まっすぐ鼻の頭に突き刺さって、卒倒した腹に転げて、そのまま床に転がり落ちたチリーンが、竜巻に煽られたような激しい笑い声を立てている。りんりんりん。りんりんりんりん。それを見た事の発端の張本人が崩れ落ちて腹を抱えて床を叩きながら爆笑している。どん。どん。
この床を叩いて爆笑しているグレンが凄い好き
>見事な投球フォームからどしんと両脚を踏ん張ったアズサが、真っ赤な顔で、涙目で、聞いたこともない凄まじい声で、吠えた。
「――死ね!!!」
このね
「死ね」っていう
2文字をね
言わせるためだけに
トウヤとアズサのあれこれ
それこそ1章2章3章からのずっとのあれこれが
存在してたんですよ!!!!!!!!!!!!!!
やっと言わせられました!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
誰かが彼に死ねって言わなければならなかったじゃないですか!そうでしょ!!アズサの仕事だったんです……!!!そうなんです……!!誰も悪くないんです……!!(???
・8-10-2
ここのトウヤとアズサのやりあいも凄く好きです。アズサが1章2章くらいの雰囲気に戻ってほしいなと思いながら書いていた。
なんかね、私は男女間の友情って凄く難しい問題だと思ってるから、トウヤとアズサはこうやって一悶着起こさないと、フラットな関係で話をさせられないなと思ってたんです。一回意識させて、一回終わらせる必要があった。この後どうなるかについてはまだ言いませんが、そういう関係性でこの先の展開に挑んでほしいなあと思ってるんです。
このシーンでハリがブチギレてるのが私の中で凄くカワイイなと思ってます。ハリかわいいよ。よく我慢してるよね。
急に不穏になって811へ。ジェットコースターですいません。
■8-11
13068文字
■8-12
6028字。
http://kogu.blog.shinobi.jp/Entry/1396/この記事に反省文書いてるので軽く。
・ミソラとタケヒロ
については上の記事でけっこうちゃんと書いてる気がするので
・グレンとトウヤ
810で遠征に誘われたトウヤの反応の話の続きなんですが
>ちりちりと線香花火が焦れるように、胸の奥に光が散って、先程の言葉が蘇る。なんならお前も来るか。だから、俺の遠征に――そうだとして。一体、何が、変わるのだろう。
トウヤにとってグレンの誘いっていうのは『光』だったんですよね。分かりますか。でも、『一体、何が、変わるのだろう。』、そうなんですよ。
> リナは。勝つだろう。グレンが何をしようが、ミソラが何をすまいが、タケヒロが何を足掻こうが。散々試合を見せられてきたトウヤなら分かる。ミソラが一言も口を出さなくったって、リナが絶不調だったとして、どんな大番狂わせの先にも、この組み合わせなら、リナが勝つ以外の結末はない。
何も変わらない。考えるだけ無駄だ。
> 期待するだけ無駄なら、無駄に期待させるものをいっそ切り捨ててしまいたい。そう思う程、自分でも知らぬ間に、何かに追い詰められていた。
トウヤはもうこの時点で完全に思考停止しているんだ。
手を差し伸べられたって、それを握れるだけの気力がない。握っていいとも思っていない。そういうことなんです。
このくだり凄く好きなんだよなあ。トウヤとグレンの微妙な関係性が本当~に大好きなんですよ。その微妙~な関係性がここで外殻が剥がれて、今まで避けてきた何かをぶつけあってしまった、最後はお互いに躱したけれど、それがこれからどう出るか。
テラの話はちょっと引っ掛かってる読者様がいらっしゃったのかどうか。トウヤのテラに対する扱いって言うのは結構酷かったんですよね。懐かれて連れて帰ったのに勝手に手放して勝手に一時的に取り戻してベッタリ懐かれてうんざりしている。トウヤのポケモンの扱い方って完全に善人ではない。でもうんざりしながら可愛がるし情を移すじゃないですか。なんかね。
師弟戦。
ミソラはトウヤは本気の時ハリを出すだろうと思っていて、前は本気のトウヤを倒したかった。でも今は、負けたい、トウヤに『倒されたい』。トウヤがハヤテを繰り出したのを『手抜きだ』と考えていた、ハヤテにならリナが勝ってしまうかもしれないと思っていた。トウヤがハヤテを使って負けようとしていると考えた。だから「ハリを出してください」と言った。
対してトウヤは、813の話になりますが、 >力量の差を身体に叩き込んでやることも、きっと大事だった。 ミソラをボコボコにする気でハヤテを出した。ハリではなく。
トウヤの相棒はハヤテなんですよ(8-4)。トウヤのエースはハリなんですけど、相棒はハヤテなんですよ。
なんかね、そういうことなんです。
リューエルのシーンについてもちょっとだけ
ゼンはトウヤの何なの?って思いません?いや~なんなんでしょうね。気になりますよね(棒読み
> どっちもまだガキだろが。そう小さく吐き捨てる。いい歳の大人? 大人が『ファイヤぁー』だなんて言うものか。
私の創作モチーフの中で最も大きいと言えるかもしれないものが、
「大人びてる子供と子供っぽい大人」
っていう組み合わせなんですよね。
トウヤは子供っぽい大人、大人になりきれていない大人、っていうキャラクターの中では、すいむさん史上最も象徴的なキャラクターになってる。トウヤの中には10歳のトウヤ、砂漠で蹲る少年が、まだ生きている。だから、トウヤのことを『子供』だと言わせた、このシーンと、8-11のアズサの台詞もそうなんですけど、それは感慨深かったな。
■813
11707字。
ここねえ。(語彙力
8章はね、ほのぼの回だったんですよ。何度でも言いますが、8章はほのぼの回だったんです。
この8-13を書くためにいろんなことがあって、この8-13を超えた先に、この先の物語があるんですよ。この回っていうのは雨降って地固まるではない(実際固まったかどうかは……)けれど、場所や心がバラバラになりかけていた4人が、少しずつ合流して、元のところに集まって、当たり前の日常を取り戻した回なんだよ。
ミソラはちょっと病みを引き摺っていたけれど、トウヤが結構けろっとしてるのに違和感を覚えられた方がいらっしゃったかもしれない。どうだろう。トウヤのパーソナリティってのは基本がこうで、年少者の前ではしっかりしようとするんだけれども、それよりも、トウヤは『ミソラを倒した』、つまり『ミソラを止めた』ことによって一歩通常モードに戻ったんですよね。だから心の中に覚束ないモノや『砂漠の中で蹲る少年』や不安な気持ちって言うのは残っているんだけど、それを外に見せないでも歩けるくらいにはメンタルが回復している。なんでそれが出来たかって、タケヒロのお陰なんですよ、ね。ね。ね、タケヒロ。タケヒロが頑張ったからさ。無駄じゃなかったよ。頑張ったね。
ボールマーカーの話、タケヒロとの会話、虹を見つける、そんなことを通して、だんだん元気を取り戻していくミソラがカワイイなあと思うし子供だなあとも思う。虹のシーンってミス〇ルの『口笛』のパロだったんでいらないっちゃいらなかったんですけど、結果トウヤとタケヒロを二人きりにさせて、二人にグータッチさせることができたからよかったかな。タケヒロがトウヤと和解する。描写がちょっと流れ気味なのが心残りなんだけど、ここは大切にしたいシーンだなあ。
えーっとおっぱいの話もしたほうがいいですか?ここ以外に入れる場所なかったんです。察してください。こんだけらくがきまんがで弄ってきたのに本編で弄らない訳にはいかないでしょう!!(?
本編でタケヒロがふともも派であることは明記してるんですが、実はトウヤが巨乳派ではないこともそれとなく書いてあるシーンがあったりします。へっ。トウヤが言い訳しながらアズサを諦めようとする直後にかなやんの『見た覚えもない豊満な胸へ思いを馳せて真顔に戻る』ところが凄く好きです 最初触った覚えもないって書いてたけどさすがにゲスいのでやめました。でもこの描写一応意味があるんです。
話が動き始める。クスリの話を調査しにヒガメに行く、その上で姉に『話したいことがある』と言って会いに行くことを決めたトウヤ。
トウヤの様子は前よりずっと穏やかで、話も和やかな時間の中にちゃんと成立している。でも何かが変わっていく予感がする。その予感に包まれながら、この一瞬を切り取って保存する為に、トウヤがカメラを構えはじめる。
>温かい。僕の立っている場所は、今、こんなにも温かい。
烏滸がましいなあとも思うんですよ、トウヤって火種だからさ。でもこの人ってそうなんだよね。
この全員で写真を撮るシーンもずーっと書きたかったところで、ここもお気に入りになりました。こういうシーンで終わったから、私の中の8章満足度が高いのかもしれないなあ。トウヤの中の満足度が高いっていうか、なんか、そんな感じなんでしょうね。
・バネブーの話
このバネブーが何の話だかちゃんと分かっていただけたんでしょうか?
2-6の最後、メグミが初めてオニドリルでない姿を披露したのがバネブーなんですよね。アヤノのグレイシアと対峙しています。
このシーンに関して語れることはあんまりないな。でも、ミヅキのこの顔を見て、エトは「姉にも似てる」という印象は撤回しただろうなー。どうかなー。
・最後
ミソラがトウヤに駆け寄って抱き着く
このシーンで
今年を
締められたことを
とても誇らしく思います(????????
トウヤはミソラを倒して楽になったけど、ミソラもやっぱり、トウヤに倒されて楽になっている。
このままがいいんです。このままでいるのが本当はいいんですよ。
そうやって抱きしめて捕まえておくのが、一番いいんです。ハッピーエンドなんです、多分。
> 名残惜しげにしていた夕日が、つうっと細くなって、溶け切れる。しっとりとした暗闇が、順に世界を包んでいく。同じところに帰るのに、ちょっとだけ待ってくれればいいのに、行ってしまう彼の背が、暮れなずみの藍に、曖昧になる。夜に紛れていく。薄らいでいく。ふと感じる。冷たい夜だ。吹き付ける北風が顔を撫でれば、つんと針に刺されたように、鼻の奥が痛くなる。
> たまらなくなって、ミソラは走りはじめる。
> ミソラがちゃんと家の手伝いができるようになるまでは、少なくともココウに居る。彼の言っていたことを、ミソラはちゃんと覚えている。キブツから戻って、彼が部屋を片付け始めた意味に、本当はずっと前から気付いている。
> 写真を撮ろうと言い出した、あなたの真意なんて。本当は、私は知っている。
ここが凄く好きだなあ。ミソラは知っているんだよ。
これから何が起こるかなんてミソラは知っている……つもり、なんだな。
がんばって捕まえておいてほしいなあと思います。がんばれがんばれ。
>「どこにもいかないでください」
8章ミソラの台詞なんばーわんはどうしてもこれになりますよね。はぁ~。(語彙力)
それでね、
>「……逃げも隠れもしないよ」
この台詞が、最後にちょっと不穏だなと、思って欲しかったんです
ミソラじゃなくて、読者様に!
ついったあにも書いたんですけど、これで一旦最終回。そのくらいの気持ちでした。
これにて月蝕前半戦終了となってます。進行度としては6~7割くらいかな?来年どこまでいけるかな。
*
8章 だいたい145964字。
長かったかな~。7章が8万5千で5章が10万7千だったんです。長かったですねすいません。5章裏が42000なので5章よりはちょっと短いですね!(
話数そうでもないのに……1話長くなる傾向が深刻すぎる……
つーわけで来年もがんばっていきまっしょい!9章は力が入るところですがとりあえず番外から頑張ります!
よかったら来年もよろしくお願いしますね~!!!
おまけ
それでは突然ですが8章まったり反省会年末大精算verを開催したいと思います
・8章ねたばれ含!
・らくがき含!
・長いかな?どうだろう!→死ぬほど長いです。だいたい20000字くらいあります。俺の事はいいから逃げろ!!!
・とりあえず追記注意!
8章~!!
8章でしたね。この表紙絵は詐欺でした。
こないだも言いましたが
こういう構図で描く予定だったんですよね表紙絵。そういう回だったんですよね、トウヤとタケヒロの回だったんですよね。
■花の形のいかりを上げて
一応8章に含めさせてください。11294文字。
これの話どっかに書いたっけ?死ぬほど苦戦したんですよ。まあ復帰1号だったのでしゃあないんですがすいむさんとは思えないほど書きなおしたし結果お気に入りの更新分かと言われるとよく分かんないんですが 主に文章が荒れている
お話としては結構好きなんですけどね。
エトってこの通り意外と重要なポジショニングにつくキャラで、5章でもっと本当は目だってくれてないとダメだったんですけど、人からのお話聞いた感じあんまり印象付けられてないような気もして、その中で復帰1号がこれでええんか?という思いはあったんですが、まあまあ。
この話ホントはハシリイスタジアムでのバトルシーン(ノクタスVSアキトのピクシーでかなり頑張ってたのでどっかに投げたいけど投げる場所も無い)があったりカナミがエトの部屋の前で泣くシーンがあったりしたんですが、色々と変更して。
とにかく文章が荒れてるんですよね。エトって読者的には良く分からないキャラのはずで、情報量も多くて、こんだけ文章が荒れてるとまあ良く分からない話だったんじゃないかと思ってます。反省。まあ……まあ仕方ないんですけどね。自分に甘い。
> くっきりと、脳裏に色濃く焼き付いた、茹だるような熱帯夜。
ここのパートだけは、最初に書いた分から変わってない。このパートが軸にあって組み上がった話なんですよね。
エトから見たトウヤって、ココウ組から見たトウヤとはまた別の人だし、ミソラがトウヤに向ける憧憬よりもっと純粋で心地良いんですよね、多分。トウヤ自身も、10歳以上離れてるミソラやタケヒロに対する兄貴観よりも、4つ下のエトに対する兄貴観の方がおそらく気に入っていて、滅多に会わないっていう距離感もさることながら、「自分に張りあってくる存在」っていうのは凄く可愛かったんじゃないかなあと思っている。無論カナミの弟だからってのはあったけど、ココウに「弟分」が存在してないトウヤはそれ以上にエトを世話してやりたかった。エトは張りあっているけど、負けたくないと思ってるけど、一方で負かせないことは心のどこかで認めてるし、「負かしたくない」とも思っている。追いかけている背中を追い越したときのことを、まだ想像できてないっていうか。
エトがトウヤの事を気に入ってたのは、この話の中に書いてあることも、5章の中で書いていたこともそうだけど、無意識的なところで「姉の心を手に入れた人だから」ってのはあったんじゃないかな~。かわいいよね。
実は初稿はマリー視点からの一話だったので、こういう形にしてマリーの出番を削ってしまったのはとても反省しています。ごめんなマリー。
終盤の文章が特に荒れてて申し訳ないんですが、カナミが存外に黒いっていうことだけ伝われば満足です。カナミが妊娠してるっていう話は8-5まで伏せていたかったので、それを隠してここを進めるのに結構四苦八苦しました。結果よく分からない出来に……アーーよく分からないばっかりだ!!この更新分はあんまり読み返したくない文章です!!
結構勢いだけだけど勢いも勢いきれてないみたいなとこあるんですが、まあ台詞は良いの多いからいいんです。いいや。次!
■8-1
11945字。
・8-1-1
ゼンが色々やるところです。
ここね、2015年に書いた文章ですね。いつだったかは忘れたけどここだけは昔描いた文章だったんです。だから文がかなりしっかりしてるですよね。お気に入り。
8-1ゼンパートの前半と後半で漢字の開き方が全然違って、見た目や文体の雰囲気がガラッと変わってるのが結構うまくできてるなあと思います。
バクフーンのアサギ。両親と一緒に死んだのかと思ったと言われましたが生きてます。リューエル実務部所属、優れた戦闘員だった若宮京子(とうやの母親)の最も愛したポケモンで、彼女の死後そのままミヅキが引き継いでいる、という設定。途中で話が出てますがミヅキは現在アサギの他には「手持ち」を持っていません。
この辺の描写が凄すぎるんですよね
>再三息をつく、薄い唇。淡く透き通る肌。近づいて見ることができるなら、彼女の静謐な美しさは、必ず網膜を焦がすだろう。
> ……肌に触れることを、許された時。どこか無念でならなかった。重ねた手が冷やかで、あの太陽が既に死んでいることを、認めざるを得なかったから。『花の骸』。硝子の内で凍てつくだけの、彼女は呼吸を忘れた花。
>手を、重ねられたとしても。ぬくもりを、腕の中に抱いたとしても。
二人で居ればまるで、ただの『一人』と『一人』だった。ミヅキとゼンは、アヤノの言っていたような『幼馴染』でもなければ、まして『良い人』だってない。ただ、美しく扇情的な身体と、相反して無残に焼け爛れたその心を、なんとなく知っているだけだ。
2015年のすいむさん凄すぎじゃないですか?確か刀l剣l乱l舞のホlモ小説を読み漁っていた頃だと思います
> 影が重なり、距離が無くなる。二人の温度が、吐息が、蕩ける。手触りの良い髪を掻き撫でると、消え入りそうな音がする。
すいむさん渾身のキスシーン(よくできてる
> こんなにも傍にいるのに、そこにいるのに、彼女はいつも、誘われるように孤独になる。
この表現が好きですよね。花の骸。と、誘われるように孤独になる。この2つが好き。これらのゼンの言葉がミヅキちゃんの真実を表しているかどうかはともかく。
・8-1-2
ミソラがスタジアムで10連勝を目指して快進撃をしていますという話。ここの冷凍ビームのくだりが8-11に繋がってたんですがいかんせん間が空きすぎました。
トウヤがベンチで寝てるあたりのシーンも凄く書きなおした記憶。トウヤの昔話を始めるといくらでも字数が増えていくのでどこを掻い摘むかすごく悩んでいた。
>とろんと目尻を下げ、柔らかそうな表情を、ふにゃりと溶けさせる笑顔。褒めてやれば必ずそういう反応を示すミソラが、まるで恋にでも落ちたかのような盲目さで自分を慕ってくれていること、これをトウヤはいよいよ自覚せざるをえなかった。
自分で書いといてなんなんですがやっと自覚したのかと思いますよね。しかも自覚が足りないと思います。ミソラが病んでしまうぞ~(8-6
スタジアムの女番 この人は前言ってた外伝とかでトウヤと絡みがあるんです 友情出演っていう感じです
>「喧嘩なんか出来るように見えます? 僕ももう良い歳だ」
「穀潰しがよく言うぜ」
「穀潰しに貴重な小遣い稼ぎを提供してくださって、どうもありがとうございます」
トウヤがこういう口の利き方ができる相手って言うのはそんなにいないよね。
・8-1-2
雨! 砂漠小説じゃなかったのかよ!
文中にも書きましたがミソラが年甲斐の子供らしさをトウヤの前でも出せるようになってきたのではないかなあと思う。
トウヤがタケヒロの胸元に傘の柄を突っ込む流れはスッゴイ前から存在してたので結構感慨深かったな!笑
8-1前半はちょっと重かったんですがその分後半はポップに仕上げてみました(事は深刻)。8章はほのぼの章ですからね。
■8-2
7728文字。意外と短いな!
いっぱい喋ることがあります
・8-2-1
トウヤがハギさんに頭を拭かれるシーンです
ここ!!!!!!!!!!!!!!!ここをな!!!!!!!!!!!!ずっと!!!!!!!!!!!!分かる!?!?!?!?!?!?!分かるでしょ!!!!!!!!!!!!!分かって!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
全力で押し負けて子ども扱いされるトウヤが最高にカワイイとかじゃなくて二人が親子なんだなっていうのが分かるじゃないですか!!!!!!!そういうシーンって実はあんまりなかったかなーと思う。でも親子なんだよな~。トウヤの内心はどうあれ実際問題親子なんだよな~って思いますよね~。ね~。ホントにね~ね。ずっとね。ね。
ちなみに22歳児っていう表現は〇谷〇史さんがよく使われていた表現を流用していました。
・8-2-2
雨漏り。結局雨漏りに意味があったのかと言われると813の「僕が直してやろうか」のくだりをやるために要ったんだとしか言えません。
タケヒロが普通に家と来る冬の心配をしてるのに無邪気に雪楽しみ~♡っていうミソラが若干キャラ崩壊してるような気もしますが多分気のせいです。今読み直してん……?って思いましたが大丈夫です。大丈夫でしたか?(不安
>「僕、覚えてるのって、春からだから、丁度一年。タケヒロと出会ったのも、お師匠様と出会ったのも、やっと一年だ。タケヒロ、最初の頃のこと、覚えてる? タケヒロが僕を助けてくれて、『最強の呪文』を教えてくれて、それと、すごい喧嘩したんだよね、僕ら。あれから一年だなんて、なんか、嬉しいよね」
言うて春ってまだ半年先なんですよね。まだたけみそが出会ってから半年くらいしか経ってません。まだ1周年とかじゃないです。この辺の台詞はちょっと変だった。反省。
・8-2-3
シャワーシーン
弁明させてください
この章ね、ケロマツが出てくる予定だったんですよ!!!
そのケロマツがこのシャワー中のトウヤの背中に飛び掛かってくるシーンがあったんですよ!!!!
その名残りであって別に脱がせたかったんじゃないんです!!!!!!!!!!!!!!
別にトウヤの全裸描写にあんまり色気を感じないのでシャワーシーンなのにびっくりするほど色気がなくて笑います。
このシーンには意味があったんだろうか……いやあるんですけど 内面描写ばっかりだけどその内面描写がけっこうとびとびでややこしいですね すいません トウヤが眠すぎて思考回路がおかしくなってるので許してください
>頭を拭われた。温い手だった。気持ちが良いと、思ってしまった。『あんたより先に親子になっちまった』、つい先刻喰らった言葉を反芻すれば、途端に空気が不味くなる。勿体ないほど与えられる愛情は、いまだ上手に飲み込めないままだ。それを本当に受け取るはずだったあなたの息子の、代役など、僕では務まらなかったから。
いくら親子のようになっても、少なくともトウヤの中では、「自分が代役である」という負い目はずっと付き纏っていくんだよな。
この先がヨーギラスの幻覚を見るシーン。
トウヤがヨーギラス苦手な話ってあんまり本編内にないんですが多少は入ってて(2章とかに)、誰か覚えてんのかな。トウヤの痣について「ヨーギラスにやられたんだっけ」とアズサが発言しているシーンがあるんですよ。
なんつうか、月蝕って言うのはあくまで日常小説だから、こういうシーンもあんまり劇的に過激には書きたくないっていう思いがあって、そういう意味では結構きれいに仕上がってるんじゃないかなと思います。トウヤの厨2病をできるだけマイルドに書きたい。
> ああ。やっと通った喉が、それだけの音を零す。雨音が、世界に戻ってくる。
飲もう。今日は。しこたま飲んで潰れれば、少しは眠れる。そうでないと、さすがにまずい。
長い溜め息をついて、振り返る。鏡にこびりついた曇りを手のひらで押しのけた。少しげんなりしただけの、平時の自分が、そこにいた。大丈夫。まだ、騙していられる。
この最後の一段落が好きです。大丈夫まだ騙していられる。
・8-2-4
タケヒロがトウヤの写真の二枚目を発見するシーン
ここな!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
ここはねえここはねえ、本当によくできました!!花丸!!!
8章にはここが書きたかった~って重要なシーンが何個もあってここはそのなかの一つなんですが、ここは本当に出来がいいですね。ミソラの不穏な話を挟みながらタケヒロが写真の二枚目を見つける、同時進行の若干複雑なパートで脳内シュミレーションをかなり繰り返してた部分なんですが、なかなか理想通りの物ができたなあ。描写は濃くないんですがシンプルさがむしろいいですね。あ~よくできた。すいむさんやるじゃん。
いっこだけ反省するとすれば、タケヒロは写真の方に完全に気を取られてミソラの話の後半は頭に入っていないはずなのに、8-3でそのミソラの話の後半についてタケヒロの方から切り出してくるところなんですよね。ちょっと不自然だけどまあいっかって思った。だってここの流れが完璧であるほうが私にとっては重要だったからね!
■8-3
8349文字。
ここも好きだなあ。本当に好きだなあ。
写真を見つけたタケヒロがそれを忘れようと思うとハリに宣言する一方、ミソラはタケヒロがいたって相変わらず盲目的で、トウヤはミソラに対してよりどちらかというとタケヒロの方が絡みやすそうにしていますよね。このパート、本当に日常回ってカンジですげー好きなんだよな。
トウヤとミソラは確かに「殺しの稽古」をしているはずで偶に不穏な言葉も飛び交うのに中身はまったく普通のポケモンの訓練で、終わってしまえば足を洗って家に上がるような普通のシーンだったり、
>見た目よりついてるんだぞ、触るか? と二の腕を叩くトウヤを完全に無視して、夕飯前に持ってきていた山のような雑巾で床を拭きはじめるタケヒロ。おろおろするハヤテの首に抱き着いて、ミソラはけらけら笑った。解放されたリナが水たまりの上を颯爽と踏み抜けていく。だめでしょ、リナ。主人の言葉を全然聞いてない風なのは、左側から話しかけたからなのか、単純に無視しているのか。絶対後者だけれど。
> こらこら、とトウヤは気ままな小兎を気のない声でたしなめながら、足癖悪く雑巾を引っ張って、濡れた足跡を拭いた。仕方なくミソラがリナを追い、リナはますます駆け回る。タケヒロとしては普段はもう寝るような時間なのだが、明かりのある『家』に住んでる連中は、こんなに遅くまで騒がしくしているものなのだろうか。
この辺のポケモンのいるわちゃわちゃ感がスゲー好き。
全部好きなので何を話していいものかってカンジなのでやめます。3話にして感想(?)書くの疲れてきた。
・8-3-2
ここな。(こればっかり)
ミソラとタケヒロの中に存在するギャップっていうか、そういうのが、堪らなく、堪らないよね。堪らないんだよね。うんうん。ここの心理描写完璧ですよね。私82~83大好きなんですよ。
「起きてる?」から始まる子供らしい密かな幸福さが好きで、「殺すとか、言うの、やめろよ」から少しずつその幸福さがミソラの中から消えていくのが好きで、ミソラがさらさらと喋りはじめるところが好きで、なのに最後には声が微かに震えている所が好き。それを一生懸命受け止めてなんとかしようとするタケヒロのお節介すぎる良い奴さが大好き。
> 理由。理由がいる。考えろ。時間がない。どんどん離れてしまうから、届かなくなってしまうから、だから、だからその前に。昔の『僕』とやらに怯えて、けれど日常を失うことに心を揺らしてくれたミソラの、殺さなくてもいい理由。
皮肉だった。殺しを語られた時の嫌な言葉ばかり、タケヒロには蘇っていた。
戦える力って、大事だよ。
力がなきゃ、何も出来ない。
そうだな、ミソラ。俺は力がないから、ロッキーを救えなかったな。俺は戦う力がないから、好きな女も、守れなかったな。
ここだな~。
■8-4
13393文字。
ここがねえ難産だったんですよ!この回って説明回なんですよ、どこがって、全てが!こんなことがありましたねっていう回だったんです!所謂総集編なんですよね!!!
総集編なんであんまり話すことも無いんですが、
・8-4-1
>「だから、相棒はハリなのかと思ってました」
>「人のものを相棒とは呼べないだろ」
>「『人のもの』?」
そう問い返した時、トウヤは何故か、え、と困惑気味に顔を見せ。
そして、ミソラと、その斜め後ろに控えている、緑色の手持ちへと目を合わせて、
「ああ、そうか……僕の手持ちじゃないんだよな」
吐き捨てるような、うってかわって空虚な声で、そう言った。
ここについてはまあ一応触れといたほうがいいですかね まあ触れたところで何も喋れない的な所はある
真実はさておき、この後の部分で「言っちゃいけなかったんじゃなかったのか」みたいなトウヤ視点の描写があることからも、トウヤの頭が普通にヤバイことになってるっていうことが伝わったら何よりです。眠たい。あとハリの内心もかなりヤバイことになっているはずだ。
>胸の内側で、何か汚泥を堰き止めていた壁が、皮一枚まで削れている。そんな映像が見えた。例えば、誰かが爪先で引っ掛けるならば、簡単に決壊してしまう。虚しく氾濫する澱みの奔流は、縫っても、縫っても、また別のところで皮を破る。とめどなく溢れ出て、そうして僕は、どんどんからっぽになっていく。
どっかでも言いましたが、この「爪先を引っ掛ける誰か」がカナミさんだったんですけどね。8-5に続く。
あーあとリゾチウム……なんでリゾチウムを採用したのかっていう話なんですが まあまた後日機会があれば 最初はタウリンだったんですよ。ちなみにまだこれらの道具が正規品としてフレンドリーショップとかで販売されてない世界の話だと思って欲しいです。
名探偵ミソラくんのあたりは理解してもらえたんだろうか。まあ本筋ではないので理解できなくても問題ないんですけどまあ気になったら聞いて欲しいです。これ以上説明する気力がありません。
>「そういえば……前、バクーダとお師匠様が戦ったとき、凄く体調を崩されて……あの時は相手の方が『毒を盛った』って噂されてて、けど……その後、『薬』を飲んでいましたよね。机の上に出てるのを見たんです。爆心の近くで飲んでた、眠くなると仰ってた白い錠剤です、あれ、ずっと気になっていたのですが」
この話を、ミソラはハシリイでもしようとしているんですよ。
5-6の終盤なんですが
>「前、スタジアムでバクーダと試合をした時に、調子を悪くされたことがあったじゃないですか」
>「あの後、バクーダのトレーナーさんが私に話してくれたんですけど……」
>「毒を盛ったんじゃないかって、スタジアムのトレーナー達に疑われてたそうなんですよ」
「は?」
「あの……私、もしかしたら、その毒って……」
この部分ですね。その毒って『灰』と似たものなんじゃないですかって聞こうとしてたんですよねミソラは。
この話の直後にトウヤが体調を崩して近隣の店に吐きに駆け込むんです。その直前に色々言ってるので興味があったら読んでみてください。
・8-4-2
>「邪魔だ、帰れッ! 話にならん!」
「怒鳴っても帰らねえけど。そういうタイプじゃないだろ、無理すんなよ」
「じゃあどうやったら帰ってくれるのか頼むから教えてくれ」
グレンとタケヒロのこういうところが好きです。子供には結構タジタジだったりするグレン氏。
このパートの頭でグレンが突然脱ぎだしたのは82でトウヤにぬがせたんだからグレンも脱がなアカンやろみたいなアレです(?
■8-5
13526字。
■8-6
17026字。長ッwww
ここに関しては好きすぎて http://kogu.blog.shinobi.jp/Entry/1389/ ここで死ぬほど熱く語ってるので割愛します。何回でも語れるけどそんなに暇じゃありません。暇じゃなかったらこんなにつらつら自作の感想書かねーよ!へへへへ(???
■8-7
13011字。http://kogu.blog.shinobi.jp/Entry/1391/ここでもちょっと話してます。
さっきも書きましたがこの更新分はお気に入りですね~。86もお気に入りなんですけど。ずっとお気に入りですね。へっ。
・8-7-1
ここが最高なのは
>――しあわせだ。腹の奥からこみあげる、そんな実感が、不思議なくらいに懐かしかった。よく覚えていないが、昨日の晩は、きっと楽しかったのだろう。頻繁に数人集まっていた頃みたいに、騒いで笑って、潰されて寝て、ついでに夢でも見たんだ、多分。だからこんなに、夢心地にふわふわして何も考えたくなくて幸せで、いっそこのまま死んでしまって構わないなんて、思っているんだ。
寝起きのトウヤがグレンの寝顔を見ながらこう考えている一方、8-6のグレンはトウヤの寝顔を見ながら
>苛立ちが目を細める。これ以上近づかない方がいいと、理性が囁いていた。死んだように眠る弟分の顔を間近に見れば、荒れ果てた己の屈辱が、それを思い切りぶん殴って、胸倉を掴んで、どんなに汚い言葉で罵るのだろうか。それはとてつもなく、怖いことだ。
> こんなことがあってたまるか。苦し紛れの拒絶反応は口の中でまごついている。精神を鎮圧してくれる煙草は、いつもの効果を発揮しなかった。怒りと空虚を煽るばかり。知ってたのか、お前。どうするんだ。今すぐにでも抱え上げて、遠くへ逃げればいいじゃないか。次々と上滑りする言葉は寒々しく、返す者のない空間で霧散する。増幅していく感情は、末恐ろしかった。こんなにも人間に入れ込んでいたなんてな。あの言葉は、今や急激に弧を描いて、己の胸に突き刺さろうとしていた。
こういう風に考えているんだっていうこの二人の圧倒的なズレです たけみそもかなりズレてるけどとうやとグレンは更にズレている
このへんの描写はちょっとくどかったですかね。綺麗に書こうと思ってウェブリオ見ながら頑張った記憶しかありません。でも今見返すとちょっと字面が重すぎるな。もうちょっと漢字をひらいた方がよかったですね。
>シーツに包まれた小さな体、投げ出された白い脚。柔に閉じられた瞼、頬、作り物のように綺麗な寝顔。その横、今にも転げ落ちそうな体勢で寝ている少年のことも目に入れて、静かに、身体の隅々に染み込ませるように、トウヤは記憶を辿っていく。ビールケース。霧雨。夜のココウ。スーツ、魚、電話のむこう。浮ついていた爪先が、ひたりと地面に触れる、冷やかに現実を呑み込んでいく。
幸福感に浸っていたトウヤがミソラを見つけて現実に戻っていくシーン。今という時がだんだん受け入れがたいものになりつつある。
メグミのテレパシーについては時が来たら話します。何度かテレパシーを利用しているシーンがあって、分かりやすいところだと、ハシリイで元気がないまぁちゃんの話を聞いているシーンですね。トウヤはあのシーンでポケモン達と一緒に居て、ポケモンが笑うのに「一拍遅れて」笑い出すんですけど、メグミの通訳を挟んでるからワンテンポ遅くなってるんですよね。
・8-7-2
リューエルとエト。
色々言いたいこともありますがここも文章が重いですね。結構重いね全体的に。
ミヅキちゃんのキャラクターについてはどうするか迷ってて、まだなかなか定まりきってないところもあるんですけど、その定まってなさがまたミヅキちゃんらしいかなあと思う。
影が薄いんですが第7部隊隊長のイチジョウさんが凄く好きです。彼は3章からずっとアヤノさんと一緒に行動していますね。
・8-7-3
(いよいよ疲れてきた)
こ
こ
が
す
ご
い
好
き
な
ん
で
す
よ
はい そうなんです なんだろうな
> さあ、始まりました、楽しい朝ごはんの時間です。
これが書きたかったっていうのはあったんですけど、おばちゃんに温かさを貰う、ミソラに恩を売られる、その身で人間としての尊厳を喪失した行動を取らざるを得なくなっている、その中で、写真を捨て始めるところまで、全体として描写が嫌に明るいんですよね。それが好きなんです。鬱通り越してテンションハイみたいになってるんです、深夜テンション的な。そうなんです。そういうところが凄く好きなんです。
> 両親が生きていたら、今の僕を見て、どんな顔をするのだろうか。
その想像がおかしくて、トウヤは一人で笑ってしまった。やっぱり嫌だろうか、情けないと言うだろうか。母さんは多分、言うだろうな。みっともないと怒るだろうし、泣くかもしれないし、叩かれるかもしれない。でも、父さんは、きっと笑ってくれるだろう。げらげら笑って、腹を抱えて笑って、さすがは俺の息子だと、涙が出るほど笑うだろう。そうやってひとしきり笑い飛ばしてから、僕に聞くんだ、絶対。それでどれが一番うまいんだ、って。父さんにも食わせてくれって。嬉々として言うに決まってる。それを聞けば、母さんはまた怒って、下手したら父さんも殴られるんだ。
ああ、――絶対そうなる。おかしいな。立ち上がって、ぽんぽんと上機嫌に頭を撫でられたハリが、また無表情に彼を見上げる。トウヤは部屋の向かいの、ミソラが使うベッドの下に手を突っ込んで、畳まれたゴミ袋を取り出した。
引用が長くてすいません
ハイなんですよ わりとヤバイことになってるんですよ
> 手始めに、無造作に並べられている写真立ての中から、青いフレームを選んで取った。
色褪せた、うすっぺらい紙の中で、大好きな父と母に手を取られて、無邪気に笑う、九歳の子供だった自分。
父さんは、母さんは。今の僕を見て、一体何を思うのだろう。
一瞥して、すぐにゴミ袋に放り込んだトウヤに。ハリは静かに目を見開いた。
――ある日砂漠の真ん中で、とてもきれいな子供を拾った。拾った子供は、すくすくと育って、「誰とも知らない人を殺したい」と言い出した。父さん、僕はそれを手伝うと言ったよ。母さん、僕はそれに指導をつけたよ。『人殺し』に加担する、醜くて、身勝手極まりない、酷で残忍なあなたたちの息子を。見て、何を、思いますか。
もうこの流れがね 本当にね 「ある日砂漠の真ん中で」あたりからもうね たまらないしね それを見てるハリがさあ!!
>ひとつひとつ、確認もしなかった。色とりどりのフレームの中。ハリや、ハヤテや、たまにメグミも写り込んでいる、色々な場所に行った記憶、そこで見たもの、聞いたもの、笑ったこと、怒ったこと、感じ入ったこと。すべて掴んで、囚われる前に、袋の中へ。放り込んでいった。消し去っていった。なかったことにしていった。
優しくないよ、優しくないんだ。ミソラ。胸の中で、うわ言のように繰り返したって、黙っていれば意味はない。そう勘違いさせる行動をとり続ける限り、懺悔は力を持つはずもない。ミソラ。気付いてくれよ。見限ってくれよ、頼むよ。早く。お前が慕ってる『師匠』と言う奴は、本当に屑で、下劣な悪魔か、鬼のような化け物なんだ。
もうダメ感があるし
> 黙って、呼吸をするのも忘れるように、膨らむゴミ袋に見入っているハリは。微かに震えている、ようだった。
ここなんか本当にもうダメ感がありますよね。ね。
なんかなあもうなあ、ココ切ないんですよ本当に。しんどいんですよ作者的には。彼がいっぱいいっぱいなことが伝わればいいなあと思ってるんですけどいかんせんこの時点でどうして彼がいっぱいいっぱいになるのかよく分からない読者様の方が多いんじゃないかと思うんですよ。だからこのシーンがうまく伝わったのかはホント自信ねえしよくわかんね~。よく分かんない更新分だったらホントすいません。前のブログでも月蝕史上最も意味不明な更新分だったのではって書いてますね。
>昨日の電話を思い出した。大丈夫だよ私幸せになれるよって。今更じゃん、仕方ないじゃん、って。ねえ、だから、トウヤも幸せになってよ、絶対だよ、約束だよ、なんて。
あの、馬鹿が。脳裏にあの声が過ぎった途端、急激な脱力感に襲われて、ベッドに倒れて、顔を覆った。
カナ。……散々無責任なことを言いやがって。
トウヤを決壊させたのはやっぱりあの電話だったんだよな 8章の前半は8-7までなんですけど、ターニングポイントはあの電話が鳴り始めた瞬間だったんだよな。
>おねえちゃん。呻き声が、指の隙間から漏れる。あなたは、何を言うだろう。何か言ってくれるだろうか。僕を怒ってくれるだろうか。僕を、笑ってくれるだろうか。
その、どちらにしたって。――変わらないのだ。結末は。どうやったって足掻いたって、最後に僕は、ぐるぐると、頭から落ちていくだけなのだ。
十歳の僕が待っている、あの月の夜と、地獄の底へ。
落ちていく、だけなのだから。
ここは8章の地の文では一番好きかも
トウヤの周りには実際たくさん人がいるのに、いっぱいいっぱいになりはじめたトウヤの口から漏れる名前は「おねえちゃん」なんですよね。なんでだよお前、ってね。ね。
**
え~
追記が長すぎると怒られたので
分割します
・8章ねたばれ含!
・らくがき含!
・長いかな?どうだろう!→死ぬほど長いです。だいたい20000字くらいあります。俺の事はいいから逃げろ!!!
・とりあえず追記注意!
8章~!!
8章でしたね。この表紙絵は詐欺でした。
こないだも言いましたが
こういう構図で描く予定だったんですよね表紙絵。そういう回だったんですよね、トウヤとタケヒロの回だったんですよね。
■花の形のいかりを上げて
一応8章に含めさせてください。11294文字。
これの話どっかに書いたっけ?死ぬほど苦戦したんですよ。まあ復帰1号だったのでしゃあないんですがすいむさんとは思えないほど書きなおしたし結果お気に入りの更新分かと言われるとよく分かんないんですが 主に文章が荒れている
お話としては結構好きなんですけどね。
エトってこの通り意外と重要なポジショニングにつくキャラで、5章でもっと本当は目だってくれてないとダメだったんですけど、人からのお話聞いた感じあんまり印象付けられてないような気もして、その中で復帰1号がこれでええんか?という思いはあったんですが、まあまあ。
この話ホントはハシリイスタジアムでのバトルシーン(ノクタスVSアキトのピクシーでかなり頑張ってたのでどっかに投げたいけど投げる場所も無い)があったりカナミがエトの部屋の前で泣くシーンがあったりしたんですが、色々と変更して。
とにかく文章が荒れてるんですよね。エトって読者的には良く分からないキャラのはずで、情報量も多くて、こんだけ文章が荒れてるとまあ良く分からない話だったんじゃないかと思ってます。反省。まあ……まあ仕方ないんですけどね。自分に甘い。
> くっきりと、脳裏に色濃く焼き付いた、茹だるような熱帯夜。
ここのパートだけは、最初に書いた分から変わってない。このパートが軸にあって組み上がった話なんですよね。
エトから見たトウヤって、ココウ組から見たトウヤとはまた別の人だし、ミソラがトウヤに向ける憧憬よりもっと純粋で心地良いんですよね、多分。トウヤ自身も、10歳以上離れてるミソラやタケヒロに対する兄貴観よりも、4つ下のエトに対する兄貴観の方がおそらく気に入っていて、滅多に会わないっていう距離感もさることながら、「自分に張りあってくる存在」っていうのは凄く可愛かったんじゃないかなあと思っている。無論カナミの弟だからってのはあったけど、ココウに「弟分」が存在してないトウヤはそれ以上にエトを世話してやりたかった。エトは張りあっているけど、負けたくないと思ってるけど、一方で負かせないことは心のどこかで認めてるし、「負かしたくない」とも思っている。追いかけている背中を追い越したときのことを、まだ想像できてないっていうか。
エトがトウヤの事を気に入ってたのは、この話の中に書いてあることも、5章の中で書いていたこともそうだけど、無意識的なところで「姉の心を手に入れた人だから」ってのはあったんじゃないかな~。かわいいよね。
実は初稿はマリー視点からの一話だったので、こういう形にしてマリーの出番を削ってしまったのはとても反省しています。ごめんなマリー。
終盤の文章が特に荒れてて申し訳ないんですが、カナミが存外に黒いっていうことだけ伝われば満足です。カナミが妊娠してるっていう話は8-5まで伏せていたかったので、それを隠してここを進めるのに結構四苦八苦しました。結果よく分からない出来に……アーーよく分からないばっかりだ!!この更新分はあんまり読み返したくない文章です!!
結構勢いだけだけど勢いも勢いきれてないみたいなとこあるんですが、まあ台詞は良いの多いからいいんです。いいや。次!
■8-1
11945字。
・8-1-1
ゼンが色々やるところです。
ここね、2015年に書いた文章ですね。いつだったかは忘れたけどここだけは昔描いた文章だったんです。だから文がかなりしっかりしてるですよね。お気に入り。
8-1ゼンパートの前半と後半で漢字の開き方が全然違って、見た目や文体の雰囲気がガラッと変わってるのが結構うまくできてるなあと思います。
バクフーンのアサギ。両親と一緒に死んだのかと思ったと言われましたが生きてます。リューエル実務部所属、優れた戦闘員だった若宮京子(とうやの母親)の最も愛したポケモンで、彼女の死後そのままミヅキが引き継いでいる、という設定。途中で話が出てますがミヅキは現在アサギの他には「手持ち」を持っていません。
この辺の描写が凄すぎるんですよね
>再三息をつく、薄い唇。淡く透き通る肌。近づいて見ることができるなら、彼女の静謐な美しさは、必ず網膜を焦がすだろう。
> ……肌に触れることを、許された時。どこか無念でならなかった。重ねた手が冷やかで、あの太陽が既に死んでいることを、認めざるを得なかったから。『花の骸』。硝子の内で凍てつくだけの、彼女は呼吸を忘れた花。
>手を、重ねられたとしても。ぬくもりを、腕の中に抱いたとしても。
二人で居ればまるで、ただの『一人』と『一人』だった。ミヅキとゼンは、アヤノの言っていたような『幼馴染』でもなければ、まして『良い人』だってない。ただ、美しく扇情的な身体と、相反して無残に焼け爛れたその心を、なんとなく知っているだけだ。
2015年のすいむさん凄すぎじゃないですか?確か刀l剣l乱l舞のホlモ小説を読み漁っていた頃だと思います
> 影が重なり、距離が無くなる。二人の温度が、吐息が、蕩ける。手触りの良い髪を掻き撫でると、消え入りそうな音がする。
すいむさん渾身のキスシーン(よくできてる
> こんなにも傍にいるのに、そこにいるのに、彼女はいつも、誘われるように孤独になる。
この表現が好きですよね。花の骸。と、誘われるように孤独になる。この2つが好き。これらのゼンの言葉がミヅキちゃんの真実を表しているかどうかはともかく。
・8-1-2
ミソラがスタジアムで10連勝を目指して快進撃をしていますという話。ここの冷凍ビームのくだりが8-11に繋がってたんですがいかんせん間が空きすぎました。
トウヤがベンチで寝てるあたりのシーンも凄く書きなおした記憶。トウヤの昔話を始めるといくらでも字数が増えていくのでどこを掻い摘むかすごく悩んでいた。
>とろんと目尻を下げ、柔らかそうな表情を、ふにゃりと溶けさせる笑顔。褒めてやれば必ずそういう反応を示すミソラが、まるで恋にでも落ちたかのような盲目さで自分を慕ってくれていること、これをトウヤはいよいよ自覚せざるをえなかった。
自分で書いといてなんなんですがやっと自覚したのかと思いますよね。しかも自覚が足りないと思います。ミソラが病んでしまうぞ~(8-6
スタジアムの女番 この人は前言ってた外伝とかでトウヤと絡みがあるんです 友情出演っていう感じです
>「喧嘩なんか出来るように見えます? 僕ももう良い歳だ」
「穀潰しがよく言うぜ」
「穀潰しに貴重な小遣い稼ぎを提供してくださって、どうもありがとうございます」
トウヤがこういう口の利き方ができる相手って言うのはそんなにいないよね。
・8-1-2
雨! 砂漠小説じゃなかったのかよ!
文中にも書きましたがミソラが年甲斐の子供らしさをトウヤの前でも出せるようになってきたのではないかなあと思う。
トウヤがタケヒロの胸元に傘の柄を突っ込む流れはスッゴイ前から存在してたので結構感慨深かったな!笑
8-1前半はちょっと重かったんですがその分後半はポップに仕上げてみました(事は深刻)。8章はほのぼの章ですからね。
■8-2
7728文字。意外と短いな!
いっぱい喋ることがあります
・8-2-1
トウヤがハギさんに頭を拭かれるシーンです
ここ!!!!!!!!!!!!!!!ここをな!!!!!!!!!!!!ずっと!!!!!!!!!!!!分かる!?!?!?!?!?!?!分かるでしょ!!!!!!!!!!!!!分かって!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
全力で押し負けて子ども扱いされるトウヤが最高にカワイイとかじゃなくて二人が親子なんだなっていうのが分かるじゃないですか!!!!!!!そういうシーンって実はあんまりなかったかなーと思う。でも親子なんだよな~。トウヤの内心はどうあれ実際問題親子なんだよな~って思いますよね~。ね~。ホントにね~ね。ずっとね。ね。
ちなみに22歳児っていう表現は〇谷〇史さんがよく使われていた表現を流用していました。
・8-2-2
雨漏り。結局雨漏りに意味があったのかと言われると813の「僕が直してやろうか」のくだりをやるために要ったんだとしか言えません。
タケヒロが普通に家と来る冬の心配をしてるのに無邪気に雪楽しみ~♡っていうミソラが若干キャラ崩壊してるような気もしますが多分気のせいです。今読み直してん……?って思いましたが大丈夫です。大丈夫でしたか?(不安
>「僕、覚えてるのって、春からだから、丁度一年。タケヒロと出会ったのも、お師匠様と出会ったのも、やっと一年だ。タケヒロ、最初の頃のこと、覚えてる? タケヒロが僕を助けてくれて、『最強の呪文』を教えてくれて、それと、すごい喧嘩したんだよね、僕ら。あれから一年だなんて、なんか、嬉しいよね」
言うて春ってまだ半年先なんですよね。まだたけみそが出会ってから半年くらいしか経ってません。まだ1周年とかじゃないです。この辺の台詞はちょっと変だった。反省。
・8-2-3
シャワーシーン
弁明させてください
この章ね、ケロマツが出てくる予定だったんですよ!!!
そのケロマツがこのシャワー中のトウヤの背中に飛び掛かってくるシーンがあったんですよ!!!!
その名残りであって別に脱がせたかったんじゃないんです!!!!!!!!!!!!!!
別にトウヤの全裸描写にあんまり色気を感じないのでシャワーシーンなのにびっくりするほど色気がなくて笑います。
このシーンには意味があったんだろうか……いやあるんですけど 内面描写ばっかりだけどその内面描写がけっこうとびとびでややこしいですね すいません トウヤが眠すぎて思考回路がおかしくなってるので許してください
>頭を拭われた。温い手だった。気持ちが良いと、思ってしまった。『あんたより先に親子になっちまった』、つい先刻喰らった言葉を反芻すれば、途端に空気が不味くなる。勿体ないほど与えられる愛情は、いまだ上手に飲み込めないままだ。それを本当に受け取るはずだったあなたの息子の、代役など、僕では務まらなかったから。
いくら親子のようになっても、少なくともトウヤの中では、「自分が代役である」という負い目はずっと付き纏っていくんだよな。
この先がヨーギラスの幻覚を見るシーン。
トウヤがヨーギラス苦手な話ってあんまり本編内にないんですが多少は入ってて(2章とかに)、誰か覚えてんのかな。トウヤの痣について「ヨーギラスにやられたんだっけ」とアズサが発言しているシーンがあるんですよ。
なんつうか、月蝕って言うのはあくまで日常小説だから、こういうシーンもあんまり劇的に過激には書きたくないっていう思いがあって、そういう意味では結構きれいに仕上がってるんじゃないかなと思います。トウヤの厨2病をできるだけマイルドに書きたい。
> ああ。やっと通った喉が、それだけの音を零す。雨音が、世界に戻ってくる。
飲もう。今日は。しこたま飲んで潰れれば、少しは眠れる。そうでないと、さすがにまずい。
長い溜め息をついて、振り返る。鏡にこびりついた曇りを手のひらで押しのけた。少しげんなりしただけの、平時の自分が、そこにいた。大丈夫。まだ、騙していられる。
この最後の一段落が好きです。大丈夫まだ騙していられる。
・8-2-4
タケヒロがトウヤの写真の二枚目を発見するシーン
ここな!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
ここはねえここはねえ、本当によくできました!!花丸!!!
8章にはここが書きたかった~って重要なシーンが何個もあってここはそのなかの一つなんですが、ここは本当に出来がいいですね。ミソラの不穏な話を挟みながらタケヒロが写真の二枚目を見つける、同時進行の若干複雑なパートで脳内シュミレーションをかなり繰り返してた部分なんですが、なかなか理想通りの物ができたなあ。描写は濃くないんですがシンプルさがむしろいいですね。あ~よくできた。すいむさんやるじゃん。
いっこだけ反省するとすれば、タケヒロは写真の方に完全に気を取られてミソラの話の後半は頭に入っていないはずなのに、8-3でそのミソラの話の後半についてタケヒロの方から切り出してくるところなんですよね。ちょっと不自然だけどまあいっかって思った。だってここの流れが完璧であるほうが私にとっては重要だったからね!
■8-3
8349文字。
ここも好きだなあ。本当に好きだなあ。
写真を見つけたタケヒロがそれを忘れようと思うとハリに宣言する一方、ミソラはタケヒロがいたって相変わらず盲目的で、トウヤはミソラに対してよりどちらかというとタケヒロの方が絡みやすそうにしていますよね。このパート、本当に日常回ってカンジですげー好きなんだよな。
トウヤとミソラは確かに「殺しの稽古」をしているはずで偶に不穏な言葉も飛び交うのに中身はまったく普通のポケモンの訓練で、終わってしまえば足を洗って家に上がるような普通のシーンだったり、
>見た目よりついてるんだぞ、触るか? と二の腕を叩くトウヤを完全に無視して、夕飯前に持ってきていた山のような雑巾で床を拭きはじめるタケヒロ。おろおろするハヤテの首に抱き着いて、ミソラはけらけら笑った。解放されたリナが水たまりの上を颯爽と踏み抜けていく。だめでしょ、リナ。主人の言葉を全然聞いてない風なのは、左側から話しかけたからなのか、単純に無視しているのか。絶対後者だけれど。
> こらこら、とトウヤは気ままな小兎を気のない声でたしなめながら、足癖悪く雑巾を引っ張って、濡れた足跡を拭いた。仕方なくミソラがリナを追い、リナはますます駆け回る。タケヒロとしては普段はもう寝るような時間なのだが、明かりのある『家』に住んでる連中は、こんなに遅くまで騒がしくしているものなのだろうか。
この辺のポケモンのいるわちゃわちゃ感がスゲー好き。
全部好きなので何を話していいものかってカンジなのでやめます。3話にして感想(?)書くの疲れてきた。
・8-3-2
ここな。(こればっかり)
ミソラとタケヒロの中に存在するギャップっていうか、そういうのが、堪らなく、堪らないよね。堪らないんだよね。うんうん。ここの心理描写完璧ですよね。私82~83大好きなんですよ。
「起きてる?」から始まる子供らしい密かな幸福さが好きで、「殺すとか、言うの、やめろよ」から少しずつその幸福さがミソラの中から消えていくのが好きで、ミソラがさらさらと喋りはじめるところが好きで、なのに最後には声が微かに震えている所が好き。それを一生懸命受け止めてなんとかしようとするタケヒロのお節介すぎる良い奴さが大好き。
> 理由。理由がいる。考えろ。時間がない。どんどん離れてしまうから、届かなくなってしまうから、だから、だからその前に。昔の『僕』とやらに怯えて、けれど日常を失うことに心を揺らしてくれたミソラの、殺さなくてもいい理由。
皮肉だった。殺しを語られた時の嫌な言葉ばかり、タケヒロには蘇っていた。
戦える力って、大事だよ。
力がなきゃ、何も出来ない。
そうだな、ミソラ。俺は力がないから、ロッキーを救えなかったな。俺は戦う力がないから、好きな女も、守れなかったな。
ここだな~。
■8-4
13393文字。
ここがねえ難産だったんですよ!この回って説明回なんですよ、どこがって、全てが!こんなことがありましたねっていう回だったんです!所謂総集編なんですよね!!!
総集編なんであんまり話すことも無いんですが、
・8-4-1
>「だから、相棒はハリなのかと思ってました」
>「人のものを相棒とは呼べないだろ」
>「『人のもの』?」
そう問い返した時、トウヤは何故か、え、と困惑気味に顔を見せ。
そして、ミソラと、その斜め後ろに控えている、緑色の手持ちへと目を合わせて、
「ああ、そうか……僕の手持ちじゃないんだよな」
吐き捨てるような、うってかわって空虚な声で、そう言った。
ここについてはまあ一応触れといたほうがいいですかね まあ触れたところで何も喋れない的な所はある
真実はさておき、この後の部分で「言っちゃいけなかったんじゃなかったのか」みたいなトウヤ視点の描写があることからも、トウヤの頭が普通にヤバイことになってるっていうことが伝わったら何よりです。眠たい。あとハリの内心もかなりヤバイことになっているはずだ。
>胸の内側で、何か汚泥を堰き止めていた壁が、皮一枚まで削れている。そんな映像が見えた。例えば、誰かが爪先で引っ掛けるならば、簡単に決壊してしまう。虚しく氾濫する澱みの奔流は、縫っても、縫っても、また別のところで皮を破る。とめどなく溢れ出て、そうして僕は、どんどんからっぽになっていく。
どっかでも言いましたが、この「爪先を引っ掛ける誰か」がカナミさんだったんですけどね。8-5に続く。
あーあとリゾチウム……なんでリゾチウムを採用したのかっていう話なんですが まあまた後日機会があれば 最初はタウリンだったんですよ。ちなみにまだこれらの道具が正規品としてフレンドリーショップとかで販売されてない世界の話だと思って欲しいです。
名探偵ミソラくんのあたりは理解してもらえたんだろうか。まあ本筋ではないので理解できなくても問題ないんですけどまあ気になったら聞いて欲しいです。これ以上説明する気力がありません。
>「そういえば……前、バクーダとお師匠様が戦ったとき、凄く体調を崩されて……あの時は相手の方が『毒を盛った』って噂されてて、けど……その後、『薬』を飲んでいましたよね。机の上に出てるのを見たんです。爆心の近くで飲んでた、眠くなると仰ってた白い錠剤です、あれ、ずっと気になっていたのですが」
この話を、ミソラはハシリイでもしようとしているんですよ。
5-6の終盤なんですが
>「前、スタジアムでバクーダと試合をした時に、調子を悪くされたことがあったじゃないですか」
>「あの後、バクーダのトレーナーさんが私に話してくれたんですけど……」
>「毒を盛ったんじゃないかって、スタジアムのトレーナー達に疑われてたそうなんですよ」
「は?」
「あの……私、もしかしたら、その毒って……」
この部分ですね。その毒って『灰』と似たものなんじゃないですかって聞こうとしてたんですよねミソラは。
この話の直後にトウヤが体調を崩して近隣の店に吐きに駆け込むんです。その直前に色々言ってるので興味があったら読んでみてください。
・8-4-2
>「邪魔だ、帰れッ! 話にならん!」
「怒鳴っても帰らねえけど。そういうタイプじゃないだろ、無理すんなよ」
「じゃあどうやったら帰ってくれるのか頼むから教えてくれ」
グレンとタケヒロのこういうところが好きです。子供には結構タジタジだったりするグレン氏。
このパートの頭でグレンが突然脱ぎだしたのは82でトウヤにぬがせたんだからグレンも脱がなアカンやろみたいなアレです(?
■8-5
13526字。
■8-6
17026字。長ッwww
ここに関しては好きすぎて http://kogu.blog.shinobi.jp/Entry/1389/ ここで死ぬほど熱く語ってるので割愛します。何回でも語れるけどそんなに暇じゃありません。暇じゃなかったらこんなにつらつら自作の感想書かねーよ!へへへへ(???
■8-7
13011字。http://kogu.blog.shinobi.jp/Entry/1391/ここでもちょっと話してます。
さっきも書きましたがこの更新分はお気に入りですね~。86もお気に入りなんですけど。ずっとお気に入りですね。へっ。
・8-7-1
ここが最高なのは
>――しあわせだ。腹の奥からこみあげる、そんな実感が、不思議なくらいに懐かしかった。よく覚えていないが、昨日の晩は、きっと楽しかったのだろう。頻繁に数人集まっていた頃みたいに、騒いで笑って、潰されて寝て、ついでに夢でも見たんだ、多分。だからこんなに、夢心地にふわふわして何も考えたくなくて幸せで、いっそこのまま死んでしまって構わないなんて、思っているんだ。
寝起きのトウヤがグレンの寝顔を見ながらこう考えている一方、8-6のグレンはトウヤの寝顔を見ながら
>苛立ちが目を細める。これ以上近づかない方がいいと、理性が囁いていた。死んだように眠る弟分の顔を間近に見れば、荒れ果てた己の屈辱が、それを思い切りぶん殴って、胸倉を掴んで、どんなに汚い言葉で罵るのだろうか。それはとてつもなく、怖いことだ。
> こんなことがあってたまるか。苦し紛れの拒絶反応は口の中でまごついている。精神を鎮圧してくれる煙草は、いつもの効果を発揮しなかった。怒りと空虚を煽るばかり。知ってたのか、お前。どうするんだ。今すぐにでも抱え上げて、遠くへ逃げればいいじゃないか。次々と上滑りする言葉は寒々しく、返す者のない空間で霧散する。増幅していく感情は、末恐ろしかった。こんなにも人間に入れ込んでいたなんてな。あの言葉は、今や急激に弧を描いて、己の胸に突き刺さろうとしていた。
こういう風に考えているんだっていうこの二人の圧倒的なズレです たけみそもかなりズレてるけどとうやとグレンは更にズレている
このへんの描写はちょっとくどかったですかね。綺麗に書こうと思ってウェブリオ見ながら頑張った記憶しかありません。でも今見返すとちょっと字面が重すぎるな。もうちょっと漢字をひらいた方がよかったですね。
>シーツに包まれた小さな体、投げ出された白い脚。柔に閉じられた瞼、頬、作り物のように綺麗な寝顔。その横、今にも転げ落ちそうな体勢で寝ている少年のことも目に入れて、静かに、身体の隅々に染み込ませるように、トウヤは記憶を辿っていく。ビールケース。霧雨。夜のココウ。スーツ、魚、電話のむこう。浮ついていた爪先が、ひたりと地面に触れる、冷やかに現実を呑み込んでいく。
幸福感に浸っていたトウヤがミソラを見つけて現実に戻っていくシーン。今という時がだんだん受け入れがたいものになりつつある。
メグミのテレパシーについては時が来たら話します。何度かテレパシーを利用しているシーンがあって、分かりやすいところだと、ハシリイで元気がないまぁちゃんの話を聞いているシーンですね。トウヤはあのシーンでポケモン達と一緒に居て、ポケモンが笑うのに「一拍遅れて」笑い出すんですけど、メグミの通訳を挟んでるからワンテンポ遅くなってるんですよね。
・8-7-2
リューエルとエト。
色々言いたいこともありますがここも文章が重いですね。結構重いね全体的に。
ミヅキちゃんのキャラクターについてはどうするか迷ってて、まだなかなか定まりきってないところもあるんですけど、その定まってなさがまたミヅキちゃんらしいかなあと思う。
影が薄いんですが第7部隊隊長のイチジョウさんが凄く好きです。彼は3章からずっとアヤノさんと一緒に行動していますね。
・8-7-3
(いよいよ疲れてきた)
こ
こ
が
す
ご
い
好
き
な
ん
で
す
よ
はい そうなんです なんだろうな
> さあ、始まりました、楽しい朝ごはんの時間です。
これが書きたかったっていうのはあったんですけど、おばちゃんに温かさを貰う、ミソラに恩を売られる、その身で人間としての尊厳を喪失した行動を取らざるを得なくなっている、その中で、写真を捨て始めるところまで、全体として描写が嫌に明るいんですよね。それが好きなんです。鬱通り越してテンションハイみたいになってるんです、深夜テンション的な。そうなんです。そういうところが凄く好きなんです。
> 両親が生きていたら、今の僕を見て、どんな顔をするのだろうか。
その想像がおかしくて、トウヤは一人で笑ってしまった。やっぱり嫌だろうか、情けないと言うだろうか。母さんは多分、言うだろうな。みっともないと怒るだろうし、泣くかもしれないし、叩かれるかもしれない。でも、父さんは、きっと笑ってくれるだろう。げらげら笑って、腹を抱えて笑って、さすがは俺の息子だと、涙が出るほど笑うだろう。そうやってひとしきり笑い飛ばしてから、僕に聞くんだ、絶対。それでどれが一番うまいんだ、って。父さんにも食わせてくれって。嬉々として言うに決まってる。それを聞けば、母さんはまた怒って、下手したら父さんも殴られるんだ。
ああ、――絶対そうなる。おかしいな。立ち上がって、ぽんぽんと上機嫌に頭を撫でられたハリが、また無表情に彼を見上げる。トウヤは部屋の向かいの、ミソラが使うベッドの下に手を突っ込んで、畳まれたゴミ袋を取り出した。
引用が長くてすいません
ハイなんですよ わりとヤバイことになってるんですよ
> 手始めに、無造作に並べられている写真立ての中から、青いフレームを選んで取った。
色褪せた、うすっぺらい紙の中で、大好きな父と母に手を取られて、無邪気に笑う、九歳の子供だった自分。
父さんは、母さんは。今の僕を見て、一体何を思うのだろう。
一瞥して、すぐにゴミ袋に放り込んだトウヤに。ハリは静かに目を見開いた。
――ある日砂漠の真ん中で、とてもきれいな子供を拾った。拾った子供は、すくすくと育って、「誰とも知らない人を殺したい」と言い出した。父さん、僕はそれを手伝うと言ったよ。母さん、僕はそれに指導をつけたよ。『人殺し』に加担する、醜くて、身勝手極まりない、酷で残忍なあなたたちの息子を。見て、何を、思いますか。
もうこの流れがね 本当にね 「ある日砂漠の真ん中で」あたりからもうね たまらないしね それを見てるハリがさあ!!
>ひとつひとつ、確認もしなかった。色とりどりのフレームの中。ハリや、ハヤテや、たまにメグミも写り込んでいる、色々な場所に行った記憶、そこで見たもの、聞いたもの、笑ったこと、怒ったこと、感じ入ったこと。すべて掴んで、囚われる前に、袋の中へ。放り込んでいった。消し去っていった。なかったことにしていった。
優しくないよ、優しくないんだ。ミソラ。胸の中で、うわ言のように繰り返したって、黙っていれば意味はない。そう勘違いさせる行動をとり続ける限り、懺悔は力を持つはずもない。ミソラ。気付いてくれよ。見限ってくれよ、頼むよ。早く。お前が慕ってる『師匠』と言う奴は、本当に屑で、下劣な悪魔か、鬼のような化け物なんだ。
もうダメ感があるし
> 黙って、呼吸をするのも忘れるように、膨らむゴミ袋に見入っているハリは。微かに震えている、ようだった。
ここなんか本当にもうダメ感がありますよね。ね。
なんかなあもうなあ、ココ切ないんですよ本当に。しんどいんですよ作者的には。彼がいっぱいいっぱいなことが伝わればいいなあと思ってるんですけどいかんせんこの時点でどうして彼がいっぱいいっぱいになるのかよく分からない読者様の方が多いんじゃないかと思うんですよ。だからこのシーンがうまく伝わったのかはホント自信ねえしよくわかんね~。よく分かんない更新分だったらホントすいません。前のブログでも月蝕史上最も意味不明な更新分だったのではって書いてますね。
>昨日の電話を思い出した。大丈夫だよ私幸せになれるよって。今更じゃん、仕方ないじゃん、って。ねえ、だから、トウヤも幸せになってよ、絶対だよ、約束だよ、なんて。
あの、馬鹿が。脳裏にあの声が過ぎった途端、急激な脱力感に襲われて、ベッドに倒れて、顔を覆った。
カナ。……散々無責任なことを言いやがって。
トウヤを決壊させたのはやっぱりあの電話だったんだよな 8章の前半は8-7までなんですけど、ターニングポイントはあの電話が鳴り始めた瞬間だったんだよな。
>おねえちゃん。呻き声が、指の隙間から漏れる。あなたは、何を言うだろう。何か言ってくれるだろうか。僕を怒ってくれるだろうか。僕を、笑ってくれるだろうか。
その、どちらにしたって。――変わらないのだ。結末は。どうやったって足掻いたって、最後に僕は、ぐるぐると、頭から落ちていくだけなのだ。
十歳の僕が待っている、あの月の夜と、地獄の底へ。
落ちていく、だけなのだから。
ここは8章の地の文では一番好きかも
トウヤの周りには実際たくさん人がいるのに、いっぱいいっぱいになりはじめたトウヤの口から漏れる名前は「おねえちゃん」なんですよね。なんでだよお前、ってね。ね。
**
え~
追記が長すぎると怒られたので
分割します
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